18,
「え!橘先生に会ってきた!?」
「うん、図書館でね。すっごいんだよー、受付のお兄さんの小話を推理小説のネタに使うんだもん。それでね、ネタに使えそうなのをボクも一つおいてきたんだ。」
「は?」
「脅しネタをね。」
「隣………。」
「冗談だよ。怖いなーハルは。」
「……あのな、そんな事。」
「わかってるよ、だからボクも同じネタで全く違うのを書こうと思ってるの!」
「?」
図書館に行ったその日の夜。いつものように二人は今日の出来事を話す。仕事の事嬉しいこと・悲しいこと。だが、時々思う隣はどこかズレているようだ。
「冒険で腹黒の主人公、しっかり者の相棒をさ。」
「……今のはどうするんだ?」
「もちろん完結させるよ。」
「……………そうか。」
ずれているのかわからないが、面白い小説を書くからいいが………。
「あ、それでね。」
「ん?」
「お隣さんの柊 皐月さんね。編集者にできないかな?」
「……あのな、隣。そいうのは人権に………」
「えー、ダメかな?」
「お前な…………」
「わかってるよ!けど、ボクね、あの子が欲しい。」
「………?」
「?」
ハルは一瞬分らなくなった。
橘先生の所に同居しているのは男の皐月さん。
俺らの隣が橘先生宅
知っているのは自分たちだけ………多分……………
隣だけが隣さんの主人と同居人を知っていて
俺は今日あったばかりで…………
「皐月さんは二人いるのか?」
「へ?」
「だってお前の話にあんな男が務まるのか?」
「……(おもしろ。)」
「隣?」
「うん、そうだね。僕が話しているのは女の人。なんでもね、女と男で橘先生宅に座り込んでいるみたいだよ。」
「何!!」
「冗談。」
「りん!!」
「ごめん、ハル。」
こいう時「嘘八百」「嘘も方便」という言葉が似合うのはなぜだろうか……
「全く……」
「………うん、このネタ使えそうだ。人間ってまっとうに受けるし……嘘さえも真実に変えちゃう……それもありかな?…………」
呆れかえる遥。天然すぎる隣、遥は少し心配する、詐欺にあわないかなどと。
が、それも心配ないようだ。先程の言葉で何か思いついたようだ、ぶつぶつと考えながらまとめていく。
「ふぅ……さてそろそろ風呂に入るか。」
「え、あぁ。わかった。皿あらっておくね。」
一息入れ、遥はお風呂の準備へと部屋に戻る。
思ったが男二人の生活によくなじんでる二人、、いや四人。何故こんなにも衝突はないのだろうか?
男と女ではしょっちゅう(?)あるというのに……
「さてと、楽しみだな~。書くのが……」
一方お隣では……
ゾクっ
「?、どうした?皐月。」
「いや、寒気が……。」
「風邪か?」
でした。