第85話 生息域調査クエストの報酬
報酬回なので文字数がかなり多いです。
あーそんな感じね〜くらいのまったり読みで大丈夫です。
設定系がお好きな方は細部まで読んでみてください笑
翌日、CROへログインして最初に開いたのはイベント画面だった。
昨日までいくつも並んでいた進行中の表示は消え、代わりに大きく【イベント終了】と表示されている。
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《生息域調査クエスト》
イベント期間が終了しました。
結果を集計しました。
参加状況に応じた報酬を受け取ることができます。
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画面を下へ送ると、今回参加した内容が順番に表示されていた。
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【個人結果】
《掃討支援》10000位以内
《探索支援》846位
《護衛支援》10000位圏外
―――――
「え……846位?」
思わずそこだけもう一度見る。
――《探索支援》846位。
順位を狙って動いていたわけではない。
そもそも途中まで自分がどのくらい探索支援を進めているのかも気にしていなかった。
見つけたものを拾って、気になる場所へ行って、分からないものがあれば調べただけだ。
それが形になったということだろうか。
「こんな順位とったの初めてだな……」
順位表示の横にある詳細を開く。
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【《探索支援》結果】
探索した地域や発見した痕跡・物品、共有された情報などが集計されています。
共同討伐で活用された探索成果が反映されています。
―――――
次の項目も開いてみる。
《掃討支援》は一応10000位以内。
何度か参加はしたが、ずっとMOBを狩っていた人たちには到底届かない順位だ。
でも《護衛支援》は10000位圏外だった。
「まあ、これはそうだよな。護衛はほぼやってないから……」
三つの支援を同じようにやったわけじゃない。
イベント中に何をしていたかと言えば、圧倒的に探索支援をしていた時間が長かった。
ランキング画面には上位百人の名前が公開されていた。
掃討支援。
護衛支援。
探索支援。
それぞれに並んでいる名前はほとんど違う。
三つの支援を満遍なくやったプレイヤーは少ないのかもしれない。
「各支援で上位の名前が全然違う」
昨日の共同討伐では同じ場所へ集まったが、それまで何の支援をしてCROを楽しんでいたのかは人によって違った。
俺はランキングを少し眺めてからイベント画面へ戻る。
そして、一番気になっていた場所を押した。
〈報酬受取〉の画面へ切り替わる。
―――――
【イベント報酬】
・《生息域調査クエスト》報酬
・《掃討支援》個人報酬
・《探索支援》個人報酬
・《護衛支援》個人報酬
・《共同討伐クエスト》報酬
・イベント総合経験値報酬
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「……結構あるな」
思っていたより多い。
こうして並べられると、さっきまで順位を見ていたときとは別の意味で楽しくなってきた。
まずは一番上を押してみる。
―――――
【《生息域調査クエスト》報酬】
参加報酬:50,000G
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〈受取〉を押すと小さな光が弾けて所持金が増えた。
一番上が【受取済】へ変わった。
イベント参加報酬はゴールドだけのようだ。
次は《掃討支援》にいってみる。
―――――
【《掃討支援》個人報酬】
順位:10000位以内
参加報酬:《掃討支援・参加箱》×1個
個人報酬:《掃討支援・特別報酬箱》×3個
ゴールド:100,000G
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「え、10万……?」
掃討支援に関しては何度か参加した程度だったことを考えれば十分すぎる。
それに参加箱だけじゃなく、特別報酬箱も3個ある。
〈受取〉を押すと所持金が増え、それぞれの箱がインベントリへ入った。
箱を開けるのは最後にしよう。
次は圏外だった《護衛支援》を押してみる。
―――――
【《護衛支援》個人報酬】
順位:10000位圏外
参加報酬:《護衛支援・参加箱》×1個
個人報酬:《護衛支援・特別報酬箱》×1個
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「こっちは箱だけか」
順位報酬はなくても一度でも参加していれば参加箱は受け取れるらしい。
