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神無月の夜に  作者: トウジョウ レイラ
5/6

『何をしておる。近くに寄れ。』

「は、はぁ…。」

神奈の脳内はパニック状態に達していた。

『綺麗に化粧までして、ますます俺好みだ。神奈は、嫁に来ることが怖いとは思わないのか?』

「それは…、怖くないといえば嘘になります。でも、私にはこの道しかないのだからと、幼いころから言われてきました。」

『それは、自分の意志か?』

トーンを落としたその言葉に体が反応してしまった。幼いころからこの世界では18までしかいられないと言われてきたため、その後のことは一切考えてなかった。

「…。私はずっと、あなた様をおそばで支えるるために、この18年間を生きてきました。」

『なら、未練はないというか。』

「はい。ございません。」

神奈の一言に、神は

『首を出せ、儀式を終わらせる。』

「えっ、…?」

『首に俺の証としての紋章をつける。なぁに、心配するな少し痛いくらいだ。』

紋章は、主である神から妻となる巫女につけるものだ。しかし、普通の神たちは半年前に付けに来る。

__巫女が怖くなり逃げ出さないように、首輪の代わりとしてつけられる。__

付けられるだけならいいだろうが、この紋章は村から出られない仕組みになっている。

つまり__、

『1年間、お前をこの村から出させない。今そう決めた。』

「は!?ちょっ、待ってください、それだけはっ…!」

その瞬間、首筋に痛みが走った。

「くぁっ…、なんでっ…。」

『お前の気持ちに隙が見えた。そのまま野放しにしていたら、逃げられると判断したからだ。』

そんなっ…。

最後は涙しかなかった。

「なんでっ…、どうしてこんなこと…。」

『すまんな、しかし、これがお前の運命だ。受け入れてくれ、神奈。』

とても暖かかった。

抱きしめられていることに気づいたとき、離れようとしたらまた繋ぎとめられた。

あぁ、この暖かさを感じたのは、いつぶりだろうか…。


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