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一人用声劇台本  作者: SOUYA.(シメジ)
台本一覧
152/196

女性用【語り部千輪〜蜉蝣編〜】

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 ♂0:♀1:不問0

 千輪

[あらすじ]《2分程度》

 (かた)()千輪(せんりん)長寿(ちょうじゅ)と言われる九尾と人間のハーフである。遥か昔の世代から語り部をしていた彼女は、今日も世界のどこかで聞きかじった話を聞かせ渡るのだった―――。








【千輪】

 ()の語りは長く億劫(おっくう)なり。

 それでも良いと(さえず)る小鳥達はどうぞ余の腕に止まり、羽を休ませよう――。


 …なんて。身構みがまえる必要はないさ。ただ、今日は少し機嫌が良くない。

 なに、名付けたからすに噛みつかれただけの事よ。


 まあ、そんな余の話は置いといて、今日こんにちも簡単に語りましょう。


 みな蜉蝣かげろうと呼ばれおそれられた、血腥ちなまぐさ傭兵ようへいをご存知だろうか。


 余も一度だけ、その傭兵に会った事があるのだけどな。

 その蜉蝣、生き血をすするを生き甲斐がいとす。なんて言われている割には友好的な? 今でいう、“ふれんどりー”な奴だったよ。


 余を千輪と知っているようで、好きな語り部は他の……影函えゐかんだったか。

 …ん? 嗚呼ああ、もう死んでいるさ。何せ今の古株ふるかぶいも甘いも知らぬころ重鎮じゅうちんだからな。

 まあ、そんな話もまたいずれ。


 その蜉蝣おとこは、何ともまぁやかましい奴だったよ。酒が苦いだの、相手が弱いだの、いた奴が依頼の対象だっただの。

 ああもう、思い出すだけで耳のそば五月蝿うるさくて仕方ない。


 だというのに、いざいくさの場へおどり出れば、それはまるで…そう、陽炎かげろふごとし。

 俺は此処ここだ、いや後ろだ、あらよっと隣だったかな、とね。


 気が付けば周りは血の海で、そこに蜉蝣が一人。かくれんをしていただけだっていうのに、またみな眠っちまったと笑っていたよ。

 …はは、余も大概たいがいだと思っていたけれど、世間には意味の分からないくらいイカれた奴が居るのだと、思い知ったなぁ。


 そんな蜉蝣の名を聞かなくなって、嗚呼もう…こんなに経つのか。早いもんだ、人のというものは。

 もう少し、ゆっくり生きる事は出来ないものかねぇ。


 くふふ、なんてな。


 さて、余はそろそろ語りを閉じようか。噛み付いて逃げたからすを追って、説教の一つでもしてやるとするさ。


 そいじゃあ、またどっかで。











STORY END.

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