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プロローグ
私は生まれた時から変わった子供だった。
生まれても全くなくことなくじっとしていたらしい。
私は早くから歩けるようになり、言葉を喋れるようになった。
私の両親はそんな私の事を「天才だ」「神童だ」ともてはやしていた。
しかし、そんなこともある時を境に、徐々にその感情が驚きから恐れへと変わっていった。
私が言葉を覚え、文字を学び、計算ができるようになり、経済を学び、経営を知り、商売を行うそんな風に、私がどんどんと賢くなるにつれ両親は恐れを抱くようになってしまった。
私はやりすぎたのだ。
私が最後に見た両親の顔は、私が発動させた魔術の炎を見て、恐怖に引き攣らせた化け物を見るような顔だった。
その日、私は旅に出て一人になった。