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来た話

前回までのあらすじ

戻った。

 トタロウはいつも通り朝の散歩をしていた。

 いつもの道が続くなか、一つだけ違うことがあった、それは、見知らぬ人がいたのだ。 

 トタロウは(誰だろう……兵士ではなさそうな気がするけど……)と思いながらも知らんぷりして散歩を続けた。


(あれがトタロウ君か)


 その人はトタロウを見てそう思った。

 その人とは、ブレクだ、なぜブレクが城の近くにいるのかは、今日だからだ。

 今日、世界を壊すと、ブレクは決めた。


「そこの君ー、ちょっと来てくれる?」


「はい?」


 ブレクはトタロウを呼んだ、トタロウは(何だ?)と思いながらもブレクの方へ向かう。

 のこのこと来るトタロウを見て、ブレクは心の中で笑った。

 ブレクは内心トタロウの事を舐めていた、どれだけ強いスキルでもブレクもそのスキルを持っているし、ブレクが世界を壊そうとしている敵とも知らずにのこのこと来たからだ。


「君……と言うか君たち、転生者何でしょ?」


「え? はい……」


「敵倒すの頑張ってね、今から」


「……え?」


 トタロウは遠くへふっ飛ばされる、ブレクはスキルを発動させトタロウを殴ったのだ、トタロウでなければ即死していた。

 トタロウは急いでスキルを発動させ森の木にぶつかった。


(アイツが……! 世界を滅ぼす……!)


