女性用【非業な感情】
台本タイトルは【ひごうなかんじょう】と読みます。
台本ご利用前は必ず『利用規約』をお読み下さい。
『利用規約』を読まない/守らない方の台本利用は一切認めません。
※台本の利用規約は1ページ目にありますので、お手数ですが、『目次』をタップ/クリック下さい。
♂0:♀1:不問0
目を合わせない女
[あらすじ]《2分半程度》
自分を睨む後輩に、内心安堵する。そう、追ってきてしまったの。馬鹿ね、本当に。…本当に馬鹿な子ね―――。
【目を合わせない女】
気に入らなかったの。自分の事がずっと。
嫌いだった、とは少し違うけれど…でも、私は私自身を認めてあげられなかった。
私は私を信用してなかったし、どうせ失敗するんだろう、とか。どうせ上手く行きっこないとか、そういう否定ばかりを生んできた。
(長い沈黙の後、ため息を吐いて)
……いっそ、皆が私を否定してくれればいいのに。生きる価値がないのだと指を差して笑ってくれたらいいのに。
そうしたら、ちょっとくらい。私は私の事を可哀想と思えるのかしら、って。
でも世界って…思ったより優しいの。
思ったより、中途半端に手を差し伸べてくるものだから…。
私はずーっと長い間、グジグジと悩んで自分を捨て切れなかったの。
惨めでしょ、子供みたいでしょ、こんなに捻くれてるのに、最後の一歩が踏み出せないでいるなんて。
嗚呼、馬鹿な子。
追ってきてしまうなんて。
良いじゃない、あっち側にいれば。
私なんか放っておいたら良いのよ。
こんな、矛盾ばかりを口にして、同じ所に留まって、何にも成せてない女なんか放っておいてったら!
………何で、どこにも行ってくれないのよ…。
ッ何で、そんな目で私を見るのよ…。
“貴方を愛してしまったから”……?
ウソよ、こんな惨めで憎たらしくて、自分の価値も見い出せない女を…愛してる…? 寝言は寝てから言うことね。
…………………………。
…まあ、こんな所まで来て、そんな戯れ言を言うタイプではないのは、知っているけれど…。
でも止めに来たんじゃないんでしょ?
貴方がここに、独りで来たのが答えだわね。
…………いいわ、…もういいわよ。
“ミチヅレ”にしてあげるから、そんな顔で睨むのは辞めて頂戴。
STORY END.