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一人用声劇台本  作者: SOUYA.(シメジ)
台本一覧
177/196

女性用【糾えば簡単なコト】

台本タイトルは【あざなえばかんたんなコト】と読みます。



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※台本の利用規約は1ページ目にありますので、お手数ですが、『目次』をタップ/クリック下さい。

 ♂0:♀1:不問0

 静かに笑う女

[あらすじ]《2分程度》

 資産家しさんかが死んだ。他殺だった。犯人は資産家の妻。彼女は何の言い訳をするでもなく、「私が殺しました」と静かに笑った―――。














【静かに笑う女】

 殺して欲しい、って言ったような気がしたんですよ。


 幻聴げんちょう? いいえ、彼はね、物事を言葉に起こすのを、よく迷う方でしたから。

 言っていない、で良いんです。

 私にはそう聞こえたんです。


 刑事けいじさん、そうやってはなから“犯人わたしはオカシイ”って目をしないで下さい。

 確かに私は人を、夫を殺しましたけれど、何も生まれた瞬間から私、おかしかった訳ではないんですから。


 いつから殺意さついを………?


 ずっと。


 ずっとです。


 すこやかなる時も、

 める時も、

 喜びの時も、

 悲しみの時も、

 める時も、

 まずしい時も、

 彼を愛し、

 彼をうやまい、

 彼をなぐさめ、

 彼を助け、

 この命ある限り、真心をくす事をちかった…


 あの時から…ずっと。


 ずっと ずっと ずっと ずーっと。


 殺したくて、殺したくてたまらなかった。


 ……。


 遺産いさんの為……?


 いいえ、彼のお金に興味はありません。彼のお金に手を出す気もありません。

 私の殺しがバレないまま、警察が無能むのうのまま、時が過ぎていったなら、どこかの施設に寄付きふでもして、ひもじい思いをして生きて行こうって思っていました。


 ではナゼ………?


 だから、言ったじゃないですか。

 彼が殺して欲しい、って言ったような気がしたんですよ。




 私にはね、何も無いんです。


 お金も、力も、信頼も。


 何も無いんです。


 料理も上手く無いし、裁縫さいほうなんてやった事もない。

 デートの返事だって、いつも『はい』ばかりでつまらない女。

 …夜も、いつまでたってもうぶで。


 彼を満足させられる要素なんて何一つ、無かったんです。


 だから、

 初めてだったんです。

 やっと、

 彼の役に立てるんだって。



 刑事さん、私。


 馬鹿な女ですか……?


















STORY END.

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