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一人用声劇台本  作者: SOUYA.(シメジ)
台本一覧
13/196

女性用【妖界バーの雪童子姐さん】

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 ♂0:♀1:不問0

 雪童子

[あらすじ]《2分半程度》

 ここは妖界(ようかい)にあるバー、『雪こんこん』。そこのバーメイドである雪童子(ゆきわらし)の姐さんが名物になっている。これは雪童子姐さんが常連の悩みを適当に聞いたり聞かなかったりする話です―――。









【雪童子】

 こうも世の中平和だと暇になって仕方ないね。……そりゃあね? 平和に越したこたァないけれど、ちったァ物騒でもアタシはそこらのか弱い乙女と違って怯えたりなんぞしないさね。


 お、いらっしゃい。

 今日も草臥(くたび)れてるねぇ、(なん)にする? あーはいはい、いつものね。


 最近、百鬼夜行(ひゃっきやこう)も見ないねえ。まァあんな滑瓢(ぬらりひょん)が意地を張りたいだけの行列に態々(わざわざ)並んでやる義理も無いけどねぇ。

 そういや、アンタ。西の(はた)上げてやんちゃやってたあの坊主。元気してっかい?


(客の返答を聞いて寂しそうに)


 ……そうかい。死んじまったかい…。

 アイツの言う、『人間狩り』っての面白そうでイイと思ったんだがねぇ。


 はあーあ。良い奴はねぇ。(みな)死んじまうんだ…。驚くほど呆気(あっけ)なくねぇ。

 死んだ事すら…分からないままの奴だって大勢さね。本当に()な世の中になっちまったもんだね。


 ……はいよ、お代わりね。

 (なん)にする? おや、カイピロスカだなんて(いき)なカクテルを頼むもんだよ。

 カクテル言葉は何つったか…ああ、『明日への期待』だね。


 ん? ああ、カクテル言葉っつーのは人間に教えてもらったのさ。人間は短命(たんめい)だしアタシらの存在なんて時が経つと共に幻扱いしやがるし、しょうもない生き(もん)だと思ってたがね? カクテル言葉なんぞ教えられた時は腐っても(にご)っても知性のある生き(もん)なんだって痛感(つうかん)したね。


 まァだからつって人間に懐くような馬鹿な真似はしないけどね。

 ああ……、そうそう。

 西の(はた)で思い出したけどね、西(あっち)の方の餓者髑髏(がしゃどくろ)に伝言頼めるかい。


 昔、アンタを火縄銃(ひなわじゅう)で撃った人間の子孫が落とした数珠(じゅず)がアンタの頬骨(ほおぼね)に引っ掛かってるよってね。


(そこまで言って悪戯(いたずら)っぽく笑う)


 キッシシシシシ。

 まぁ、今日も……この(さび)れたバーで草臥(くたび)れた客を待つとしようかね。

 それがバーメイドであるアタシの役目だからさ。


 ………………………………。

 こらそこ! 雪童子(ゆきわらし)姐さんなんて無粋(ぶすい)な名前で呼ぶんじゃないよ、全く!





STORY END.

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