神様の家庭訪問
今年の誕生日は、いつもよりも早く起こされた。
「神奈!雅純!早く起きなさい!!」
「…んっ、なーにー?母さーん」
「ほら!寝ぼけてないの!準備すんのよ!」
「「はーい…。」」
今日はいつもの巫女服ではなく、代々受け継がれてきた巫女の衣装を見に纏う。
「神奈!あんたは化粧もしなきゃいけないんだから急いで!」
「わかってるからー!」
姉の巫女は、嫁入りする神様との見合いの場となるため、妹よりもより美しくという習わしだ。
妹の巫女は、仲介人のようなものなのである。
衣装に身を包み、雅純と一緒にいつものようにお参りをする。
神様にも世代交代があるらしく、毎年来る神は違うそうだ。その後、嫁入りの時には、両家父母が揃ってかわされる。そのため、その一度だけ母さんはお姉さんに会えるのだ。
「さっ、いってらっしゃい。」
「はい。母さん。」
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社への階段を2人で登るのは、巫女服では相当つらい。
「神奈、大丈夫?重い?手伝う?」
「大丈夫っ…、今くらい平気、雅純も重いじゃん。」
「私は大丈夫!まだ、神奈より軽い」
そんな話をしながら、気にかけながら社に到着した。
「いい、神奈…、この中には神様がいるんだからね。」
「わ、わかってるよ…、よしっ、行くよ。」
「「せーのっ」」
2人で社の扉を開くと、目の前には神様が座っていらした。
「お初にお目にかかります。私は、姉の巫女神奈と申します。」
「同じく、妹の巫女雅純と申します。」
『うむ、我はこの村の神の舞白という名をもらいし神じゃ。そんなに固くなるな娘たちよ、我はそんなに怖い神ではない。』
「はっ、はい!」
『それで、我の嫁となる巫女はどちらか決めたのか?』
「はい。私、姉の巫女、神奈が舞白様の嫁となり生涯をつくして、お支え申し上げます。」
「そして、妹巫女の私が、村の繁栄のために残り地上より、お支え申し上げます。」
『そうか、わかった。では、雅純よ、ここからは夫婦となる我らが2人の会話じゃ、席を外してくれるか。』
「承知いたしました。では、失礼させていただきます。」
『うむ。』
そう言うと、雅純は外に出ていった。
『ふーっ、あー、疲れる…。』
えっ?
『えーっと、神奈だっけ?お前可愛いな^^*』
えっ?
「あっ、はっ、はぁ…。」
『そんなに固くなるな、俺はに父上のように堅苦しい男ではない。』
「えー…。」
『そうだ、お前歳は確か18か…?』
「はい。今日で18となりました。」
『なら、俺と同い年か。』
「え?えぇぇぇぇええええ!!」
な、なんなんだこの神は…!?
同い年ー!?