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一人用声劇台本  作者: SOUYA.(シメジ)
台本一覧
27/197

男性用【ハンコウキ】

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 ♂1:♀0:不問0

 微笑む青年

[あらすじ]《2分半程度》

 連続殺人犯。そんな、テレビでしか聞いたことの無いような単語が耳を(つんざ)いた。私の目の前で微笑む彼は、どうやら連続殺人犯(ほんもの)らしい―――。










【微笑む青年】

 始まりは・・・祖父の言葉かな。

 『お前は人の気持ちが理解出来ないんだから無闇矢鱈(むやみやたら)に喋るんじゃない』なんて。


 小学二年生に言う言葉じゃないよね、うん。だけど祖父は僕が聞き入れるものだと信じて疑わなかったし、僕もそれを素直に受け止めた。

 今はね、もっと言い方があったんじゃないかとかどうでもいい事ばかり思い浮かぶんだけど祖父はもう死んじゃってるし意味無いんだよね。


 僕は祖父の言葉通り、人の気持ちがなんとなくも分からない子供だったみたいで、喋らずとも人を不快にさせるに()けていた。


 父と母は気にしなくていい、なんて笑っていたけれど僕の心には祖父の言葉が(とげ)みたいに刺さって抜けなかった。

 いつしか両親のその笑みにすら嫌悪(けんお)が差した。


 犯行(はんこう)の始まりは、大学生の時。付き合ってた彼女に言われたんだ。


『全然好きって言ってくれないね』って。

 それを言われた途端、何故(なぜ)だか祖父の言葉が(よみがえ)った。

 好きと言われたい彼女の気持ちが理解出来なかったからだろうね。

 付き合ってるのだからわざわざ言わなくても良くない? って思ってたんだけど彼女は良くなかったらしくてね。何だか色々と(わめ)き散らされて・・・気が付いたら事切(ことき)れた彼女がそこに居て。


 僕は死んだ祖父に謝ったよ。死んだ祖父を責めたよ。

 貴方の助言も(むな)しく、僕は人を(あや)めてしまったんだって。貴方の毒のような言葉は僕を人でないものにしてしまったんだろうって。


 八つ当たりだって分かってたよ。でも、止められなかった。それから、彼女が大学に来ないんだって連絡してきた人達も同じようにした。


 狂ってる? そうかもね。

 そうだったかもしれないね。


 だけどもう、そんなのどうだっていいんだ。


 もう犯行も、反抗も・・・やめるからさ。


 僕の、祖父へのハンコウキは、もう終わりだから。

 だからねぇ、・・・姉さん。早く僕を・・・コロしてよ・・・。








STORY END.

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