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ザンジと戦闘する話

前回までのあらすじ

ゴウカイと戦闘した。

 ワオンは何とか体を立たせる、ふらふらとした足つきで。

 ザンジはまた5人を見回しこう言った。


「気分が変わった、お前たちが攻撃してこい」


 ザンジはその場に立ち尽くす、ワオン達が攻撃してくるのを待っているのだ。

 ワオン達もその場に立ち尽くした、攻撃しようとしても結果は目に見えてる。

 ただ長い沈黙が続く、ザンジはしびれを切らしワオンの方へ歩いていった。


 心臓の音がはっきりと聞こえる、しだいに息も荒くなってくる、ザンジはワオンを睨みながら歩いて来た。

 カツ……カツ……カツ……静かな廊下に足音が響く、やがてザンジはワオンのすぐ近くまで来た。


「どうした、攻撃しないのか?」


 ザンジが煽るようにワオンに話しかける、ワオンは緊張で体が震え言葉を発すこともできないようだ。

 ザンジはワオンの近くまで来てまた止まった、ワオンが攻撃してくるのを待っているのだ。

 (やれ)ザンジが無言で圧をかける、ワオンは渋々スキルを発動させた。


(スキル発動!)


 ワオンの手のひらから熱湯が出てくる、その熱湯は勢いのかなり強いシャワーのようになりザンジの顔にかかった。

 熱湯がバシャバシャとザンジの顔に当たっていく、その熱湯が跳ね返りワオンの顔にもかかった、ワオンは「熱っ!!」と言いスキルを解除してしまう。


「成る程」


 ザンジはワオンから離れていく、次に目をつけたのはアシュラだ。

 アシュラはザンジがこっちに来たのを確認し逃げようとするが、その前にザンジが瞬間移動したようにアシュラの前に現れる。


 (やれ)ザンジが無言の圧力をアシュラにかける、アシュラは諦めたようにスキルを発動させた。

 その瞬間、アシュラの体から無数の腕が生えてくる、アシュラはそのたくさん生えた腕を使いザンジに殴りかかった。

 ゴンッと言う金属のような音が鳴る、アシュラは急いで腕をさすった。

 アシュラの腕が赤く腫れている、アシュラはその箇所に息を吹きかけ強くさする。


 ザンジはそんなアシュラの事など気にせずタナカの方へゆっくり歩いていく、タナカはもう諦めたのかザンジがこっちへ来るのを待っていた。

 (やれ)ザンジが無言の圧力をかけ、タナカはスキルを発動させる。

 タナカの指から何か白い粉が出てきた、それがザンジの口の中に入る、それは砂糖だった。


 砂糖は勢いを増しザンジの顔にあたる、だが砂糖は砂糖だ、大した威力にはならない。

 タナカは諦め砂糖を出すのをやめる、ザンジは向きを変え女子たちの方へ向かっていった。


 カツ……カツ……カツ……とまた足音が響く、ザンジは無表情で女子たちの方へ歩いていった。

 オカキの顔が歪んでいく、そして彼女はザンジに言われる前にスキルを発動させた、彼女の手から木が勢い良くザンジに向かって伸びていく。


 ゴォッウンッ……また金属の音が静かな廊下に響く、オカキはザンジを貫くつもりでこのスキルを使ったが、逆にザンジに当たった木が折れ曲がっていった。

 (ぐっ!!) オカキはこれだけでは諦めない、また木の成長を早める、木はどんどん伸びていきザンジの体を囲った。


 まだ木の成長は止まらない、ザンジの姿は木に埋もれていく、生き埋めにするつもりだ。

 木は渦を巻いてザンジの体を囲っていく、ザンジはただその場に立ち尽くした。

 やがてザンジの姿は見えなくなる、ザンジは木の中に埋もれ生き埋め状態となったのだ。


 オカキの攻撃はそれだけでは終わらなかった、まだザンジと木の間にわずかな隙間がある、オカキは木を操りその隙間をなくしていった。

 ギチギチギチと硬く締まる、ザンジは木にあちこちを縛られている状態だ、普通なら窒息している。

 だが彼はザンジだ、こんな所でやられるような奴じゃない。


「これで終わりか」


 木の中から声が聞こえる、オカキはその声を聞きさらに強く縛り上げた。

 オカキの額から汗がにじむ、もうマジックポイントはカラカラだ、オカキは最後にまた一層キツく縛ったあと、ドサッと倒れた。

 

