男性用【千里の道は何歩から?】
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物腰柔らかな青年
[あらすじ]《3分半程度》
王都の片隅。スラム街よりもう少し南方。閑古鳥の鳴いてそうな雑貨屋が一つ。そこの店主は万物を見通す力を持っているとかいないとか―――。
【物腰柔らかな青年】
やあ、いらっしゃい。お客なんて珍しい。
随分と小綺麗な格好だけど、どの道を通ってきたんだい?
ああ、鉄工所の辺りから。まぁ、無難だね。
今日はどんな御用で? こんなナリだけど雑貨屋だし、ある程度モノは揃ってるよ。
薬草から魔物を寄せ付けないローブとか…まぁ、曰く付きのモノも色々…。
おや、雑貨屋に御用ではないのか。いやね、宣伝なんてしてないのに一体どこから知り得てくるのかなぁと。
僕の《千里眼》ってそんなに凄いものなのかね。よく分からないや。
さてと、何が知りたいの?
好きな男の好み? 殺したい奴の弱点? ふふ、僕って本当に厄介な奴だよね、知ってる〜。
聞かれもしないうちに君を見ただけで色々《見えちゃう》んだから。
……ああ、報酬の話? お金は要らない。代わりといっちゃなんだけど君の持ち物をもらう事にするよ。
君の持ち物は君の《情報》を持ってる。僕が君に渡すのはありとあらゆる《情報》な訳だからその支払いも《情報》じゃないとフェアじゃない。……よね? ふふっ。
何をもらうかは後で決めるよ。
何も追い剥ぎしようなんて言ってないでしょ? 服とか下着じゃなくて、君を知ってそうな物をもらうよ。
それで? 知りたい事は何?
………………………………。
なーるほどね。
つまり君はその人と結婚したくないから夜逃げをしたい。その為の逃げ道と味方を探したいって訳か。
まぁ、物騒なお願いだけど君の結婚相手も相当物騒みたいだから協力するよ。
まず、味方だよね。メイド長は何の弊害もなく、君の味方になってくれそう。
あ、そうそう。眼鏡を掛けた宰相殿も安全だね。口も堅いみたいだし、メイド長とも特別な仲みたいだし。
あとは……あー……。
君自身、とても上の立場にいる子だからなぁ、油断するとどこから漏れるか分からないよね。
ああっ! 騎士団の副団長はどう? 彼だったら逃げ道も用意してくれそうだよ。うんうん、この道なら君も安全に逃げれそう。
でも彼に話す時は周りに誰もいない時じゃないと計画がパアになっちゃうから気を付けてね。
と、これくらいかな。
まだ《見て》欲しい? それとももうやめとく?
……そう。じゃあ頑張ってね。
僕の千里眼がどこまで正しいのかは分からないからくれぐれも慎重にね。
ああ、そうだね。報酬だったね。
じゃあ…………、それ。
うん、その腕輪をもらおうかな。
それが一番君を知ってそうだし。
はははっ、お礼なんて結構。
僕は《見えた》事を君に伝えただけ。
それじゃあ、いつか。また。
君の無事を祈ってるよ―――。
STORY END.