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一人用声劇台本  作者: SOUYA.(シメジ)
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167/196

女性用【語り部梢〜魔法書編〜】

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 ♂0:♀1:不問0

 梢

[あらすじ]《3分程度》

 かたこずえは穏やかな口調で人々をいや老齢ろうれいの女性だ。ふわふわと笑う彼女の話は聞く人を幸せにするのだという―――。













【梢】

 あらあら、まあまあ。こんなにたくさん来てくれたのね。昨日さくじつは夜遅くまで語り部仲間さん達と飲んでいたから、少し短いお話でもしましょうかしら。


 ふふ、折角せっかく来てくだすったのにごめんなさいね。でも決して退屈たいくつはさせないわ。


(客から指摘されて)

 っあら、あたくしったら自己紹介もしないで、…もう、お喋りが過ぎるのも良くないわね。


 あたくしはこずえ。語り部を始めてもう、かれこれ四十年くらいになるのかしら。

 …ふふ、歳ばっかり取って、全然変わってないのだから。あたくしったらダメねえ、ふふ。


 誰と飲んでいたのって? えーっと、おぼろ月久つきひさと、芽転めごろよ。昼には影函えゐかんも居たけれど、あの子はお酒が飲めないから。


 …ふふ、それじゃあお話しましょうか。


 このお話は…知っている人も多いわよね。色んな人の手を渡って大冒険をした男の話、『エゲーテル冒険記』。

 ふふ。どの街の図書館に行っても、必ず目にするもの。最近は子供向けに分かりやすく書いたものも出版しゅっぱんされたわよね。

 あ、じゃあ今日はそのお話に登場する魔法書についてお話しようかしらね。


 え? 魔法書なんて登場しない? ふふ、いいから聞いて行って下さいな。


 その魔法書は生まれてすぐに、色んな所をたらいまわしにされたわ。

 ひどあつかいを受けた事もあったし、魔法書なのに下敷したじきにされたり、子供の玩具おもちゃにされたり、散々だったわ。


 だけれど、ある日。

 いつも通りおやく御免ごめんになって、行商ぎょうしょう人に売られそうになった時、横から“彼”を奪い去った者がいたの。


 彼女は魔法士へ弟子入りしたばかりの見習い魔法士でね、

 “要らないんだったら、貰っていくわ”と魔法書を片手にポン、と消えてしまったの。

 本の代金だいきんには多過ぎるくらいのお金を置いてね。



 それから彼女は魔法書を後生ごしょう大事にしたらしいわ。


 本を読んで魔法を学び、

 紙が劣化れっかしないように魔法を掛け、

 使わない時はどんな衝撃にもえる金庫の中に仕舞しまっておいたとか。


 彼女は最高魔術師として生涯しょうがい、人々を助けながら生きたわ。

 そうして彼女の死後、彼女の私物しぶつは身内に引き取られたらしいけれど、何故か魔法書だけは見つからなかったそうなの。


 でも、ある日の事だったわ。

 女性の孫が、女性の墓の前で魔法書を見つけたの。劣化防止の魔法は少しけてしまって、表紙が取れかかっていたけれど、確かにソレは彼女が生前せいぜん大事にしていた魔法書だったわ。


 孫はその魔法書を自身が働く図書館へ寄贈きぞうしたの。

 もう随分ずいぶん劣化が進んで、もう本を開く事すら出来ないみたいだけれど、今でも一般公開されているはずだわ。


 見に行きたい?


 じゃあここから真っ直ぐ北へ。

 アシラキ地方の古代図書館に、その魔法書…古代ルジシアしんの一人から名を貰って、エゲーテルと名付けられた“彼”がかざられているわ。


 ふふ、それじゃあ今日はここまでだわ。また明日あすね。

 今度はどんな“物”語に花を咲かせましょうかしら、ふふ。









STORY END.

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