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一人用声劇台本  作者: SOUYA.(シメジ)
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24/197

男女兼用【語り部紫狒々〜扇子編〜】

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 紫狒々

[あらすじ]《3分程度》

 (かた)()紫狒々(しひひ)は山奥の小さな集落の出身である。ある日集落へやって来た楽しそうな語り部に憧れて紫狒々は集落を飛び出したのだった―――。









【紫狒々】

 やぅやぅ。アイは紫狒々(しひひ)。語り部やってまだ4年の新参(しんざん)デス。

 ここよりずっと山奥にある辺鄙(へんぴ)な集落出身デスので、ここらの言葉は少し曖昧(あいまい)デスけど、よろしくお願い申し上げマス。


 さてさて、今日の紫狒々はちょっと長めのお話に興味がありマス。(あま)降る様子も無し、良ければ聞いてやって下さいな。


 紫狒々は以前、その手の界隈(かいわい)の者から霊力の宿(やど)るとされる扇子(せんす)を受け取りマシタ。

 デスが紫狒々。こう見えてそういった物には縁のない生活ばかり送ってきたので、使い方がよく分かりません。


 仕方なく、カバンの中に仕舞(しま)い込んでおきマシタ。

 デスが紫狒々。忘れっぽいので旅をする中で扇子の存在をもろとも忘れてしまいマシタ。


 そんなある日の事デス。

 紫狒々が木陰(こかげ)で休んでいると、扇子を(くわ)えた世にも奇妙なヘビが一匹、紫狒々の元へやって来マシタ。

 先も言った通り、紫狒々は辺鄙(へんぴ)な集落の出身。毒ヘビの見分けくらいつきマス。

 紫狒々が見分けた結果、それは毒ヘビなどではなく、木の皮を食べて生活をする温厚(おんこう)な種デシタ。


 ヘビは紫狒々の手の元までやって来ると、(くわ)えていた扇子をペッと吐いて、その辺に捨て置きマシタ。

 ヘビに言葉が通じるとは思いませんガ、紫狒々は『良いのか』と訊きマシタが、ヘビは気にした様子もなく、紫狒々のカバンを見遣(みや)ったのデス。


 紫狒々はヘビを見て。その(のち)に捨て置かれた扇子を見マシタ。そこで紫狒々はあっと声を出しマス。やっとこさ胡散臭(うさんくさ)い扇子の存在を思い出したのデス。


 もしかしたら紫狒々の持つ扇子が欲しいのかもしれない。

 だけれど、紫狒々は扇子の存在をついさっき思い出したばかり。何処(どこ)に扇子があるのかなんて分かりません。


 カバンの中を全部出して掃除をするなんて面倒な事も出来ません。デスが、扇子を差し出さないとヘビは退()く気配もありませんデシタから、仕方なく紫狒々はカバンを開けて中を(さぐ)ろうとした時デシタ。


 紫狒々の陰からヘビが飛び出して、カバンの中に入ってしまったのデス。カバンの中には旅をする中で必要不可欠な物がたくさん入っていマス。紫狒々は慌ててヘビを(つか)み、外へ(ほう)り投げマシタ。


 そのヘビの口にはしっかり、あの扇子が(くわ)えられていたので紫狒々は取られた、と思うより安心して肩の力を抜きマシタ。

 ヘビはそれを器用に(くわ)え直すと、鎌首(かまくび)をもたげてからゆっくりと紫狒々に礼をしマシタ。


 結局あの扇子が何だったのか、紫狒々にはよく分かりません。デスが世の中には紫狒々の知らない世界があるのだと実感しマシタ。


 おや、そろそろ紫狒々も次の土地へ行かねばなりません。名残(なごり)()しいデスが、またどこかでおアイしましょう。


 紫狒々の()く場所に、幸運あれ。










STORY END.

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