男女兼用【呪われてみませんか?】
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♂0:♀0:不問1
不気味に笑う若者
[あらすじ]《2分半程度》
そう言う若者の手には何も握られていないというのに。何故か異様に恐ろしい。眉を顰めて若者を見ればとても不気味に笑っていた―――。
【不気味に笑う若者】
ではまず、周りを見渡して部屋に自分一人しか居ない事を確認して下さい。
…宜しいですか? では次に手に何も握られていない事を確認して下さい。手ぶらですか? 何か持っている場合は手放して下さい。………それでは、始めましょう。
1にすべき事は目を閉じる事です。
そう、目蓋の裏をご覧下さい。目玉は動かして結構ですが、終わるまでは決して目を開けないで下さいね。
2にすべき事は手を合わせる事です。
指の先。関節。掌。しっかりくっつけておけば、自らの意思すら跳ね除けてしまえるようになるでしょう。
これが、最後。3にすべき事です。
笑って下さい。ニッコリと、ニヤリと。自ら唇を動かして、“口角を上げて”下さいな。
まるで眼下に楽しげな風景があるかのように。まるで城下で民達が殺しあっ……これは良くない例えですね、撤回しましょう。
それでは大きく、深く、ゆっくりと、深呼吸をして下さい。最後の息を吐き終わったら、朝日から黒目を逃がすようにゆっくりと目を開けて下さい。
これで“お終い”です。
(だいぶ間を空けて)
……………ふふ。ええ、ご名答。こんなものに意味なんて有りはしないのですよ。
でも、思わずやってしまったでしょう? 小さな小さな好奇心に抗えたはずの意思が、…負けてしまったが為に。
残念ながらね、この行為自体には効果も何も大してありません。
………何をさせたかったのか? 特に何も。ただ、信頼していましたよ。“信じてくれる”と。
自分へ勝手に畏怖を抱いて、従ってくれる、と。
(思い出したように)
…ああ、そうだ。知っていますか。
呪いも呪いも祈りも願いも。
“信じるもの”が居るから、形になるんですよ。
STORY END.