17,
一時間後、ガチャ。
「ただいま。」
「お帰り、どうした?宗吾。」
ニャー?
「いや、……別に。」
編集者が帰った後、宗吾が家へと帰ってきた、が、あまりにも元気がない。皐月は何かあったのかもしれないと思い、
「ご飯出来てるぜ?」
「うん、食べるよ。………って、薬膳料理?!」
「おう、ちょっと苦戦したけどな。」
「皐月……。」
「なんだよ、文句あんのか?」
「いや……今日は誰かと、」
「?、あぁ、そうだ。今日編集者が来たぜ。」
「……っ、そう、か。」
何かおかしい、
宗吾の様子が………
「宗吾。」
「!」
「何かあったんなら、俺に言えって。」
「……………。」
「黙ってんのはフェアじゃあねぇし、俺は全部話すぜ。」
「………………。」
一年以上も一緒に過ごすと分かる、だから。
「すまない。皐月、お前が……隣の彼と。」
「?、……隣さんと?」
「……。」
「隣さんは隣さんでよく話しするけど。」
「いや、そうじゃないんだ。」
「?」
「彼は君の事を、す、好きだと。」
「………は?それで。」
「え?」
「俺が好きなのはあんたとアリアだけだぜ?」
ニャっ!!
宗吾は素直に本音を話すがどうにも皐月とは意見が食い違い、かみ合わないが……。
皐月の意外な告白。それに反応するアリア。
「……っ。」
「だから今更、浮気とかあんたを嫌いなるわけがない!わかったか?」
「……あぁ、けど、編集者とは。」
「?、あぁ、その人とは昼飯食っただけだけど?」
「そ、そうなのか………。」
「あぁ。」
「………………。」
ペタンと床に座り込む宗吾。ボロボロっと涙を流す。
「え!!」
ニャっ!
「そ、宗吾?!」
「いや、そうか……なんだ、私の勘違いか……」
「たくっ、世話の焼けるオッサンだな。」
「何を言うか、今に皐月もこうなるんだぞ?」
「はいはい、わかりましたって。」
にゃーー。
騒がしい飼い主たちそれでも確かに心の絆を確かめ合い、恋人としての自覚が持てたようです。
「ところで皐月、キスはないのか?」
「なっ、ふざけんなって!!万年モテ期オッサンが!!」
にゃうー。
楽しそうですね。この家は……