トタロウは木から飛び全速力で城に向かう、トタロウは城の窓からとんでもないスピードで中に入る、ちょうどそこにツルがいた。 

 ツルはトタロウに困惑した様子で「なんだ……!? どうしたトタロウ……!?」と聞く。

 トタロウはさっきのことを説明し始めた。


「それが、外の奴にいきなり攻撃されて……多分アイツだ! 世界滅ぼすって言ってた!!」


「なに……!?」


 ツルは窓から外の景色を見る。

 ツルはそこで一人を見つけた、それはブレクだ、こっちを爽やかな笑顔で見ている。

 瞬間、ツルの顔が歪む、出来れば勘違いであって欲しかったが、トタロウの予想は当たっていた。


「どうしたのっ!?」


「一体何が……っ!!」


 サーベとドーソが大きな音を聞き何があったのか向かってくる。

 ツルとトタロウのもとへ向かう途中、ドーソは気づいた、気づいてしまったのだ。

 ドーソの目には爽やかに笑う、いや、壊れたように笑うブレクが映った。

 次の瞬間、ブレクは城の中にいた。

 ワープを使い一瞬でここまで来たのだ、ブレクは挨    拶代わりに近くにいたトタロウとツルを殴る、2人はそれぞれ違う方向にふっ飛ばされた。


「ツルちゃん!! トタロウちゃん!!」


 ふっ飛ばされる中ツルは気合で体を止める、ツルは地面に倒れたあと一瞬で起き上がりスキルを発動させ剣を作り上げた。

 ツルは全速力でブレクに向かう、ブレクは余裕な表情でツルを待つ、ツルは一瞬にしてブレクの所まで走りブレクに思いっきり斬り掛かった。

 これが戦いのゴングとなり、この世界の命運をかけた戦いが始まったのだ。


             ※


「オラ!! ぶっ壊してやらアッ!!」


 城の廊下に爆音が響く、その声を聞いた人たちは耳を塞いだ、鼓膜が破れそうだ。

 「何だあれ……」とノシャがルイカに聞く、ルイカもあれが何なのかは分からない。

 一見人のようだが、ノシャとルイカの目にはそうは映らなかった、それの体の上半身は狼だったのだ。

 それとは、ウーフだ。


 「おいおい、何なんだよアイツ……!」


「分からねぇ……っ」


「ひとまず、逃げたほうが良さそうだね」


 ウーフを見たヤロウとコザガとヒナタがおののく、ウーフは5人を見て、ニヤリと笑う。

(どいつもこいつも弱そうだな……)とウーフは思っていた。

 ウーフはスキルを発動させ、どんどん人間だった下半身も狼へとなっていく、彼は数秒して、3メートルはありそうな狼になったのだ。


 ゴキゴキと音を立てながら体が完全な狼へと変貌していく。

 5人はその様子をただ見ていた、恐怖で何もすることができなかったのだ。


「あ……アア……」


 ウーフは四足歩行になりながらうめき声を上げる、この状態は少しキツイらしい。

 ウーフは赤く光った目で5人を見る、ヤロウは身の危険を感じ逃げようとした、それをウーフは見逃さない。

 少し動いたヤロウに向かってウーフは突進した。 

 ヤロウは固まって動けなくなる、そしてそのままウーフの牙だらけの口に齧られてしまった。


「ヤロウっ!!」


 ヒナタとコザガが叫ぶ、ヤロウは「がっ」と言う悲鳴かすら分からない声を上げ、血を流した。

 ヤロウの血がボトボトと落ちる、腹から、口から。

 ヤロウの意識はどんどん無くなっていった、コザガは弓矢でウーフの前右足を狙う、ヒナタは炎をウーフにぶつけようとする、ノシャはナイフを作りコザガとは逆の前左足を狙う、ルイカは思いっきりウーフに突進した。


 「ふっ」


「たぁっ!!」


「はっ……!」


「おりゃっ!!」


 4人が一斉に攻撃する、コザガの矢は前右足に命中し、ヒナタの炎は体に当たり、ノシャのナイフは逆の前左足に突き刺さり、ルイカの突進はウーフの体を揺らした。

 だが……


「っ!? 効かねえ!!」


 コザガが叫んだ。

 ウーフの前右足前左足から血が流れ、体の毛が焦げ、今にも倒れそうなほどの揺れが脳に響くが、ウーフは平気そうな顔でヤロウを噛む。

 このままでは本当にヤロウは死んでしまう。


「おい!! 避けろっ!!」


 遠くから声が聞こえる、4人はその声に従いウーフから離れた。

 その瞬間、ウーフの体が爆発する。

 どうやらロケットランチャーのようなものが当たったようだ、ウーフはあまりの衝撃にヤロウ離した。  

 その隙を狙い、誰かが落ちていくヤロウを掻っ攫った。

 声がした方を見てみると、そこには7人の人がいた。


 キキ、ヤミクモコウ、キワミ。

 そして、恐 龍 (きょう りゅう)岩固 頑岸(いわかた がんがん)氷結 白零(ひょうけつ はくれい)、ヤロウを持っている雷走 速雄 (らいそう すみお)だ。

 キキはロケットランチャーのような物を持っている、どうやら彼のスキルで作ったものらしい。


「アア……なんかたくさん来たナ……いいゾ、かかってこイっ……」


            ※


「なあ、あの人知ってるか?」


「知らないけど……イケメン〜」

 

 女子の爆炎 狒々 (ばくえん ひひ)と、愛上 御柿 (あいうえ おかき)が見知らぬ男を見て話している。

 ヒヒはだいぶ警戒しているが、オカキはのんきに彼をイケメンだと言う。

 彼はザンジだ、ザンジは二人を見るなりそっちへ向かう、ヒヒは警戒を強めた。


「お前らは転生者か?」


「え? は、はい……」


「そうか、なら話は早い。 死ね」


 ザンジの手がオカキに凄いスピードで伸びていく、ザンジは早いこと転生者を皆殺しにするつもりだ。

 だがその前に、誰かに止められた。


「オカキ!!」


「ワオン!!」


 それは屋湯良 和音 (やゆよ わおん)だった、彼の近くには佐藤 田中(さとう たなか)と、亜種 阿修羅(あしゅ あしゅら)と言う名前の男子もいる。


 ワオンの手から熱湯が出てくる、ザンジはそれをいとも簡単にかわし、ワオンの方へ豪速で向かった。

 ワオンのみぞおちにザンジの手が入り込む、ワオンは嗚咽しながら地面へ倒れた。


「ワオンっ!!」


「1……2……3……5人か」


 ザンジは数を数えたあと、狙いをワオンに決めた。

 ワオンは倒れたままだ、このままではすぐにザンジにやられてしまう。

 近くにいたアシュラとタナカがワオンの前に覆いかぶさる、その守りはザンジにとって紙のようなものだ。


「えいっ!!」


 ザンジは背中に違和感を感じる、何かが当たっているのだ、それは……木だった。

 この木はオカキのスキルで作ったもの、本来この木が成長する速度は鉄を貫くほどの勢いがあるが、ザンジの背中は鉄より硬いらしい。

 ザンジは木の枝を掴み、人想いにぶち折る。

 そして折った枝を、オカキたちの方へ投げつけた、その枝はオカキ達には当たらず壁に突き刺さる。

 ザンジは5人を見たあとこう言った。


「来い」





 

 

 






 


 




 









 

 

 


 



 

 


 


 

 


 



 










 

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