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6、骨折り損のくたびれ儲けなのだ!





 ジュゥゥゥゥスィィィィィィッ!!


 グミをほおばりながら帰路をてくてく歩いていく。こうして労せずに、経験値を手に入れ、ステータスの底上げも果たした。今の俺は、LV18。中堅冒険者としてもかなりの腕利きといっていい所だろう。それどころか、各ステータスを見るとこんな感じである。


力   :256

素早さ :256

器用さ :256

体力  :256

魔力  :256

精神力 :256

運   :256


 どうやら、カンストしたみたいだ。最高値256って、はみこんかいっ!


【あ~ばよ~、とっつぁん!】 


 俺が憤っていると、上空からロリ神が落ちて来た。


【ふひー、やっと、不起訴処分を勝ち取ったのじゃ】


「いや、どう見ても逃亡犯ですよね?」


【バッカもーん! おぬし、おかげであの巨人と闘った経験値を取り損ねたじゃろが! なのに、ほくほくしとるのはどういうことじゃ!?】


「いや、色々貰いましたよ。あんたにかかった賞金も含めてね」


【・・・それ、どうやって使うつもりじゃ?】


「へ?」


【はっきり言うぞ! この空間で稼いだ金やアイテムは外には持ち出せないのじゃ! 精々経験値の一部と手に入れた戦闘用スキル位じゃ! それなのに、よりにもよって『心の豊かさ』だのなんだのという死にスキルばかり集めてどうするつもりじゃ!? スキルスロットは無限にある訳じゃないのじゃぞ!】


「え? でも、ステータスもカンストしてますよ?」


【おぬし、自分が『限界突破』持ってるの忘れてるじゃろう?】


「あ」


【『限界突破』は、人としての大事な物を超えて成長する為のスキルじゃ! 人並みの経験だけで簡単に『限界突破』できると思ったら大間違いじゃ!】


「いや、でも流石にアレは駄目でしょうが。楽して勝つとか、どこが人並み以上の経験なんですか?」


【! そこに気がつくとは~】


 気がついてなかったんかいっ!


【まぁ、いずれにせよ今のカンスト状態ってのはおぬしの現状とは何の関わりも無い話じゃ。今のおぬしの身体年齢、18歳になった時に最大カンスト状態までは鍛え上げられるという意味じゃからな。元の世界に戻ればおぬしのステータスは赤子並に元通りになるしの。まぁ、あの環境で普通の赤子同様の生活が出来るとも思わんのだがな】


「へ? どういうこと?」


【ま、それは動けるようになってからのお楽しみじゃな。それよりも、今日のうちに『限界突破』だけは使いこなせるようにしたかったのじゃがな】


「なぜに?」


【このチュートリアル空間は人生で一度きりの使用しか許されないんじゃよ。ここで『限界突破』していれば、その後の人生、人外レベルまで成長させられたのじゃがな。とりあえず当面のおぬしでは、自力での『限界突破』は難しいじゃろうからな。一生覚醒しない可能性もあるぞよ】


「ってことは、今の俺のステータスのMAXって?」


【ありていに言えば最弱ヒーロー、レ○ドタイガー並までなら行けるかもな。最強レベルまで鍛えての話だがの。本当ならチャージアップ後のストロ○ガーレベルまでは今日鍛えるつもりじゃったが。まあ、後は死ぬような経験でも詰む、もとい、積むしかないのじゃがな】


「何気に詰むとか言ったぁぁぁぁっ!」


【ああ、そうじゃ、今日この世界で得たスキルも持ち帰りは出来んからの。目覚めればやっぱり力の無い赤子のままじゃ】


「ってことは?」


【今日のところは完全に骨折り損のくたびれ儲けな~のだ!】


「な、なんじゃそりゃぁぁぁぁっ!」


 そりゃー そりゃー そりゃー 


 ま、久々にお菓子食っただけいいか。


【まあ、オンドレから貰った魔道具位は持って行かせてやるかの? 武士の情けじゃ。だが、あれで魔力鍛えても『限界突破』は無理じゃからな。それこそ、カンストした魔力を一発で使いきるレベルの魔法でも発動させれば別じゃがな】


 これって、ヒントをくれたのだろうか? 


【さて、丁度時間となったのじゃ。多分二度と会う機会は無いじゃろうが、達者で暮らせよ】


「そちらも、もう二度と過ちを繰り返さないようにな」


【失敬な奴じゃ! まあ、良い。もし、本当に次会う機会があればおぬしも神の一柱になっておるじゃろうしな。それでは、はばないすで~】




 こうして、ロリ神様は去って行った。多分、生まれる前に何らかの関係もあったのだろう。覚えてないが。


 無茶な事も言われたが、それもこれも、慈愛ゆえにという事だろう。そうだといいなぁ。




 ぱちっ




 目が覚めた。




「まーま、じーろめがさめたよ~」




 姉が、俺の顔を覗き込んでいた。かわゆい。ロリ神も顔は整っていたが、姉の顔は癒される。


「あらあら、おっぱいの時間かしらね~」


 YES! 母が入って来た。へっへっへ、また感じさせてや・・・へ?




 わらわらわらわらと子供が次々と入ってくる。その数、なんと12人。姉のイチヒメを加えると13人だ。


「わーっあかちゃんかーいい!」

「俺、俺にもさわらせて!」

「順番、順番だからね!」

「もう、静かにしなさいっ! 赤ちゃんがビックリするでしょ!」

「マリーが一番うるせーっ!」

「次、次、わたし」

「ちがうっ! おれだぜっ!」

「そんなに一杯来ると赤ちゃんが泣きだすわよ」

「こくこく」「こくこく」

「おしっこ~」

「脱ぐなぁぁぁぁっ!」



 もしかして、これ全部兄妹? 

 もしかして、母親、びっち?


 俺は、さめざめと泣いた。



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