女性用【嘘つきの極意】
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飲んだくれ女
[あらすじ]《2分程度》
とある場末のバー。それなりに活気のあるそこでは一人の女が酒を飲みながらマスターと話をしている。実は最近嘘つき女が街を彷徨いているらしい―――。
【飲んだくれ女】
アタシねぇ、生まれて此方嘘なんて一つもついたことないのよ。すっごいでしょ~。
格好良い彼氏だって居るしね、うん。そうなの。『旅芸人』って言ってたわ。雑誌とか新聞とかに載ったりして頑張ってるのよ。
ふふ、んー? 巷で有名な嘘つき女ぁ? ふふふ、あらあら。そんな怖い女がいるのね、気を付けなくちゃ。
でもアタシは大丈夫。だってその手の界隈では有名な『画家』の彼氏がいるもの。彼ってばね、次の作品はアタシの肖像画を描こうなんて言っててね。
あ、そうそう。
今度、この街でサーカスが開催されるらしいじゃない? ちょっと楽しみなのよね。実はそのサーカス団の『団長』がアタシの弟なのよ。
ふふ。ね? 凄いでしょ?
両親が死んでから二人で苦楽を共にしてきたから独り立ちしていった後、心配だったのよね。
お酒のお代わり? いいえ、何だか酔いが回りそうだし止しておくわ。
それにそろそろ彼氏が迎えに来るの。そう、彼氏。『小説家』なのよ。
アタシってこう見えて天涯孤独なんだけどね、それをノンフィクションとして世に書き出したいなんて言うのよ。
『弟』なんて居ないけれど歳下の彼がまるで弟みたいでアタシちょっと照れくさいのよね。
あら、そうそう。西の都で殺人事件があったの知ってる? かなり悲惨な事件だったみたいだけど犯人は捕まったって。怖いわよね…。
捕まった犯人ってば『自分は人なんて殺してない、そんな覚えもない』って血まみれになりながら言っていたらしいのよ。
自覚がないって本当に困りものよね…。
覚えが無くとも、死んだ人は帰って来ないのにね。
……。ごめんなさい、辛気臭い話しちゃったわね。そろそろ帰るわ。
お会計は? ……、はい、丁度ね。
それじゃあ、マスター。また来るわ。
……え? 嘘をつかないコツ?
そんなの簡単だわ。ふふ、
『本当』の事を言えばいいのよ。
STORY END.