女性用【蛙化現象と言い訳】
声劇タイトルは
【かえるかげんしょうといいわけ】と読みます。
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元研究者
[あらすじ]《2分程度》
天才が居た。家宅捜査に入られた研究所の面々は口を揃えてそう言った。その天才が全てを奪って壊していったのだと、狂ったようにそう言った―――。
【元研究者】
案外ね、簡単だったわよ。入るのも出ていくのも。何だかね、すごく呆気なく感じたもの。
あそこから奪った資料? 捨てたわそんなの。だってアレ、なーんの役にも立たない紙切れだったんだもの。
あんな紙切れ、たった一枚大事にして人生無駄にしちゃうなんて、やっぱり研究者って馬鹿ばっかりだわ。
ああ、そうそう。貴方の娘さんだけど、アレもう助からないわね。完全信者って感じ。何言っても見当違いな事しか言わないの。だから置いてきちゃった♪
あら、怒るのは変ね。だって貴方言ったわ。
“もし娘が正気なら連れ戻してくれ”って。
私はもう娘さんが正気じゃなかったから連れ戻して来なかったの。
納得した? あら、そう。恨むなら勝手にして、勝手に失敗して? 私関係ないから。
あそこでどんな研究を? やぁねえ、弱味でも握りたいの? 無駄よ。だって私がしてたの、ロボット研究だもの。
そう、一人で黙々とロボット作ってたの。単調な作業を延々と。自分がロボットになったみたいだったわ。
…でもね、いざ起動して、“彼”の第一声を聞いた瞬間、“彼”を殴り壊してたわ。
だってね、“彼”、なんて言ったと思う?
―――好き―――。
……、こういうの、何ていうのかしら。両思いになった途端、相手の事が気持ち悪く感じる現象。
名前ついてるのかしら。…ついてるわよね…、だってこの世界は何でもかんでも名前をつけて分類しないと判断出来ない世界だものね。
そんな事があってね、ああ、やめようってなったの。可哀想? あら、娘を取り戻せなかった貴方の方が可哀想だわよ。
それじゃあ、報告は済んだからね。
さよなら。もう会う事もないわよ、きっとね。
STORY END.