男女兼用【ひと時の騒音】
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♂0:♀0:不問1
隣に座る誰か
[あらすじ]《2分程度》
田舎の無人駅。五つの椅子が連なったベンチの端に座った。この時間帯なら滅多に誰もホームに来ないだろうと気侭に電車を待っていると―――?
【隣に座る誰か】
失礼。お隣、よろしいでしょうか。
…。電車、何時です? 48分ですか。もう少しで来ますね。…しかし一時間に二本しか電車が来ないなんて不便利ですよね。しかも駅に止まるのは普通電車でそれも二両編成のものだけとは。
ここらでは当たり前? それは失敬。…いえ、知人に逢いに都心から。なので無人駅というもの自体がワタシにとって珍しくて。
(相手が迷惑がっている事に気付いて)
あ…。…いや、はは。すみません。不躾に話し掛けてしまいまして。いやね、知人が寡黙な奴でして。その点ほら、ワタシってばこんなにお喋りでしょう?
ちょっとお話しし足りなくて…。
それでも知人なのかって? えぇ、まぁ。それでも知人でしたよ。……はは、…まあ。そういう事なのです。
…っいえいえ、謝るだなんてとんでもない! 勘違いさせてしまったのはこちらですから!
…昔から喋るのは得意じゃないって奴でした。それが今では返事もしなくなって。それが、ほんの少し空しいというだけです。
……。……ああは言いましたが、電車の本数が少ないのはいいものですね。待ち時間にこうしてゆったりお喋り出来ますから。
いえ。こちらに来るのは…年に一度です。アイツが好きだった花をたくさん買い込んでね。
帰る時はこの通り、寂しく手ぶらな訳ですけど。
(相手の返事に嬉しくなって)
…ええ。…また会えればその時は、……貴方の事を教えて下さると嬉しく思います。
…っああ、電車が来ましたね。
それでは、またお話ししましょう。
STORY END.