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私と彼女の13日の地獄  作者: 詩機吏 架恋
殺戮
3/15

第1談

【7月29日火曜日 午前2時18分】

 自宅のベッドで寝ていた少女、苦界敷枝くがいしきえは寝汗が体中にまとわりつき、寝心地が悪くなったのか、ベッドから起き上がった。はたまた、寝汗のせいでもなかったのだろうか、彼女の顔は「まるで」「の様な」なんて斜述を使うまでもなく、悪夢を見た顔になっていた。美しい顔が少しやつれ、血行が悪くなっていた。

「こんな夢を見るなんてね……」

 誰もいない部屋でつぶやいた。その呟きを自分自身のツイッターに買ってもらったばかりのスマートフォンで投稿した

【しきえん丸 @shikie_0303 怖い夢見た。いやな夜 1秒前】

 敷枝はスマートフォンを置くと、そのままベッドへ横たわる。きしきしと音が静かな部屋に聞こえる。それが敷枝にはこう聞こえた。

「たす……けて……」

 敷枝は顔を布団に潜らせ、後悔を悔いていた。自分の親友巾足絹糸をクラスメイトからの虐めから救えなかったことに。

「ごめんなさい」

 誰もいない部屋に、届くはずもない懺悔の声がポツリと流れた。


なせ彼女がその言葉を発したのかというと、つい最近の出来事である。


 彼女の親友、巾足絹糸はばたりきぬいとは普通の少女だった。ごく普通でまったくおかしくないただそこにいる少女。ただ、ちゃんとしていた人間だった。

 性格は平凡であり平穏。身体は平均身長・体重ぴったり。髪の長さは22・2cm。髪の色は黒。笑顔が栄える顔。

 それが気に喰わない人間が一人いた。その少女の名は城嶋晶子きじましょうこ。原因は自分の好意を寄せていた男性を絹糸に奪われたことだった。

 「ただそれだけ」で彼女は絹糸を虐げ、蔑み、妬み、虐めた。人間とはまったく残酷なもので、加害者は「冗談」と称していても被害者は「地獄」を見る。周りの人間は恐れていた。今ここで被害者・巾足絹糸を救おうとすれば、次は自分が城嶋晶子に喰われる。その恐怖に彼らクラスメイト30人は恐れていた。

 女子ならず、男子までもが「地獄」に恐れていたのは、城嶋祥子がクラスを政略するために攻略した男子生徒、伐誤不知火きれごとしらぬい。なのとおり奇麗事など知らない。「命より金が大事」それが彼のモットーであり格言であり名言であった。その格言からわかるよう、彼の父は大企業の社長であるため、懐には多くの金があった。彼はその金を、親がこのために稼いだ金を知らずとクラスメイトにばら撒き、従えた。

 従わなかったクラスメイトはその場で再起することが不能、つまりは「再起不能」になるまで「肉体」のみならず「精神」までも痛みつけた。

 二人がクラスで大きな権力を持つことで、少女の「地獄」はさらに大きくなり、ついには絹糸は死んだ。二人はつかまっていない。なぜなら「手を下さず」殺したから。いや、逆だ。手を下してないのに死んだ。それがクラスメイトのほとんどの解釈であり、解析だった。

何故かニュースには出なかった。

何故か少女の死は隠された。


 そう、敷枝は親友である絹糸を助けることは出来なかった。勢力はすでにクラスを蝕み、二人は王者となった。

 その1ヵ月後、ある事件を発端に黄泉泉高校二年四組のクラスメイトたちに『呪い』が降りかかる。そのことを誰も知る芳がなかった。


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