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「猫には色々なウィルスがいるんだな。皐月。」
「……それがどうした?」
「いや、予防できないウィルスもあるんだなーと思ってな。」
「……まぁ、そうだな。猫や犬には難しい話だ。」
「うん。ちなみにわかったことが一つ。」
「?」
ある休日に宗吾は本とパソコンを見ながら、動物の病気を調べていた。皐月も返事のように言葉を返す。
「猫の白血病は幼くして出るが、猫エイズは大人になって出るそうだ。」
「……辛いな。」
「そうだな、人間には感染しないからな、苦しみもわからないし……」
「いや、」
「?」
「同じだよ、家族を残してしまう不安が……」
それから数日後、アリアの手術が始まったという連絡が入った。
そのせいか不安で落ち着かない皐月を落ち着かせようと宗吾はある話を持ち掛けた。動物界における病気の話だ。
人間に害あるもの、無いものと………
「……エイズなら。」
「?」
「エイズなら長生きできたかもしれないな。」
「皐月……」
「いや、わかってる。」
「逃げたい気持ちはわかる。だが……」
プルルルルルル
「「!」」
「編集か?」
「いや、多分違うはずだ。」
突然なる電話、宗吾は恐る恐る電話に出る。
「はい。」
『 』
「え?違いますけど。」
『 ! !』
「間違い電話だ。」
「……………」(呆)
「皐月?」
「いや……」
プるるルルル!
「「!!」」
「一難去ってまた一難」ともいえるこの状況。今度は宗吾と、
ヴーヴーっ
「……なんで?」
「知るか!!」(怒)
皐月の電話が鳴る。
そしてお互いの携帯へと出る。
「「はい、 皐月です。」
宗吾ですが何か?」
とても不思議に思う。二つの携帯が同時になることなど……
「え?はい、宗吾ならいますが……」
「!、は、はい。高橋ありがとう。本当にありがとう。 それで、あぁ。 あぁ。」
皐月の電話は編集者からも電話で、宗吾の電話は……
「皐月!アリアの手術が成功した!!」
「……っ……」
「!、さ、皐月!!」
「いや、よかった。……よかった。」
「……あぁ、よかったな。皐月。」
高橋院長からの電話に歓びをあげる、皐月・宗吾。
泣きじゃくる彼(皐月)を抱きしめる彼(宗吾)。
うん。いいカップルだ!!
「!?、違う!!」
「!!?」
一部実話と曖昧な話。特に病気でございます。
今回の話は病院に預けている猫が手術を受けて、飼い主たちは家で連絡を待つばかりの心境を書いてみました。
自分の猫の時は病院側が終えた後に手術を始めて、終わったのが八時か七時だったかは忘れましたが、あの時は成功したことがうれしかったです。
さて、アリアちゃんは皐月と宗吾の家に帰れるか、楽しみですね!!