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2、めざめよ~



 その夜、おねむになった俺は、まどろみの中で




 神様に




 出会った~(森本レオ風味)




【めざめよ――】





 んが。




【めざめよ――】




「むにゃむにゃ。もう一杯・・・」




【大概にせんか! この知れ者め!】




 ふが?




【おぬしという奴は、どうも横着でいかん。十界巡りの時からその傾向はあったが・・・】




 どうやら、おねむの間に神様が来ていたようだ。ねぼけまなこの俺を見て嘆息されると、気を取り直したのか、話の続きをはじめた。




【まぁ、良い。おぬしは、天界から落とされた後、百三十万四千余年をかけ、十界全てを踏破した。天界・声聞界・縁覚界・菩薩界・仏界・地獄界・餓鬼界・畜生界・修羅界ときて、最後の人界で苦労はしたようだが、これを踏破したのは実に七億年振りの快挙である。よって、その褒美として、新たにおぬしの魂に最適な世界を構築し、この世界の新たな神となるべくおぬしを派遣したのじゃ!】




 思い出しました。貴女はロリ神さま。




【そこかいっ!】




 思わずツッコミを入れたロリ神さまは、そのお姿を顕現なさる。白い髪、白い肌、赤と金のオッドアイ、白い巫女服、歳の頃は10歳未満。全てのロリコンの夢が詰まったそのお姿。完全な幼女神様が、あろうことか、生後一週間の俺の体にロメロスペシャルをかけてきた。




 あいたたたた。ギブギブ! 「ぅわょぅjょっぉぃ」ロリと赤ん坊のガチファイト。道徳的にどうかというと完全アウトであろうが。無茶をめさるな!




【安心せい。この空間では肉体的ダメージが通るような事はない。それよりも、転生したらさっさとチューリアルしろと注意したであろうが!】




 中途? リアル? 


 ・

 ・

 ・

 !


 


 思い出したぁぁぁぁっ!

 



【漸く思い出しよったか。まったく、一週間も待たせおって。儂がもうちっと気が短かったら、折角のこの世界、滅亡しておったぞ!】




 って、一週間待たせただけで世界滅亡? 気が短いにも程があるっしょ! どうせ無限に寿命があるくせに。




【それとこれとは話が別じゃ! 神がこうして姿を現すということが、どれだけ危険な事か。おぬしも元は天界の魂なら知らぬわけではあるまいに】




 いや、だからこそのチュートリアルなんでしょうが。どうせ空間ごと新設してチュートリアル専用の空間を作ってわざわざやってきたわけでしょうに!




【ま、そこはそれ、こりはこり、こりゃこりゃ、ぴーぴー】




 ごまかせてませんよ。それにしても、十界制覇、七億年振りですか? 俺そんな快挙成し遂げたんですね。




【まぁ、普通は途中で魂が摩耗して消滅するからのう。おぬしの横着がいい意味で魂の疲弊を防いでいたんじゃな】




 まぁ、横着こそ我が人生、ですからね。




【調子に乗るでない! とはいえ、ここまで極めると至言のような気もしてくるから困りものじゃ】




 ふふん。どやぁ!




 四の字固め極められた。




【余計な事すんなや! イラッとする!】




 ずびばぜんでじたぁ~。




 ガン泣きで謝らされた。




【いずれにせよ、おぬしには、各界制覇の褒美として、十個のチートを下賜する。併せて、自由に動けるようになるまでの間、この精神世界で修行する権利を与える。そうしてこの世界でひとかどの人物になるのじゃ! さすれば、人界のジーザス某のように現人神として敬われるようになるのじゃ! さすれば、今生が終わった後、この世界を守護する神として、新たに我等の一柱として迎えられることになるのじゃ!】




 すると、俺の苦労もここまでで終われるのですね? やったっ!




【おろかものめ。そうはいくかっ! 人生とは、常に苦労の連続じゃ! 泣くのが嫌なら歩くしかないのじゃ!】




 ですよね~。




【全く、おぬしと話してると脱線ばかりしてかなわんわ! さて、本題じゃが、チュートリアルを使って、おぬしに与えるスキルを選び、それを実戦で使えるレベルまで仕上げて行くのじゃ! さすれば、実際の人生で最も頼れる力となろう。だが、ここで半端に済ませれば宝の持ち腐れで終わるじゃろうて】




 結構大事なことなんですね。




【だ・か・ら、さっさとやってしまえと言ってるのじゃー! うがー!】




 ぷちキレた。神がこんなに短気でいいのか?




 し~かたがないので真面目にや~ろう♪




【では、まずは天界のチートから順番に説明と実践をしていくぞ。ステータスオープンなのじゃ!】




天 界・・・「鑑定」


【アカシックレコードにアクセスして知識を引き出すスキルじゃな。天界の神全員の承諾が必要なので、多分今回限りの大判振る舞いじゃ! 大切に使えよ!】




声聞界・・・「遠話」


【遠くに居る相手と意思疎通できるスキルじゃ。ぶっちゃけ声聞界SIMのスマホじゃな。所有数は、最大レベルに比例するから、誰かに与える場合は良く考えてな】




縁覚界・・・「感知」


【まぁ、端的に言えば頭の中にレーダーがあると思えば間違いないのじゃ】




菩薩界・・・「感覚強化」


【危険などに対する感覚が鋭くなるのじゃ! 上の感知と併せて使えば鬼に金棒じゃ】




仏 界・・・「精神力強化」


【物事に動じない鋼の魂を身に付けるスキルじゃ】





地獄界・・・「身体能力強化」


【文字通り、スピード、パワーなど身体能力の強化じゃ! だが、これだけは片手落ちじゃな。だから、次のスキルも重要なのじゃ】




餓鬼界・・・「頑強」


【体が丈夫じゃないと耐えられんのじゃ。このスキルがあれば、怪我にも病気にも、安心保障じゃ!】




畜生界・・・「大幸運」


【ちぃーくしょーっ! をマスターした者だけが到達できる悪運も幸運に変えるスキルじゃ。リアルにジャスティ=ウエキ=タイラーを体験できるぞよ!】




修羅界・・・「限界突破」


【レベルカンストを超えて成長できることと、一時的に全能力に下駄を履かせることが出来るスキルじゃ! 但し、多用すると、頑強持ちでも耐えられない副作用もあるのじゃ。諸刃の剣じゃな】




人 界・・・「人たらし」


【同じ事をやっても、他人よりもずっと好感を持って受け止めて貰えるスキルじゃ。ぼっちじゃったおぬしには願っても無いスキルじゃろ?】




【以上、10のスキルが、おぬしに与えられたチートじゃな。後は、基礎的な修行によって各スキルに耐えられる土台を作るのじゃ!】




 え? すぐ使えるわけじゃないんですか?



【アタリ前田のアウトサイダーなのじゃ! これから、立って歩けるようになるまでは毎日修行じゃ!】




 ええええっ! そんな~っ! 赤ちゃんは寝るのが仕事ですよ~? 発育不良になったらどうしてくれるんですか?




【心配無用。だからこその精神世界じゃ! これからしばらくは監視しておるからの。サボるでないぞよ!】




 とほほ~



 

 結局、苦労からは逃れられないのね。


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