二章 二人の占い師
二章 二人の占い師
スマホにインストールしてあった人狼ゲームのアプリを起動させた。これを使うとGMというゲームを管理する役をスマホが行ってくれるのだ。
「みんなルールははわかるよな?」
「何となくは」
僕の質問に明らかに理解してなさそうな声で不良の一人、さらし特攻服の女が答えた。
「そうだね、じゃあ簡単にルールを説明するね」
僕は人狼ゲームのルールを説明し出した。
村の中に人狼が潜んでいて人狼は夜に村人を一人殺せる。昼には生き残っている人全員で話し合い人狼と疑わしき人物を一人処刑する。人狼を全滅させれば村人陣営の勝ち。村人と人狼の人数が同じになれば人狼陣営の勝ち。
【役職】
〜村人陣営〜
三人「村人」なんの能力も持たないただの人間
一人「占い師」毎晩一人「人狼」か「人」かを占える
零人「霊媒師」毎晩死んだ人が「人狼」か「人」かわかる
一人「騎士」毎晩一人人狼の襲撃から守ることができる(連続ガードあり)
〜人狼陣営〜
一人「人狼」毎晩一人殺すことができる
一人「狂人」なんの能力も持たない。占われると「人」とでる
簡単にルールを説明した。みんなよくわかっていなそうだったので簡単な役職だけで行う事にした。
「えっと、今からスマホを回していくから自分の役職を他の人にわからないように確認してね」
そういうとまずは自分の役職を確認した。
〜狂人〜
この中で僕が一番面白いと思う役職を引けた。狂人は村人達の矛先を人狼じゃない人へ誘導していくという重要な役割がある。正直うまく騙せるとめっちゃ楽しい。
「じゃあ次、陽太」
陽太に渡すとしばらくしてニヤリという表情を浮かべ愛美にスマホを渡した。愛美は表情を変えないまま次の人へ渡した。
「どうぞ、龍さん」
金髪ピアスの男はスマホを受け取るとポーカーフェイスを作り次の人へと渡した。
「雅、次だ」
特攻服女にスマホが渡る。彼女は一瞬で確認を終え次の人へ手を伸ばした。
「もみじちゃん!ほい」
赤髪マスクの女は役職確認に少し時間をかけ最後の一人へスマホを渡した。
「太郎」
胸板の分厚い男はパッと確認して表情を変えずに僕へスマホを返した。
「じゃあ開始するね」
〜参加者確認〜
京治(狂人)
陽太
愛美
龍
雅
もみじ
太郎
〜恐ろしい夜が明け朝がやってきました〜
《一日目昼》
「初夜の殺しは無しにしていて占い師はランダムで白(村人側)を確認できるように設定してるよ」
説明し忘れていた設定をざっと説明した。
「占い師COしていいよ」
まずは占い師に白確定の人を教えてもらおう。出てこなければ話し合いが進まないし。
「いっせいのーせで手あげて。いくよ」
僕の発言にみんな首を縦に降った。
「いっせいのー・・・せ!」
手を挙げた人数は二人いた。僕と愛美だ。
「おっけ。把握した」
「対抗ってことはどっちか人狼サイドは確定だな」
胸板の厚い男、太郎が簡単な分析をした。
「ローラーする?」
陽太が発言した。ローラーとはある役職でダブってCOした時に初日、二日目で両方処刑するという方法だ。しかし僕はこの瞬間、陽太が人狼ではないかと考えた。確証は全然ないが今ローラーすれば占い師を殺せローラーに二日使うから村人側の人間を二人殺せる。騎士に妨害さえされなければ占い師のいない一対二へ持ちこめ陽太のトーク力なら市民側を吊る(処刑する)ことができるだろう。この作戦は是非とも実行したい。だがもし陽太が村人陣営だった場合、人狼チームの人をこの作戦に賛同するかどうかであぶり出しているのかもしれない。むやみに賛同することはできない。他の人の行動を観察してから賛同するか決めよう。
雅と愛美がすぐにそんなことしたら人狼チームが勝つ可能性が高くなっちゃうよと指摘した。僕は仕方なく頷いた。
「じゃあ占い師は一斉に誰の結果を知ったか教えて」
太郎がそういい「いっせいのーせ」で僕と愛美は指を刺した。
僕は陽太が人狼と思っているから陽太をさして白と言おうと思ったが自分が狂人とバレたら終わってしまうと思ったので適当に太郎を指差した。愛美は雅を刺していた。お互い結果は白といった。
「とりあえずグレーなとこ吊るしかないかな」
龍がそういった。
「そうだね、で、占い師はお互い占う?」
赤髪マスクのもみじの提案はすぐに却下された。
「いや多分偽占い師は狂人だよ、人狼はあんま注目浴びたくないだろうし。黒(人狼)潰さないと人数少ないしきつくない?」
特攻服の雅は的確な指摘をした。僕的にはお互い占って白白で意味のない占いをさせて一回分潰させたかったが仕方ない。
「そうね。私的にはお互い色々なとこ調べるってのもありだったけどね」
「おい、やめい」
照れながらそういう僕に不良四人はいちゃつくなという風に睨みを効かせた。
「ま、まぁとりあえず今日はグレー(白黒わからない人)をつるしかないね」
愛美がそういうとみんな了解した。
「じゃあグレーの中から投票して一人決めるか」
「グレーは陽太くん、もみじさん、龍くんの三人だね」
愛美がグレーをまとめてくれた。いっせいのーせで指を指す。陽太に二票、もみじに三票、龍に二票入った。もみじ、さんには悪いが処刑が決まった。
「ごめんね」
そういって彼女を処刑した。
「あーあ、まぁただの村人だしいいや」
霊媒師が今回はいないため死ぬと役職が判明する。
もみじは村人だった。
《一日目結果》
京治(狂人)(CO占い師)
陽太(灰色)
愛美(CO占い師)
龍(灰色)
雅(愛美から白占い)
もみじ(村人)「処刑」
太郎(京治から白占い)