2.猫視点
くらい さむい おなかすいた
「 か?」
ん?だれ? あったかい
んー あれ?ここどこ?
「お!気が付いたか。」
「あんまり大きな声出すな。」
? ん?だれ?
わっ!!大きな人間!! ふーっ
「あれ?」
「まだ子猫でも警戒心が強いんだ。」
「へーでも、それって母親の方じゃないの?」
「確かに母親の方が気が強いが、この猫にだってそれなりにあるさ。」
ん?なんだ? !、クンクン いいにおいがする!!
「あぁ、遅れてすまない。ほらご飯だ。」
コトっ、何か入ったいいにおいのお皿を猫の前に置く。
猫は警戒しながらも匂いを嗅ぐ。
クンクン んー? なんだこれ?
「へー、これ食べるのか?」
「猫によるがな、ってあんまり見てると食べないから、離れろ。」
「ん?そうなのか?」
「あぁ。」
猫は誰かに見られるのが嫌いで、人間がいる前では絶対に食べない。人なっこい猫は違うが。
……たべていいのかな?
「ん?どうしたの?」
ニャ!! 大きな人間!!
「食べないの?」
ううっ くるか!?
宗吾を見て、身構える猫。キラッと爪が見える。
「ん?」
「宗吾、やめないか。」
「ダメか?」
「……たくっ、食べていいんだぞ。」
皐月は猫の頭をなでながら、そう言った。
………あれ?このかんかく。
猫は何かわかったのか、皐月のやさしい目を見て……
たべていいんだ…… ふんふん ぱくっ
「お!」
モグモグ おいしい モグモグ
「皐月、食べてるぞ。」
「あぁ。」
おいしい あったかい ごっくん チャシチャシ
「……顔を洗っているのか?」
「あぁ、猫はきれい好きだからな。トイレの準備してやらないとな。」
そういって、皐月は立ち上がりその場を離れる。
「……よかったね。!、皐月―!この子の名前決めてないのか?」
「あぁ、まだ決めてないが……」
はぁー おなかぽんぽんら~
名前を決めようとしているというのに猫は安心したのだろうか、寝る準備をしている。
「んー、よし!「アリア」っていうのはどうだ?」
「………悪くねぇ。」
「ん!よろしくね、アリア。」
んー あったかくて しあわせ
スヤスヤと眠るアリアをなでながら、皐月・宗吾は幸せと癒しを感じながらこれからの日々に楽しみを感じていた。
こうして、 猫と男二人の生活が始まった。