表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

−第3話−進むべき道

−第3話−進むべき道

−理由は今から説明する−

そう言って、校長は語り始めた。

「…圭一君、1年前の貨物タンカーの座礁・沈没事故は知っているな?」

校長はそう言った。

貨物タンカーの座礁・沈没事故か、俺が高1の時だった…

一隻のタンカーが、日本を出港して東南アジアに向かう途中に座礁して沈没した…

死亡者100名、行方不明者87名、生存者0名。行方不明者の捜索は打ち切り、全員死亡とのことだった…

その船には俺の親父も乗ってた。

俺の親父は貿易関係の仕事をしていたらしい。

それで、親父はよく外国に出張してた。

その時たまたま乗り合わせたのがその船だったらしい…そして、運悪く沈没した…

くっ!、知ってるもなにも、その事故のせいで俺の親父は死んだんだ!!

「……何でそんなこと聞くんですか?知ってるに決まってるでしょ…親父は、その事故で死んだんだ。」

なぜ校長がそんなことを言うのか解らなかった。

「すまないな、嫌な記憶を思い出させてしまって。しかしな、その事故は"事故ではない"んだ。」

校長が何を言っているのか解らなかった。

「え、あ、あの、事故じゃないってどういうことですか。」

「あぁ、実はな、あの事故は事件だったんだ。実は、あのタンカーは爆破されたんだ。

それで、国民が混乱するのを防ぐため、国は事故に偽装したんだ。

いや、それ以前に、貨物タンカーというのも偽装なんだ。あの船は国防軍の輸送船なんだ。そして、国防軍の機密データを積んでいた。だから国は、急いでデータの回収に向かった。しかし、当然ながらデータは無く、乗組員は全員死亡。そこで、君のお父さんも…

その後、事件の捜査が始まった。そして、事件の解明が進むと共に、ある組織が捜査線上に浮かび上がった。その組織は、国際手配犯が率いるテロ組織だった。

強盗、殺人、誘拐、人身売買、金さえ貰えばなんでもする奴らだ。

これが昨年起こった事故の真相だ。

この組織をずっと追いかけているんだが、なかなか尻尾を出さない。

そこでだ、君達にはこの組織の捜索・確保あるいは殺害を頼みたい。

とても危険な任務だ、強制はしない。

引き受けるものは残れ…」

校長はそう言って、深く目を閉じた。

一気に話されたから、整理がつかない。

まず、タンカーは偽装、事故も実は爆破事件だった。そして親父は俺と同じ国防軍だった。そして、爆発に巻き込まれて死んだ。

で、その捜査を俺たちにしろと。

「ちょっと待ってください。

なんで、俺が選ばれたんですか。」

そうだ、俺以外の奴らは、バカ侍を抜いて成績優秀だ。戦闘能力だってそうだ、俺は中の下くらいだ…俺以外は相当強いらしい。

なのに、なぜその中に俺が選ばれた?

校長は目を開き、話し始めた。

「君が、桐生君の息子だからだ。

圭一君、君は事件に出会す度に胸が焼けるように熱くはならないか、そして、気が遠のいて、ふと気付くと事件が解決している。なんてことは?」

「確かに、熱くはなりますけど、そのあとのことは、特にないです。」

朝もそれで少し苦しかった。

「そうか、まだ未完成ということか…だが胸が熱くなるということは…ふむ…やはりそうか。」

全然意味がわからない。

「えっと…どういうことですか?」

「あぁ、すまない一人で喋っていた。

君は胸が熱くなると言ったな。その症状は君のお父さんにもあったんだ。しかし、お父さんの場合は違って、その後に気を失ってしまうということだ。そして気づいた時には、犯人を倒して、事件を解決している。これが、お父さんの場合だ。だが、君は胸が熱くなるだけだ。ということはまだ何か能力がある可能性があるということだ。そこで君をチームに誘ったんだ。」

そうなのか、親父にも…

「よし、もう一度聞くぞ。

チームに参加するものは残れ、危険な任務だ、強制はしない。」

部屋を出て行くものは誰もいなかった。

「全員参加でいいんだな…」

校長が言った。

少なくとも俺は逃げ出す気はない…いや、逃げない。俺は誓い、皆を見渡す。

皆も真剣な表情でそこを動く気はないようだ。

「よし、皆、頑張ってくれ!!」校長がそう言う。と同時にすごい勢いで誰かが、部屋に入ってきた。

ん、あの人は情報科の岸田先生だ、こんなに急いでどうしたんだ。

「たっ、大変です。西南西の方角30kmの地点から未確認の攻撃ヘリの大編隊が接近中です!、識別信号は味方じゃありません!!」

なに!?30kmだと?どうやって日本のレーダー網をくぐり抜けたっていうんだ…

そう思った瞬間…

ダァァァン!という耳をつんざくような異様な音に、全員が一瞬恐怖する。

しかし、俺らには、そんなことすら思っている暇なんてない。迅速な対応、それが第一だ。

「クソッ!おい、須藤さっさと対空砲まで行くぞ!」そう言いながら階段を駆け上がる。

「お、おう、分かった!!ついて来てくれ。」

須藤に先導してもらう。

「わ、私達も行こう!!戦わなきゃ!」

そう階段の下の方で聞こえた。

今は、下を気にしている場合じゃない。

校長室を出て、陸上部の武器庫に向かう。

廊下を走っていたら銃声が聞こえて来た…

もう戦闘が始まってんのか。

曲がりと階段を合わせて廊下を100mほど走った。

よしやっとついた。武器庫。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