それに圏外でも、その支援を1回でもやっていれば特別報酬箱も1個はもらえるということだろうか。
俺は〈受取〉を押した。
そして次はいよいよ『846位』の《探索支援》だ。
「これはちょっと期待していいやつだよな……」
順位を狙っていたわけじゃない。
でも結果が出た後で報酬を見るとなれば話は別だ。
〈受取〉を押した。
さっきまでより大きな光が広がる。
「おおっ?」
―――――
【《探索支援》個人報酬】
順位:846位
参加報酬:《探索支援・参加箱》×1個
個人報酬:《探索支援・特別報酬箱》×20個
ゴールド:700,000G
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「70万……!? 特別報酬箱もすごい量」
思わず金額と箱の数をもう一度見る。
「846位……すごいな。でも、これもっと上位だとどのくらいもらえるんだ……?」
所持金が一気に増えたのを確認してから、《共同討伐クエスト》を開く。
―――――
【《共同討伐クエスト》報酬】
参加報酬:《共同討伐・参加箱》×1個
個人報酬:《共同討伐・特別報酬箱》×3個
討伐報酬:《共同討伐・討伐戦報酬箱》×5個
ゴールド:60,000G
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「共同討伐も結構あるな……」
〈受取〉を押すと60,000Gが加算され、報酬箱もインベントリへ入った。
これでイベント画面に並んでいた報酬は経験値だけになった。
「さて……中身が気になる」
経験値の前にそれぞれの報酬箱を確認してみることにした。
名前には《掃討支援》《護衛支援》《探索支援》《共同討伐》と付いているが、参加箱同士や特別報酬箱同士で基本的な抽選内容に違いはないようだ。
「名前が違うだけなのか」
となると、今回受け取った参加箱は全部で4個。
特別報酬箱は全部で27個。
それとは別に《共同討伐・討伐戦報酬箱》が5個ある。
「特別報酬箱27個……」
改めて見るとかなりの数だ。
参加箱と特別報酬箱には〈まとめて開封〉も表示されている。
「これは助かるな」
まず参加箱4個をまとめて開ける。
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【獲得アイテム】
《地域生態記録・断片1》×1
《採集情報記録・断片2》×1
《中級回復薬》×1
《中級魔力薬》×1
―――――
「こういうのが出るのか」
記録の断片ってすごく気になるな。
参加箱は記録や消耗品が中心らしい。
続けて特別報酬箱27個を選ぶ。
「こっちはさすがに多いな……」
〈まとめて開封〉を押す。
一瞬だけ間を置いて、獲得表示が一気に広がった。
―――――
【獲得アイテム】
《中級回復薬》×4
《上級回復薬》×2
《上級魔力薬》×1
《上級状態異常回復薬》×1
《中級疾走薬》×2
《上級耐性薬》×1
《高純度魔結晶》×1
《銀紋鉱》×2
《霊樹の細枝》×1
《月鉱晶》×2
《苔鹿メレの翠毛皮》×1
《風鳥アルファの風切大羽》×1
《夜熊ヴァルゴンの黒剛爪》×1
《木彫りの白狼》×1
《猟風の腕輪》×1
《大獣牙の首飾り》×1
《偽狐耳の髪飾り》×1
《もふもふのしっぽ》×1
《即時帰還石》×1
《月影の軽装靴》×1
―――――
「うおおお?!」
まず一番下に表示された名前を見て思わず声が出た。
《月影の軽装靴》――装備品。
見てみると、レアリティも《レア》等級だ。
「これ、かなり当たりじゃないか……?」
詳しく見るのは後にして、もう一度獲得一覧を眺める。
あとは家具が1個。
アクセサリーが2個。
中級から上級の消耗品に素材もかなり出ている。
その中に見覚えのある名前の素材もあった。
《苔鹿メレの翠毛皮》
《風鳥アルファの風切大羽》
《夜熊ヴァルゴンの黒剛爪》
そして少し気になるものが二つ並んでいる。
《偽狐耳の髪飾り》
《もふもふのしっぽ》
「……狐?」
詳細を開いてみる。
どちらも能力補正のない外見装備だった。
《偽狐耳の髪飾り》を装備すれば狐耳様の獣耳が表示され、《もふもふのしっぽ》ならふわっふわの尻尾が追加されるらしい。
「これ両方つけたら、外見だけならビーストフォークっぽくなれるのか……?」
報酬箱の説明も確認してみる。
外見装備は期間中によく活動していた地域に関係するものが抽選されやすいらしい。
今回俺が長くいたのはビーストフォークの地域だ。
「だから狐耳と尻尾なのかな……」
なんとなく二つ並んだアイテムをもう一度見る。
そのすぐ下には別の見覚えのある名前があった。
《即時帰還石》
「え、これって」
《紅狼ヴァルグ》に追われたとき、ロヴェルが使った白い石だ。
「ロヴェルさんがすごく高いって言ってたやつだな……」
まさか自分のインベントリに入るとは思わなかった。
