男女兼用【砂糖な君へ】
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呆れ返った人
[あらすじ]《2分程度》
「誰?」って言われたんだけど。
拗ねたようにそう言った相手に、思わず鼻から空気が漏れた。誰かに忘れられた相手は昔言った事を忘れてしまったらしい―――。
【呆れ返った人】
何度言えば分かる。
赤の他人にとって「お前」という存在は無価値なのだと。
付加要素が無ければ「お前」には何の彩りも無いんだ。
だから「お前」を誰かの記憶に植え付けたいならば、動け、…そう言ったはずだ。
動けば動いただけ、「お前」に付加価値が生まれる。「お前」という可能性が無限に広がっていくんだ。
そうすれば、誰かの目に「お前」が留まる。誰かの記憶に「お前」が刻まれる。
だがそれで終わりじゃない。
「お前」を忘れられたくないんだろう。「お前」が「誰か」の絶対でありたいんだろう。
「誰か」の記憶の中で、砂糖のように溶けたくないと拗ねるならば、溶け切らないほどに植え付けてやればいい。
“誰か”と遊ぶなら「お前」とが一番楽しいと思わせればいい。
“誰か”に聞くなら「お前」に聞くのが一番良いと思わせればいい。
……はぁ、だから。そうなりたいなら、「お前」が「お前」であるだけでは、何の意味もないんだと言ってるだろうが…。
(舌打ちをして)
あーあー! 分かった分かった、馬鹿なお前に分かりやすく言ってやる!
「知識」という付加価値を背負った「お前」になるも良し、
「過去の経験」という付加価値を背負った「お前」になるも良しだ。
付加価値は、「お前」の「宝」なんだよ。
「宝」を背負えよ、若者。
…あー…、だが嘘は駄目だぞ。
それは「宝」を汚す「泥」でしかない。「お前」を見えなくする「毒」でしかない。
「お前」を―――いや、自分を磨く為の行為に嘘は混ぜるな。
本物の「宝」すら、泥に塗れた偽物になる。
ホントウの「お前」すら、毒に侵されたウソになる。
だから、…嘘だけは、やめてくれよ。
………、と。言ったはずなんだがなぁ。
STORY END.