女性用【妖界バーの雪童子姐さん】
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雪童子
[あらすじ]《2分半程度》
ここは妖界にあるバー、『雪こんこん』。そこのバーメイドである雪童子の姐さんが名物になっている。これは雪童子姐さんが常連の悩みを適当に聞いたり聞かなかったりする話です―――。
【雪童子】
こうも世の中平和だと暇になって仕方ないね。……そりゃあね? 平和に越したこたァないけれど、ちったァ物騒でもアタシはそこらのか弱い乙女と違って怯えたりなんぞしないさね。
お、いらっしゃい。
今日も草臥れてるねぇ、何にする? あーはいはい、いつものね。
最近、百鬼夜行も見ないねえ。まァあんな滑瓢が意地を張りたいだけの行列に態々並んでやる義理も無いけどねぇ。
そういや、アンタ。西の旗上げてやんちゃやってたあの坊主。元気してっかい?
(客の返答を聞いて寂しそうに)
……そうかい。死んじまったかい…。
アイツの言う、『人間狩り』っての面白そうでイイと思ったんだがねぇ。
はあーあ。良い奴はねぇ。皆死んじまうんだ…。驚くほど呆気なくねぇ。
死んだ事すら…分からないままの奴だって大勢さね。本当に嫌な世の中になっちまったもんだね。
……はいよ、お代わりね。
何にする? おや、カイピロスカだなんて粋なカクテルを頼むもんだよ。
カクテル言葉は何つったか…ああ、『明日への期待』だね。
ん? ああ、カクテル言葉っつーのは人間に教えてもらったのさ。人間は短命だしアタシらの存在なんて時が経つと共に幻扱いしやがるし、しょうもない生き物だと思ってたがね? カクテル言葉なんぞ教えられた時は腐っても濁っても知性のある生き物なんだって痛感したね。
まァだからつって人間に懐くような馬鹿な真似はしないけどね。
ああ……、そうそう。
西の旗で思い出したけどね、西の方の餓者髑髏に伝言頼めるかい。
昔、アンタを火縄銃で撃った人間の子孫が落とした数珠がアンタの頬骨に引っ掛かってるよってね。
(そこまで言って悪戯っぽく笑う)
キッシシシシシ。
まぁ、今日も……この寂れたバーで草臥れた客を待つとしようかね。
それがバーメイドであるアタシの役目だからさ。
………………………………。
こらそこ! 雪童子姐さんなんて無粋な名前で呼ぶんじゃないよ、全く!
STORY END.