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ダース・ベイダー日本転生(仮) EP3

第三話 桜新町はサザエさんの町?


原作者:マスター・オブ・ゼロ


桜新町、サザエさんの町に降り立つ


桜新町駅に降り立った青山 零と佐藤 陽菜は、電車の混乱から解放され、安堵の息を漏らした。駅前広場には、見慣れた家族の銅像が並んでいる。波平、フネ、サザエ、マスオ、ワカメ、タラちゃん、そしてカツオ。国民的アニメ「サザエさん」一家だ。


「わあ、サザエさんだ!ここ、サザエさんの町って言われてるんだよ」


陽菜は目を輝かせて言った。零は、故郷でもテレビで見ていたサザエさん一家の姿を懐かしそうに見つめる。ベイダーの冷徹な感情が、再び陽菜の存在によって和らげられていくのを感じる。


「カツオって、何歳なんだろう?」


設定の意味ではなく原作が誕生したから何歳だと?カツオは、零と同じく、やんちゃで、いつも何か面白いことを探しているような、そんな印象があった。

(カツオ…こいつと俺が…重なる…?)

零の脳裏に、カツオのキーパーソナリティが浮かび上がる。そして、その背後に、ベイダーの冷酷な顔が重なる。零の「前向きさ」とカツオの「やんちゃさ」は似ているようで、その根底にあるものは全く違う。零は、故郷の家族との名字の違いという秘密を抱えながら、自分のルーツを探そうとしている。一方、カツオは、毎日を明るく楽しく生きている。そのギャップが、零の心に複雑な感情を呼び起こす。


「どうしたの?零くん」


陽菜が不思議そうに零の顔を覗き込む。

「いや、なんでもない。ちょっと考え事してただけ」

零はそう言って、再び笑顔を作った。その笑顔は、故郷の零の笑顔とは少し違う、どこかぎこちない笑顔だった。

カツオの銅像とフォースの誤作動

二人は、サザエさん一家の銅像を一つ一つ見て回った。零は、カツオの銅像の前で立ち止まる。


「カツオってさ、いつも波平に怒られてるけど、なんだかんだ言って、家族に愛されてるんだよな」


零は、そう呟いた。彼の言葉には、故郷の家族との関係性、特に名字の違いという秘密を抱える彼自身の葛藤が滲み出ていた。

その時、零のスマホが震えた。兄・真一からのメッセージだ。


「寮の場所をGoogleマップで送っておいた。桜新町駅から近い。迷うなよ」


零は、スマホをポケットにしまいこみ、再びカツオの銅像を見つめた。その瞬間、彼の脳裏に、ベイダーの冷徹な声が響く。

(家族…?くだらん。絆など、所詮は弱さを生み出すだけだ)

零は、その声に反発するように、心の中で叫んだ。

(違う!家族は…俺にとって、大切な存在なんだ!)

零の心の中で、ベイダーと零自身の感情が激しく衝突する。その結果、零の体から、再び得体の知れないエネルギーが放出された。それは、カツオの銅像を、まるでフォースの力で持ち上げようとしているかのように見えた。


「えっ…!?零くん、どうしたの!?」


陽菜は、驚いて叫んだ。零は、慌てて力を抑えようとするが、うまくいかない。銅像は、わずかに宙に浮き上がり、そして、ガタガタと音を立てながら、地面に落ちていった。

「あ…!」

零は、自分のしたことに驚き、硬直した。周囲の人々も、突然の出来事に驚き、零と銅像を交互に見つめている。

(やべえ…どうしよう…!)

零は、パニックに陥りそうになった。その時、彼の脳裏に、お笑い芸人のパロディがフラッシュバックする。


「お前は、一体何者なんだ!?」

(お、俺は…「ごめんね…ごめんねぇ〜!」)


零は、思わず、お笑い芸人のネタを口走ってしまった。周囲の人々は、零の奇妙な行動に、戸惑いの表情を浮かべていた。しかし、そのお陰で、零は一瞬だけ、冷静さを取り戻すことができた。

家族愛、そして絆


「大丈夫!大丈夫だよ!これは…えーっと…あれだ!ストリートアートの一種だよ!」


陽菜は、慌てて零を庇うように言った。彼女の言葉に、周囲の人々は、ますます不思議そうな表情を浮かべていた。その時、零の脳裏に、ベイダーの冷徹な声が再び響く。


(愚かな女。嘘など、いずれバレる)


零は、ベイダーの声に反発するように、陽菜の手を握った。


「陽菜…ありがとう」


零は、心からそう言った。陽菜の優しさが、ベイダーの闇に包まれかけた彼の心に、再び光を差し込んでくれた。


「ほら、早く行こう!寮に遅れちゃう!」


陽菜は、零の手を引き、駅前の通りを歩き始めた。零は、後ろ髪を引かれる思いで、銅像の倒れた駅前を後にした。

二人は、寮に向かう道を歩きながら、今回の事件について話していた。


「それにしても、あの銅像、なんで急にあんなことに…」

陽菜が、不思議そうに首をかしげる。


「俺にも、よく分からないんだ…でも、なんだか、力が…体が勝手に動いたっていうか…」

零は、ベイダーの憑依について、陽菜に打ち明けるべきか迷っていた。しかし、言葉にしようとすると、ベイダーの冷徹な感情が、彼の心を支配しようとする。

(…言うな。この力は、誰にも知られてはならぬ)

零は、ベイダーの声に抗いながら、言葉を飲み込んだ。


「そっか…でも、零くんは、あの時、ちゃんと止めてくれた。私は、零くんを信じてるからね」


陽菜は、零の顔を見て、優しく微笑んだ。その言葉に、零の胸の奥が、温かいもので満たされていくのを感じた。それは、家族の愛に似た、温かい、安心感だった。



予告:ダースベイダー 日本転生(仮)第四話

寮に到着した零を待っていたのは、真一兄さんからの厳しい言葉だった。そして、入学式で零は、同じく憑依者である、マーカス・勇人・ボンド、天田将輝と出会う。彼らとの出会いが、零の運命を大きく変えることになるとは、まだ知らなかった。


君は、生き延びることができるかも?

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