女性用【異端途端】
台本タイトルは【いたんとたん】と読みます。
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ニコニコ微笑む女
[あらすじ]《2分程度》
「おかしい、ですか?」「でも、そんな事言う貴方の方が…」
視線の先の微笑みは絶えず、切れず、音を出す―――。
【ニコニコ微笑む女】
恐ろしい事を、言うものですね。
人は、死んだらどうなるのか。ですか…。
恐らく、ですが。
地獄にも天国にも逝けず、自我も無いまま、彷徨って、そうしてまた新しい殻に入り込んで、新しい人生を歩むんじゃないんですか。
さあ。知りません。
何せ、死んだ事なんてありませんから。
死んだ人間に会ったことはありますが、当然会話も出来ませんし、幽霊なんて視えもしませんから。
(ため息を吐いて)
…貴方の言う、その“悪い事”ってなんですか。人を殺す事ですか、人を害する事ですか、それともちょっぴり嘘をついてみる事ですか。
…ねえ、“悪い”ってなんですか。
悪い事をしたら、地獄に行くんですか。閻魔様に連れて行かれるんですか?
良い事をし続けたら、天国に行けるんですか。仏様が連れて行ってくれるんですか?
そうやって、自分の過去の行いを悔いて、嘆いて、嘲笑っても、今すぐには死ねないんですから。
無意味な事をするよりも、有意義に生きた方がマシですよ。
生きる事、楽しくないですか。
だから死ぬ事ばかり、厳密に言えば、死んだ後の事ばかり見ようとしてしまうのですか。
つまらない人ですね、貴方。
えぇ、最高につまらない人ですよ。
死んだ後なんて知りません。
来世も前世も、気にしてる余裕なんてありませんよ。
今世を、ゆぅったり堪能してからにしましょうよ。
……きっと。
…えぇ、きっと。
死ぬ、なんて。言ってるヒマ、ありませんから。
STORY END.