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ゴウカイと戦闘する話②

前回までのあらすじ

戦闘した。

「ライト!? レフト!? 大丈夫!?」


 カイフクはすぐさま血まみれのライトとレフトに近寄る、ココロもカイフクの後をつけた。

 ライトは胸から、レフトは横腹からドクドクと血が流れている、ヒュ〜……ヒュ〜……と言うか弱い息の声が聞こえている、このままではすぐに死にそうだ。


「待ってね……今治すからっ……!」


 カイフクは急いでスキルを発動させ、ライトとレフトの胸と横腹を触った。

 触った瞬間に体がピクンっと動く、「がっ……はっ……」と言う辛そうな声がカイフクの耳に響いた。

 カイフクは「ごめんねっ……」と謝りながらまた傷の箇所を触る、カイフクの目にはゴウカイと言う存在が映っていなかった。


「カイフクさんっ! あぶないっ!」


「え?」


 ココロはいち早くゴウカイの存在に気づきカイフクの名前を叫ぶ、その時カイフクの目に映った、血眼でカイフクを見ているゴウカイの姿が。

 ゴウカイに目はカイフクをしっかりと捉えていた、ゴウカイはゆっくりと斧を構える。

 カイフクはダラダラと汗を流し体が震え、動けなくなる、その間にもゴウカイの準備は進んでいた。


「させるか」


「イッハンシンっ」


「ボンジっ」


 ゴウカイがカイフクに突進する前にモウブ、ボンジ、イッハンシンの三人が立ち塞がった。

 ボンジが足元にあったさっきの破片を拾い、投げつける、ゴウカイでは無くイッハンシンに……だ。

 イッハンシンはカウンターを発動させ飛んできた破片を掴み投げつける、今度はモウブだ。

 モウブはスキルを発動させその破片をいとも容易く掴み投げつける、ボンジに。


(何だ? 何をしている?)


 三人の奇妙な行動にゴウカイは困惑する、破片の勢いはどんどん増していき、やがてそれはゴウカイを取り囲む円となった。

 ビュッっ いきなり破片がゴウカイに向かって3つの方向から飛んでくる、その破片はゴウカイに命中し砕けた。


 「うグッうおおおおおおっ……」


 ゴウカイは悶える、3つの破片はそれぞれゴウカイの腹、横腹、背中に当たりパラパラと砕けた。

 ゴウカイはうずくまる、隙が出来た、イッハンシンがいち早くゴウカイへ駆けつけた。


 (バカめっ……!)


 ゴウカイは拳をイッハンシンに突き出す、そしてそれはイッハンシンの腹に当たり……

(カウンター)イッハンシンのカウンターがゴウカイの腹に炸裂した。

「ガハッ!!」ゴウカイは血反吐を吐きながら後ろへグラっと倒れる、後ろにはモウブが立っていた。


(スキル発動!!)


 モウブはここぞとばかりにスキルを発動させる。

 腕が赤く光り、その赤い腕がドチュンッ!!とゴウカイの背中にえぐり込んだ。

 ゴウカイはまたまた血反吐を吐き今度は前に倒れた、ドサッと言う音がする、倒れたゴウカイの顔を覗くと白目をむいていた。

 モウブ達はすぐさまカイフクの方へ向かっていった。


「ライトとレフトは大丈夫か?」


「待ってて……すぐに治すから」


 カイフクがまた傷に触れる、今度の傷はなかなか手強い、なかなか傷が塞がらないようだ。

 カイフクの息が荒くなり汗がボトボト落ちる、もうマジックポイントは少ししか無い、回復するとしたらコレで最後だ。

 

