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ダース・ベイダー日本転生(仮)EP4

第四話 嵐の予感、寮での再会


原作者:マスター・オブ・ゼロ


嵐の予感、寮での再会


佐藤 陽菜と別れ、青山 零は真一兄さんに送ってもらった地図を頼りに、寮へと向かった。桜新町の静かな住宅街を抜け、大学の敷地内に入ると、そこには立派な学生寮が建っていた。扉を開けると、そこには、いつものように冷静で、少し冷たい視線を零に向ける兄・真一の姿があった。


「遅いぞ、零。帝都の電車は、地方とは違う。もう慣れろ」


真一は、零の大きな荷物を横目に、冷たく言い放った。零は、渋谷でのフォースの暴走と、地下鉄での事件について話そうとしたが、真一の厳しい視線に、言葉を飲み込んでしまった。


「…ごめん、兄さん」

「謝る必要はない。ただ、気をつけろ。この帝都には、お前のような人間を狙う輩が、腐るほどいる」


真一の言葉に、零は背筋が凍るのを感じた。真一は、零の持つ「力」について、何かを知っているのだろうか?零は、兄の言葉の真意を探ろうとしたが、真一はすぐに話を切り替えた。


「部屋はここだ。荷物を置いて、すぐに食堂に来い。話がある」


真一は、そう言って、零の部屋の鍵を渡し、足早に去っていった。零は、真一の背中を見つめながら、故郷の家族との関係性、そして、真一が抱える秘密について、改めて考えさせられた。

(真一兄さん…何か知ってるのか…?)

零は、部屋に入り、荷物を置いた。部屋は広く、窓からは大学のグラウンドが見える。そこには、ラグビー部の練習場が広がっていた。零は、自分のラグビーボールを取り出し、それを強く握りしめた。


「俺は…ラグビーで、全国一になるんだ…!」


零の心に、故郷で誓った夢が蘇る。しかし、その夢とは裏腹に、彼の胸の奥では、ベイダーの冷徹な声が再び囁き始める。

(…無駄な努力。ラグビーなど、この力の前では、無力だ)

零は、ベイダーの声に抗いながら、食堂へと向かった。食堂には、すでに真一が座っていた。零は、真一の向かいに座り、黙って彼の話を聞いた。


「零。お前は、まだ自分の力の正体を、完全には理解していないだろう」


真一は、零の目を見つめて言った。零は、ドキリとした。やはり、真一は何かを知っている。


「…どういうこと?」

「お前は、ダース・ベイダーという、遠い銀河の暗黒卿に憑依されている。その力は、お前を、この世界の支配者にすることも、破滅させることもできる」

真一の言葉に、零は、言葉を失った。


「お前は、この力を制御し、正しく使う方法を、今から学ばなければならない。さもなくば、この帝都の闇に、飲み込まれてしまうぞ」


真一の言葉は、零の心に深く突き刺さった。零は、自分の「力」について、真剣に考え始めた。


入学式、新たなる出会い


翌日、大学の入学式が開かれた。零は、真一に言われた通り、身なりを整え、式場へと向かった。式場には、新入生たちがひしめき合っている。その中には、零と同じく、ラグビー部のスカウトで入学した学生も多くいた。

式が始まり、学長のスピーチが始まった。しかし、零の耳には、その言葉は全く入ってこなかった。彼の目は、式場の最前列に座る、二人の学生に釘付けになっていた。

一人は、精悍な顔立ちで、剣道部のユニフォームを着ている。もう一人は、まるで気品があり、まるで西洋の貴族のような、カリスマ的なオーラを放つ学生だ。


「…彼らは、憑依者だ」


零の脳裏に、ベイダーの冷徹な声が響く。零は、直感的に、彼らが自分と同じ「力」を持っていることを感じ取った。

入学式が終わり、零は、彼らに声をかけようとした。しかし、彼らは、周囲の学生たちに囲まれ、話しかけることができない。零は、彼らの後を追うように、式場を後にした。

その時、零の前に、一人の男が現れた。それは、渋谷のビジョンで見た、カリスマ的なサブカルチャー評論家、黒崎 蓮だった。


「初めまして、青山 零くん。君のことは、以前から知っていたよ」


黒崎 蓮は、零に向かって、不気味な笑みを浮かべた。零は、彼の存在に、言い知れぬ恐怖を感じた。


「君は、特別な力を持っている。私と一緒に、この帝都を変えないか?」


黒崎 蓮の言葉は、零の心に、甘く、そして危険な誘惑を囁いた。


「…断る」


零は、強く言い放った。彼の心には、真一の言葉が、そして、陽菜の優しい笑顔が、焼き付いていたからだ。


「そうか…残念だ。だが、君は、いずれ私を選ぶことになる。なぜなら、君のその力は、君を孤独へと導くからだ」


黒崎 蓮は、そう言って、姿を消した。零は、彼の言葉が、自分の心をかき乱すのを感じた。

友情、そして戦いの始まり

零が、食堂に戻ると、そこには、先ほど入学式で見た二人の学生が座っていた。零は、意を決して、彼らに話しかけた。


「あの…」


二人は、零の声に気づき、顔を上げた。

「青山 零です。ラグビー部に入ることになりました」

「俺は、マーカス・勇人・ボンド。剣道部だ」

「僕は、天田 将輝。これから、よろしくな」

彼らの言葉は、零の心に、安堵をもたらしてくれた。彼らは、自分と同じ「憑依者」でありながら、どこか温かい雰囲気を持っていた。


「お前も、なんか持ってるだろ?」


マーカスが、零の目を見つめて言った。零は、戸惑いながらも、自分の「力」について、少しだけ話した。すると、天田が、ニヤリと笑った。


「やっぱりな。僕は、織田信長に憑依されてる」

「俺は、宮本武蔵だ」


彼らの言葉に、零は、自分の孤独が、少しだけ和らいだような気がした。


「俺たちも、まだ自分の力を制御できていない。だから、一緒に学んでいかないか?」


マーカスの言葉に、零は、強く頷いた。この出会いが、零の運命を大きく変えることになる。彼らは、それぞれの「力」を制御し、黒崎 蓮のような、帝都の闇に潜む悪と戦うことになる。それは、友情と絆、そして、孤独な戦いの物語の始まりだった。




予告:ダースベイダー 日本転生(仮)第五話 憑依者の集い、それぞれの過去


零は、マーカスや天田と共に、憑依者としての修行を始める。しかし、その過程で、零の「力」が、再び暴走し始める。零は、自分の内なるベイダーの闇と、どう向き合っていくのか?そして、黒崎 蓮の思惑とは、一体…?


君は、生き延びることができるかも?

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