表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一人用声劇台本  作者: SOUYA.(シメジ)
台本一覧
181/196

男性用【語り部鹿華〜手封送編〜】

台本ご利用前は必ず『利用規約』をお読み下さい。

『利用規約』を読まない/守らない方の台本利用は一切認めません。


※台本の利用規約は1ページ目にありますので、お手数ですが、『目次』をタップ/クリック下さい。

 ♂1:♀:不問

 鹿華

[あらすじ]《4分程度》

 (かた)()鹿華(ろくばな)は全語り部の憧れだ。語り部と言えばと聞いて返ってくるのは彼の名ばかり。『生きる伝説』とまで呼ばれたあの語り部は今、どこで何をしているのだろう―――。











【鹿華】

 (背伸びをして)


 っ〜…! さ、始めっか!

 語り部鹿華(ろくばな)

 …知らねぇ奴は知らねぇでいいけどな、あんまし世間せけんの事に無頓着むとんちゃくだと、他所よそはじかくのは自分だぜ? あ? 自分が世間の中心だと思ってんのか、って? 自意識過剰は語り部の最大の武器だぞ。


 無駄話が過ぎたな。今日は〜っ…と。

 何だよ、今から語ンだから邪魔すん…あ? 手封送てふそうかよ。布なんて被ってるから何処どこぞのねずみ小僧こぞうかと思ったぜ。

 嗚呼ああ、手紙な。そこ置いてけ。心配すんな、俺の客に物盗ものとりは居ねぇよ。


 ふぅー・・・、とんだ珍客ちんきゃくだったな。

 あ? アレは何だって? オイオイ、世間知らずどころの話じゃねえぞ、それは。

 手封送てふそうってのはな…あいや、ちょっと待て。今日は手封送こいつの話をネタにしてやろうか。


 手封送は大昔から、遠くに居る身内や知人へ手紙を送る手段として利用されてる、ちっとばかし珍しい種族でなぁ。

 姿すがたかたちは影しかなくて、言葉を話せる奴と話せない奴が居る。

 違い? さあ? 聞いても教えてくれねぇし。ンな事考えた事も無かったわ、はは。


 手封送の利用方法? 簡単だぜ。

 自分の血でも他人の血でも良いが、『人間の血』を使って血判けっぱんすりゃあいい。

 それを手紙にでも、封にでもして、届けたい相手の名前を書き込めばアラ不思議。とんと目を離した途端とたんに手紙は手封送が相手の所へ届けてるって寸法すんぽうだ。


 住所はいいのかって? 書いても書かなくとも手封送には関係無いからなぁ。

 アイツらはずっと、ずっと、ずーっと大昔に、とある男が生み出した怪異かいいだからな。

 …オイオイ、ビビってんのか? 大丈夫だって。手紙に使う血判に人間以外の血を使わなけりゃあ、何も問題ねぇよ。

 人間以外の血を使った奴の事は〜……あー…まあ聞かねぇ方が身の為だな。


 ま、これが大陸のお届け人である手封送の話だ。手紙届けたい奴は、この近くの露店ろてんで売ってたから試してみるのも良いかもな。

 最近じゃあ、語り部や商人以外だとあんまし使われねぇってボヤいてたし、悪い奴らじゃねぇし、金も取られやしねぇから使ってやってくれよ。な?


 …………。


 あー…そうだ。お前さん。そう、お前さん。他では見ないくらい世間を知らねぇみたいだから、一つ忠告だ。

 怪異かいいやら妖怪やらに対しての好奇心こうきしんは多少の怪我で済むかもしれんがな、それ以外の〈る〉奴らには絶対に手を出しちゃあならないぞ。


(少し悲しそうな顔をして)

 ……なぁに、気にしなさんな。

 世間知らずが時に、世界をひっくり返すような馬鹿を起こすのを、俺ぁ知ってるだけだからな。


 さて、今日はここまで。

 俺の名を広めるも広めねぇも好き勝手に。また知らぬ地で会おうぜ。今度も退屈たいくつなんてさせねぇからよ。











STORY END.

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