まだ他にも確認したいものは多い。
獲得結果を保存して、一旦画面を閉じた。
最後に残ったのは《共同討伐・討伐戦報酬箱》5個。
「こっちは選べるみたいなんだよな」
とりあえず一つを開いてみる。
―――――
【《共同討伐・討伐戦報酬箱》】
今回の《地域共同討伐》に対応する希少素材から1個を選択できます。
《苔鹿メレの翠毛皮》
《岩蟹ラドニの堅岩鋏》
《風鳥アルファの風切大羽》
《夜熊ヴァルゴンの黒剛爪》
《鎧蜥ドルガーレンの重層外殻》
所持数:5個
―――――
「ここから選べるのか……」
さっき特別報酬箱から出た素材も混ざっている。
何を選ぶかは装備や使い道まで調べてから決めた方がよさそうだ。
「これは後で調べてみよう」
選択画面を閉じる。
とりあえずこの5個の報酬箱は未選択のままインベントリに残った。
では、最後だ。
―――――
【イベント総合経験値報酬】
総合的な参加・支援状況に応じた経験値を獲得しました。
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通知と同時に経験値バーが伸び始める。
思っていたより長い。
バーはそのまま進み続け、端まで届いた。
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レベルが上がりました。
Lv48 → Lv49
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「おお……上がった……!」
すぐにステータス画面を開く。
Lv49。
「ようやくあと一つ……か」
Lv50になれば二次職への転職やサブ職が解放される。
昨日ロヴェルと話した《パスファインダー》と《トレジャーシーカー》のことを思い出す。
まだどちらにするかは決められていない。
でも、もう遠い話ではなくなっていた。
ステータスを閉じようとしたところで、フレンドメッセージの通知が目に入った。
「あれ、ロヴェルさんから?」
開いてみる。
『ザン君、昨日はお疲れさま。ドルガーレンのドロップ品リストがまとまったから送っておくよ』
メッセージにはアイテムリストが添付されていた。
『レア以上のドロップ品は3日後にオークションになる予定だよ。今回は私がパーティリーダーとして参加するから、欲しいものがあれば事前に教えてね』
「あ、そうか」
昨日ドルガーレンが消えた後、赤砂の上には山のような戦利品が残っていた。
添付されたリストを開く。
素材や装備らしき名前がずらりと並んでいた。
「結構あるな……」
欲しいものがあれば事前にロヴェルへ伝える。
オークションで売れた分のゴールドは今回のパーティ人数で均等に分配されるらしい。
「これも後で見ないとなぁ」
『ありがとうございます。欲しいものがあったら連絡します。あったとしてもお金足りるか分かりませんが……』
そう返してリストを保存した。
イベント画面へ戻る。
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《生息域調査クエスト》
イベントは終了しました。
報酬はすべて受け取り済みです。
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「……これで終わりか」
掃討して、探索して、護衛して。
最後にはそれぞれの地域で大勢のプレイヤーが大型MOBと戦った。
俺は《探索支援》の846位をもう一度だけ見る。
順位を狙っていたわけじゃない。
気になった場所へ行って、見つけたものを調べて、それを繰り返していたらここまで来ていた。
イベント《生息域調査クエスト》は終わった。
でも、今回歩いた先にもまだ知らない場所がある。
今回行かなかった場所にもきっと知らない何かがある。
「……次はどこ行こうか」
俺はそんなことを考えながら、イベント画面を閉じた。
◎とある匿名掲示板情報より
846:名無しの旅人
【地域共同討伐・希少部位素材】まとめたぞ
※以下の全ての素材がレアリティは『レア』
《苔鹿メレの翠毛皮》
得意方向:隠密・感知・移動音低減
主な用途:軽装備、ローブ、靴、アクセサリー
《岩蟹ラドニの堅岩鋏》
得意方向:防御・怯み耐性・ガード性能
主な用途:盾、重装備、腕装備、アクセサリー
《風鳥アルファの風切大羽》
得意方向:移動速度・攻撃速度・詠唱速度
主な用途:弓、短剣、杖、軽装備、アクセサリー
《夜熊ヴァルゴンの黒剛爪》
得意方向:HP・物理攻撃・ノックバック耐性
主な用途:片手武器、両手武器、腕装備、アクセサリー
《鎧蜥ドルガーレンの重層外殻》
得意方向:装甲・耐久・部位防御
主な用途:重装備、盾、靴、アクセサリー
こんな感じらしい。
847:名無しの旅人
>>846 乙
848:名無しの旅人
>>846 gj




