女性用【イクタモノ】
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明るく笑う女性
[あらすじ]《2分程度》
生まれた時からそう呼ばれていますね。辛い? いいえ。だって、私達。そうやって過ごすことでしか生きた心地がしないんですもの。私達、そういう生き物なんですもの―――。
【明るく笑う女性】
今日はお姫様の記憶を見ました。
昨日は侍女の記憶を見ました。
一昨日は執事長の記憶を。
その前は王様の記憶を。
だけれど、そのどれも。
皆が私を殺していました。
幾多ある命と言えど、酷いと思いませんか?
死ぬ時は誰だって苦しいんですよ?
…全く。私をストレス発散に使わないで欲しいんですよね。
ストレス発散っていうよりかは、八つ当たり、みたいなものなんでしょうけど。
今日は王妃様に呼ばれているんです。
あの人ね〜、苦手なんです。
珈琲とか紅茶とか、前はケーキでしたっけ。致死量の毒を混ぜ込んでくるんですよ。
飲み物がトラウマになっちゃいそうで、嫌なんですけれど。まあ、文句ばっかりも言ってられませんね。
さて、そろそろ行きましょうかね。
ん? どうしてこんな事になったか? んもう、そんな事私に聞かれたって知りませんよ。どうせご先祖さまがお馬鹿をやっちゃったとか、そんな在り来りなお話ですよ、きっと。…ふふ、知りませんけど。
明日は王妃様が私を殺す記憶を見なければいけませんから。枕もシーツも干しておいてふっかふかのベッドで眠らないと。
いつまでこんな事をって? さあ。いつまででしょう。…いつまでだって良いですよ。美味しいご飯も食べられるし、あっつ〜いお風呂にも入れますし、ふっかふかのお布団で眠れますし。
殺されてしまう事以外は文句なしの五つ星なんですから。どうせ他のみんなも同じように暮らしてますよ。
私たち、“イクタモノ”はきっとそういう生き物なんですよ。あははっ、それじゃあ。またお話しましょう、王子様。
STORY END.