雅純
「かーんーなー!(ボフッ)」
名前を呼びながらリュックにダイブしてきたのは紗花だった。
「おはよー、さーやーかー。」
「うっわ、冷めてんなー、塩対応すぎんじゃん!」
いつも通りに挨拶をすませて、昨日の話になった。
「ねーねー!神奈の妹の方ってどんな子?」
「んーとねー、まぁ、可愛いよ。」
「またでましたー。神奈の妹自慢!」
「はー!?紗花が聞いてきたんじゃん。それに、雅純は普通に可愛いし!頭良いし!」
私には、双子の妹がいる。
雅純は、巫女としての役割を小さな頃からやっていて、とても優秀で私より頭もいい。
高校も普通の学校ではなくて、中学校の頃から私立の学校に行っていて、私とは真反対の妹だ。
でも、私はそんな妹を毛嫌いもせず逆に大好きだ。
放課後になり、1通のメールがきていることに気が付いた。
『神奈へ
今日帰りに買い物頼まれたから一緒に行こ♪
雅純』
雅純からのメールに了解( 'ω')bとだけ送って、私は急いでいつものバス停へ向かった。
「神奈ー!こっちー!」
「雅純ごめーん!掃除の先生鬼でさー。」
帰ろうとしたら捕まったなんて言えないので、これは隠しておこう。
雅純が頼まれた物は、次のお祭りのときに使う三種の神器の受け取りだった。
私と雅純の誕生日には毎年お祭りが開かれる。
その前のお祭りの日は母さんと母さんのお姉さんの誕生日に開かれたそうで、毎回巫女が生まれると変わるらしい。
「いやー、神奈ちゃんも雅純ちゃんも、もう18か早いもんだねー。」
いつも叔父の家に物は置いてあるので、今日はそれを取りに来た。
「おじさんも相変わらずですね。」
「おうよ、まぁ、お前らにとっちゃ兄貴の弟だからな。あっ、真矢帰ってるぜ、会ってくか?」
「えっ!真矢姉帰ってんの!?」
「神奈。今日は早く帰ってこいって言われてるじゃん。おじさんごめんなさい。今日は明日の準備とかあるから、今日は会えないや。また明日ゆっくり話すね。」
「おうそうか。んじゃ、仕方がねぇ、明日がんばれよ。」
「うん!ありがとう、おじさん!」
そうだ、明日はとうとう神様と私が見合う日なのだ。