「オカキ! 大丈夫!?」


 近くにいたヒヒがオカキのもとへ駆け寄る、オカキは「大っ、大丈夫っ……はあっ……」と大丈夫じゃなさそうに答える、ヒヒはオカキを仰向けにさせた。

 

 木の中、ザンジは暗闇の中にいた、ここは光も隙間もない。

 ザンジは木をバキボキと折り、中から出ようとする、ザンジにとってはあの攻撃もほとんど無意味だ。

 手が外に出てくる、ザンジ強引に木を折っていき、繭から出てくる虫のように外に出てきた、その時に気づいたのだ。


 下に人がいる、その人のことをザンジは知らない。

 まだこの人のスキルをザンジは知らないのだ、その人、ヒヒはザンジを睨みスキルを発動させる。

 瞬間、ヒヒの体がピカッと光った、何かの危険信号のように。

 それと同時にザンジはあることに気づいた、他の4人が遠くに離れている、ザンジの目には豆粒のような大きさの4人が映った、4人は心配そうにこちらを見ている。

 

(スキル……発動っ!!)


 ヒヒは覚悟を決めスキルを発動させた、その瞬間、辺りは炎に包まれる。

 爆発だ、ザンジの体はとんでもなく大きい炎に包まれた、爆風が4人たちの方へ向かってくる。


「キャアッ!!」


「ぐホッ!!」


「ぐあっあ!!」


「うぐ!!」


 4人は爆風に逆らえずそのまま吹っ飛ばされてしまった、廊下の端まで行き壁にぶつかり止まる。

 タナカは運悪く頭から激突してしまい気を失った。

 傷が浅かったアシュラがタナカが無事かどうか確認する、気絶していただけだったのでアシュラはほっと息をついた。


 オカキとワオンの二人は爆発した方を見る、煙がモクモクと上がっていてよく見えないが、何か人影がある、皆はそれがヒヒである事を祈った。

 煙がしだいに無くなっていき姿が見え始める、あの人影の正体は、ザンジだ。


「っ!!」


 オカキは息を呑む、あれだけの大爆発でも仕留めきれなかった、オカキはヒヒが何処にいるのか探した。

 それほど時間はかからなかった、ザンジのすぐそこ、真下にいるのだ。  

 ヒヒはうずくまって倒れている、遠くから見ても分かるほど彼女の服や体は焦げていた。


 ヒヒの安否を心配している時間はない、ザンジはこっちへと向かってくる。

 こっちへ来るにつれどんどんザンジの姿が大きくなっていき、ザンジの細かい姿が見え始めた、ザンジの体には傷一つない、あれだけの攻撃でダメージが入っていないのだ。


「どうするっ?」


「どうするって言われても……」

 

 アシュラはワオンに聞くが、もちろん答えは返ってこない。

 どんどんザンジが近づいてくる、このままではオカキ達がやられるのも時間の問題だろう。

 だが、ザンジはあと10メートルの所らへんで立ち止まる、そうして話し始めた。


「次は誰が行く」


 ザンジはそこから一人来いと命令したのだ、だがオカキ達はなかなか動けない、ザンジは次のことを話す。

「そこから一人も来なければ皆殺しにする」と。

 動いたのは、アシュラだ、ゆっくりとした足つきでザンジの方へ歩いていく。


 一歩、また一歩、ゆっくりだが、ザンジの方へ着実に進んでいく。

 やがてアシュラはザンジのすぐ近くまで来た、ザンジはただアシュラを見つめる。

 アシュラは体が震えるが、勇気を出しスキルを発動させた、無数の腕が生えてくる。


「おりゃあああ!!」


 アシュラが恐怖を紛らわすように叫びながらザンジを殴りに行った、腕はザンジの顔に伸びていき……

 当たらなかった、ザンジは腕をかわし、そのまま……


 アシュラの顔をぶん殴ったのだ、アシュラはよろける。

 ザンジはまたアシュラの顔を殴る、またアシュラがよろける、それがずっと続いていった。


「アシュラ!!」

  





 



 



 





 

 


 

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