男性用【語り部蟻蝉〜瞳鏃編〜】
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蟻蝉
[あらすじ]《3分程度》
語り部蟻蝉。彼の名を聞けば世話になったのだと苦笑う同業者で溢れる。そんな彼はもうこの世には居ない。これは僅か四十で殺された自由な語り部の話である―――。
【蟻蝉】
よォっす、そこのお坊っちゃん。良い話聞かせてやっからちょいとココ座ってみねェか? 俺っちは語り部。語り部の蟻蝉だ。
お坊っちゃんは何が好きだ? 隣町の許嫁? ハっ、ませてンなァ。俺っち? 自由さ。空を駆けるような自由が俺っちは大っっ好物なのさ!
そんな俺っちが語るネタだぜ? ゾックゾクしてくんだろォ? 期待してろォ、道でも何でも外させてやらァ。
今日語るのは俺っちの弟子。後にも先にもきっとコイツだけだ。とあるオアシスの番人やってた気力の無ェ目ェした、だが…、今まで弟子にしようとしてきた奴らより、うんと語り部の才がある、…良い奴だ。
名は瞳鏃。
名が長ェって? 逆に覚えやすくて良いじゃねェの。語り名の由来? あァ――……、忘れた。
まァ、真面目な奴でなァ。語り部として何か教えんのも何も苦労しなかったなァ。
元々の頭がイイんだろうが、…俺っちにゃァ無理だなァ。独学で良かったよ。じゃねェと師匠になろうとする奴が俺っちを殺しちまいそうだ。
あァ? もう独り立ちしてっよ。丁度1年くらいだなァ。世代的にゃァ羽弥芝の弟子と同世代くらいか? 後は〜…鹿華の弟子もそうか。
……いや、アイツらよりかは下の世代か? まァ、何だ。俺っち達と違って物好き以外の目が向き始めた時代だ。荒波に揉まれろって心境だわ。
どっかで会ったら宜しくしてやってくれや。まだまだ新参も新参だから何が正解でどれが失敗かもよく分かってねェ頃合いだからよ。
(呟くように)
…………アイツが、アイツがいつか一人前になったら……一緒に酒でも飲んで昔話でもしてェよなァ……。
なんて。ンな未来の話は置いとこう。
確証も無いモンより今の方がずっと面白ェ。そうだろォ? へへっ。
さァてと、そろそろ俺っちは自由に歩き回ろうかねェ。お坊っちゃんも頑張んな。隣町の許嫁に告って断られてもめげずにアタックするんだぜ?
何で知ってんだって? オイオイ、目の前に居るのは語り部だぜェ? ははっ、まあ結婚式にゃァ呼んでくれや。
そんじゃあ、また別の演目で会おうぜ、またなァ!
STORY END.