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12,


“というわけで、今日から担当が変わります。”

 「はいはい。」

 「初めまして。渚 遥です。編集者になって三年目ですが、」

 「いえいえ、こちらこそよろしく。橘 宗吾です。」

 

 今日は珍しく宗吾の仕事で始まりました。

 出版社にはよくある<担当の変更>

 

 「ここが私の住所です。ついでに同居人のケータイ番号と私の。」

 「あ、は、はい。それにしてもなんで同居人のを?」

 「?、念のためですよ、念のため。」

 「そ、そうですか……」

 

 “おーい!渚!”

 「!、はい。」

 “後神先生の原稿上がったか?”

 「……あ!す、すみません、まだ。」

 “何!?明日印刷所にもっていくんだぞ!?”

 「すみません、すみません。」

 

 「大変だねー。」

 「いえ、三年目なので。」

 「そういうもんだよ。」

 「そう……ですか。」

 「うん。」

 「……それで先生。原稿は?」

 「………………まだ。」

 

 「…………先生。」

 

 その日、一番遅い帰りになりそうだと二人は確信した。

 

 そのころ、皐月は?

 

 ニャー

 「おう、行ってらっしゃい。」

 にゃー

 

 いつものようにアリアを見送り、久しぶりに一人の休日を楽しもうと掃除をしようと考えた。

 ピンポーン

 

 「!、はーい。(宅配便か?)」

 

 突然のインターホンに驚くが宅配便や管理人の場合は出てほしいと宗吾に言われているため、ドアスコープを使って一応確かめてみる。

 

 「!、どちら様で?」

 <「はい、隣に引っ越してきました。後神 隣です。挨拶に来ました。」>

 「……すみません、気が付かなくて俺は柊 皐月です。」

 

 ガチャと扉を開けるとそこには192㎝。高身長の男性がいた。一瞬驚いたが普通の対応であいさつした。

 

 「本当にすみません。二人で過ごしているときに。」

 「え?」

 「?、いえ、表札に橘って。」

 「あぁ(忘れてた……)」

 「彼女ですか?」

 「え、いえ違います。」

 「そうですか、すみません。僕も今度、二人であいさつに来ますね。」

 「?、二人?」

 「はい、同居人なんです。僕」

 「……はぁ、そうですか。」

 

 文字だけのあいさつに十一行も使った。

 まぁ、別にいいとして。

 

 「え、明日帰ってくる?」

 “「あぁ、原稿が思った以上に多くてね。」”

 「はいはい、まぁ、無理しないように。」

 “「はーい。」”

 

 「じゃあ、気を付けてね。ハル。」

 “「おう、お前はあとは一ページだろ?早めにな。」”

 「はーい。」

 

 なんか……ラブラブ雰囲気………………

 

 

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