「はぁ〜っ、はぁ〜っ」


 レフトの息が戻っていく、傷もかなり塞がっていってる、ライトもこの調子で行けば助かるだろう。

 皆は安心し警戒を緩める、ライトの傷もかなり塞がっていった。

 やがて……二人の傷は完全に無くなった、まるで最初から無かったように。


「ん……」


 ライトとレフトがゆっくり目を開ける、周りは安堵に包まれた。

 だが……まだ終わっていない、ゴウカイはまだ生きているのだ。

 ゴウカイの意識がどんどん戻っていく、ゴウカイの目が黒に戻り、ゴウカイは完全に意識を取り戻した。

 ゴウカイは重い体をゆっくり持ち上げる、7人はその様子を見ていた。


「アイツ、また立って……」


「もう一度やるしか無いな……」


「コレで最後にするか……」


 三人は地を蹴り豪速でゴウカイのもとへ向かう、ゴウカイはただ立ち尽くしていた。

 いち早く着いたのはモウブだ、スキルを発動させ、パンチをゴウカイの胸に……


「はっ?」


 モウブのパンチはギリギリ足りずにゴウカイの足元へ落ちる、ゴウカイのスキルが発動されたのだ。

 「モウブ!」ボンジが叫ぶが、モウブは重力に逆らえず落ちていった、次のターゲットはボンジだ。


「うっ!!」


 ボンジも振動を受け倒れる、せめてもの抵抗、で破片を投げつけたが大した威力にはならずゴウカイにキャッチされてしまった。

 最後はイッハンシンだ。


(カウンター……ぐっ……!カウンっ……)


 イッハンシンのカウンターですらこのスキルの前では無意味だ、イッハンシンも倒れてしまった。

 コレで戦える人はゼロになってしまったのだ。


「どうしよ……!」


 カイフクとココロが焦り何か無いか考えるが、何も思いつかない、このままではこの場にいる全員死んでしまう。

 ゴウカイはズシン……ズシン……と2人の方へ歩いていく、2人はただゴウカイが来るのを震えていた。


「もう大丈夫」


 何処かから声が聞こえる、次の瞬間ゴウカイの首から血が噴き出した。

 ゴウカイの後ろに誰かいる、剣を持ってて……優しそうな顔の……ドーソだ。


「ぐがっ……!」


 ゴウカイは倒れそうになるが何とか持ちこたえる、後ろを振り向くとこれまでとは比べものにならない程強そうな人が立っていた。

 ゴウカイはよろける、その隙を狙いドーソが突進した。


ゴウカイは斧を取り出しスキルを発動させる、ドーソの中に振動が響き渡り、少しめまいがした。

 ドーソに一瞬の隙ができる、ゴウカイはそこを狙い斧でドーソを切ろうとした。

 だが斧で切る前に、ゴウカイが剣で斬られてしまった。


「あ……?」 


 ゴウカイの顔に切れ目が入る、顔の半分がずるずると落ちていき、ゴウカイの顔は下顎だけになってしまった。

 ゴウカイの白目をむいた顔の半分がゴロゴロと転がる、その白のゴウカイの目はドーソを睨んでいるような気がした。


(何だっ……俺……死っ……)


 ゴウカイの意識がまた無くなっていく、今度は永遠にだ。

 (嫌……だ……)ゴウカイは心の中で強くそう思った、最後の力を振り絞り最後のスキルを発動させる。


「何っ!?」


「まずい……!」


 いきなりここら一帯が揺れ始める、ゴウカイのスキルによって地震が起こったのだ。

 グラグラと揺れ、カイフクが転び尻もちをつく、ドーソは遠くで倒れている3人を心配していた。

 ボコボコの柱から大きい破片がボロっと落ちていく、そしてその下にはモウブがいた。

 ドーソはモウブのもとへ全速力で駆けつける。


「はっ!」


 ドーソは落ちてくる破片を斬った、破片は真っ二つとなりモウブからズレて落ちていった。

 ドーソはモウブを担ぐ、道中でボンジとイッハンシンも担いだ、そしてカイフク達のいる所へ三人を持ってくる。


「これ……治せる?」


「今はちょっと出来ないですけど、もう少し待てば……」


「そう」


 ドーソはすぐそこにあった部屋に入り、怪我人をベットで休ませた。

 カイフクとココロは他の部屋から追加のベットを運ぶ、この間も皆の怪我は着実に治っていったのだった。 


 こうして、ゴウカイとの戦闘は終わった。









 

 








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