男性用【都市伝説『夜店』】
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笹辺
[あらすじ]《3分半程度》
では今日も語って参りましょう。今回語るのは誰かには必要やもしれない『夜』を売る店について。怪談者は陸上部のエース、眠たげ青年の笹辺で御座います―――。
【笹辺】
(大あくびをして)
ふぁあ〜。昨日さぁ、地区大会だったんだぜ…、今日学校来てからさぁ、今日オレ担当だわ〜って気付いてめちゃくちゃ焦ってさぁ…
去年の台本引っ張り出してきたんだけど〜、多分覚えてる人居ないし良いよな〜。
今日はなぁ、『夜店』っつわれる特殊な店について〜。祭りの時の店でも水商売の店でもないんだぜ〜?
あ、名前言わなきゃなんだっけ。
怪談愛好会の会員でぇ、陸上部の笹辺〜。
あ、兼部とかじゃなくてなぁ、怪談愛好会は部活じゃねぇからセーフってやつ〜。
んじゃ初めっよ〜。
夜店は森の奥だったり〜、路地裏のずんと突き当たりだったり〜、はたまたぁ、白い太陽の真下だったりにあったりしてさ、誰が店員かも分かんねぇんだけど、一つだけ確かなのがさ、必ず「夜」を売ってくれんだよ。必要な奴んとこに。
そんである男がさぁ、太陽がずーっと沈まねえ町からどっこにあるかも知らねぇ夜店探して世界中うろうろしてたんだわ。
夜店の事聞いて騙られたり…あー…。騙されたり? 嘘掴まされたりした訳。
夜店探してたのも特に理由なかったらしいぜ。たださ〜、男ってのは延長戦みたいなやつを味わっちまうと、こう…意固地になるっつーか、こなくそって思っちまうっていうか? だから、意地で必死になって探し回ってたのよ。
そしたらさ、路銀っつーの? 旅に必要な金? とかも無くなって精神的にもすり減ってきて、意地も段々無くなってきてやめちまおうかな〜なんて思ってた矢先よ。
〈在っ〉たんだって。
目の前に。さっきまでなーんも無かったたった一歩前にだぜ? そしたらさ、そこから一人の、女か男かも分かんねぇ奴が出てきてこう言ったんだって〜。
「夜をお探しですか。それとも月や星が御所望で?」
男は最後の力振り絞って、ソイツの足首を両手で鷲掴んで、町に夜を〜って頼み込んだらしいぜ。そうしたらソイツは笑って言ったんだって〜。
「では。素敵な夜をお過ごしください」
その日から男の町には夜が来るようになったとかなってねぇとか? もしかしたらさ〜、来るかもよ。お前らんとこにも。夜を売る『夜店』。
まぁ日本は朝も夜も暑いんも寒いんも平等に来ちまうから夜を買う必要とかねぇかもだけど〜。
じゃあ、えっとぉ。何だっけ?
終わりの挨拶〜? しなきゃなんだっけ。ああ、あと何か南から頼まれてた気が〜。するようなしねぇような?
まぁいいや。今日語ったのは〜夜を売る不可思議な店について〜。オレは〜、怪談愛好会会員の笹辺ぇ〜。じゃあまた来月? もしかしたら変更あっかも。よろしくな〜。
STORY END.