男女兼用【悪逆無道のボレロ】
声劇タイトルは
【あくぎゃくむどうのボレロ】と読みます。
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残酷な執行人
[あらすじ]《2分程度》
死刑囚の前に立つ。注射器に入れた液体がやけに重く感じた。ああ、何度目だろう。何度目の、……――。…やめよう。余計な事を考えるのは。…考えるのは死刑を執行してからにしよう―――。
【残酷な執行人】
まだ生きたいだろう。すまないね、こちらも仕事なのだ。
キミは、何の為に死ぬのかな。
いやね、時折考えてしまうのだよ。
キミの罪が、冤罪だったなら。
私がそんなキミを断罪してしまったなら。
次にそこへ座るのは私やもしれない、とね。
死にたいのかだって?
(笑い飛ばして)
ははっ! まさか!
生きていたいよ、出来れば近しい人達と共に。
慎ましく、穏やかに終わりたいものだよ。
だけれどね。こんな事を仕事にしていると駄目だと分かっていてもヒトというのは狂ってしまうのさ。
狂って、…しまいたいのさ。
それこそキミのような犯罪者にでもなってしまいたいのかもしれない。そうして、
さっさと、断罪されてしまいたい、なんて。
人を殺す。ってね。
例えそれが認められたものでも。悪夢を見るほどに恐ろしいのだよ。
…どうしてそれをキミにって?
死にゆくキミに、手土産を。とね。
…安心して欲しい、ちゃんと断罪してやるさ。それが私の役目だ。
最初に聞いたね。キミは誰の為に死ぬのかな、と。
……キミは可哀想だな。
自らの手を穢す事無く、キミが手を伸ばしても決して届かない場所から、キミの存在自体を罪だと宣った彼らの為に死ぬのだから。
…キミが悪くないとかそんな話ではなくね。
……、さあ。そろそろ時間だ。
すまないね、…本当に。
……どうか、次の命は穏やかに。
STORY END.