前日
「おいデブ。新入りの件はどうなっている?今年は何人の鉄砲玉が家に来てくれるんだ。」
オーバーサイズの軍服を着た男は苛立ちながらもふくよかな男に話しかける。その顔には怒りが満ちていた。
「…1人…ですね。誰か来てくれるだけで上出来だと思いますが…」
軍服の男は拳を握りしめながら不満を口にする。
「いいか…!上の奴らに!今後!新入りをよこさなかったら!ヘリを今の倍注文して!お前らのスカスカな脳みそにぶつけてやると伝えておけぇ!!!」
ふくよかな男は呆れながらも納得してしまう。
(…こんなことばっかり言うからではなかろうか…)
「それで?その新入りはどうだ?役に立ちそうか?それともゴミか?」
手を顎に当てふくよかな男は履歴書に目を通す。
「今年軍学校を卒業した新人さんですね。ですがこれは期待できるかもしれませんよ。なにせ彼女!機械工学では満点の成績を収めてますから!」
「…それ以外は?」
「…平均以下…です」
「ふっふっふっ…久々にしごきがいのある奴がきたな。よし!そいつはバレンティナの下につけろ!俺は上層部との会議に出る!しばらく開けるぞ!」
「わかりました。いってらっしゃいませ。」
軍服の男を乗せたヘリが飛んでいき、男は思わず安堵する。やっと静かになってくれた、と。
(さて、バレンティナ少佐に連絡しておこう。確か新入りの名前は…シエスタ・ロゼバルト…か)
男は携帯を手に取り1人の少佐に連絡する。
そして、のちにこれが、世界を救う誓いを結ぶ2人だということは…まだ、誰も知らない…