ブレクと戦闘する話③
前回までのあらすじ
戦闘した。
トタロウは自分を抱えている人物の方を見る、そこには紛れもないルイカがいた。
ルイカは心配そうな目でトタロウを見つめる、ルイカの目にはヒョロヒョロの手と口から流れている血が映っていた。
「トタロウ! 大丈夫!?」
ルイカはトタロウにそう聞く、だがトタロウは答えなかった、今答えられるような状況じゃない、つまり大丈夫じゃないのだ。
ルイカはトタロウを廊下の端に運ぶ、その廊下の端にはカイフクがいた。
「じゃ、お願い」
カイフクはルイカに頼まれスキルを発動させた、トタロウの傷が塞がっていく、やがてトタロウがおった傷は完全になくなった。
トタロウの意識もどんどん回復していく、トタロウは慌ててブレクの方を見た、そこにはツル、サーベ、ドーソの三人がブレクと戦っていたのだ。
「諦めろブレク、もうお前の幹部は全員倒した」
ツルはブレクにそう話しかける、だがブレクはその事について微動だにしていなかった、どうやらブレクによって自分の幹部が倒されることは予想通りだったらしい。
ブレクは三人の斬撃を避けながら一人ずつ攻撃していく、三人もその攻撃を避けたり防御したりしながら戦っていた。
トタロウはヨロヨロした足つきで一刻も早くブレクの方へ向かおうとしたがルイカに止められてしまった、それでもトタロウはブレクの方へ進もうとする。
ルイカは「待って! 怪我が治ったのは見た目だけでまだ完全に……それにあの三人がどうにか」と言うが……
「それじゃ……ダメなんだ……!」
「え……?」
「アイツはあの人達だけじゃ倒せない! だから……!」
トタロウは少しづつ進むが途中でがっくりと転んでしまった、ルイカは倒れたトタロウを抱える。
だがそれでもトタロウは進もうとした、ルイカは無理矢理にでもトタロウを止めた。
「トタロウ! これを!」
何処かから声が聞こえる、そしてトタロウの近くにナイフが落ちてきた。
トタロウはナイフを投げた人を見る、それはノシャだった。
「ノシャ!?」
「トタロウ! それを!!」
トタロウは何かを感じ取った、ノシャのナイフを持ち全速力でブレクの方へ向かう。
瞬間、ブレクに悪寒が走った、こんなこと初めての経験だ、ブレクの目にはこっちへ走ってくるトタロウが映っていた。
(なんだっ!?)
ブレクは冷や汗をかく、何とも言えない不快な感触がブレクの体をこねくり回す、ブレクは三人の斬撃を避けるだけで精一杯になってしまった。
トタロウはブレクのすぐ近くまで来ていた、三人はトタロウがこっちに来たのを見てブレクに攻撃するのをやめる。
もうトタロウは確信していた。
「俺たちが勇者だ!!」
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