女性用【八万六千四百秒の毒】
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勝気なお姉さん
[あらすじ]《2分程度》
知ってた? 私負けず嫌いなのよ。
そう言って彼女は笑って。
先に行きなさいと僕の背中を押したんだ―――。
【勝気なお姉さん】
……、馬鹿ね、私も。あの子も…アンタも、この世界も。
あの子、知ってる? 別世界から召喚されたんですって。
勇者だなんだと囃し立てられて、帰る方法も曖昧なまま、扱ったことも無い剣を持たされて。
馬鹿ね、あの国の王も宰相も、王妃も、……この大陸すら。馬鹿くさくてたまらないわ。
あの子、私の事見て何て言ったと思う?
「わぁ、綺麗なヘビですね! お姉さんの髪なんですか?」
……く、はははっ…! 笑い種よね…! まさかメデューサを見てそんな感想を持たれるなんて夢にも思わなかったもの…!
……。
怪物だと言われてきたわ。
中には魔物だと揶揄する者も居たわ。目を潰されそうになった事もあるわ。
そんな私の髪を撫でたのよ、あの子。そんな私の目を見つめ返してきたのよ、あの子。
この世界の事、なーんにも知らない…、無垢で清楚な勇者様。
…長い旅の中で…、強くなったわ。本当に。
死も知った。
正義では片付けられない理不尽もたくさん見てきた。
これから救う世界の汚い所も清い所もあの子はしっかり理解してきた。
(決意をして)
だからね。
こんな所で終わらせる訳にはいかないのよ。あの子を、元の世界に帰してやるって決めたんだから。
覚悟なさいな、魔王の右腕さん。
メデューサの毒は何よりも強力で何よりも執拗いわよ。
…あの子の所へは、行かせないわ…!
STORY END.