15,
「っていうことがありまして。」
「へぇー、はい。返却終わりです。」
「ありがとう。」
翌日、宗吾は図書館に来ていた。管理人である浅戸さんに本を返しながら愚痴をこぼしていた。
「そういえば、」
「?」
「宗吾さんは猫飼ってるんですよね?」
「えぇ。」
「最近うちの猫がどこかで何かを食べているんです。」
「……拾い?」
「いえ、多分、誰からかもらっているみたいなんですが……ちょっと量が。」
「多すぎ?」
「えぇ、与えてくれるのは嬉しいんですが、もう少し量を考えて………あれ?」
「うん?」
「いえ、あそこの人。」
話の途中で浅戸は不審な人を見つける。宗吾も気にかけ、その人を見ると。
「よっ、と、と、あぶ。」
一体どれほどの本を読むのだろうか二十冊は積まれた本を抱えていた。
「大丈夫かな……」
「大丈夫じゃないかな?それよりもさっきの話、推理小説につかえそうなんだけど、使っても?」
「えぇ、構いませんが……」
「ありがとう。」
受付にて小話する宗吾と浅戸。
宗吾は資料となる本を探して、
「……ふむ。」
「推理小説好きなんですか?」
「?、あ、いえ、ちょっと。」
「そうなんですか、僕も資料探してまして。」
「……ということは小説、って昨日の。」
「え?」
「私、橘 宗吾です。昨日は、っていけない。」
「あ……。」
そうここは図書館。静かに。
「あの~。」
「「!?」」
「会議室一つ空いているのでできればそこで。」
「「……すみません。」」
浅戸さんに会議室を借り、二人はそこで話し合うことに
「えっと自己紹介が遅れてすみません。僕は後神 隣です。」
「初めまして。私は、って。」
「えぇ、そうですね。それで橘さん。」
「ん?」
「あなたは小説家でありながら何故、彼を皐月さんと一緒に暮らしているんですか?」
「……」
「答えられないんですか?」
隣からの質問。何やら弱みを握っているらしい。
「だから、なんだというんですか?」
「いえね、僕彼の事が好きなんです。」
「……………っ。」
「だから彼をボ僕にください。」
「」
「それだけです。すみません僕はこれで。」
宗吾は怒りに満ちていたなぜか分らないが、皐月があんなあんな奴にとられてしまうと考えると怒りが満ちてくる。
「いや、違う。皐月とアリアは……
残ってくれる。」