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香水を買う話

前回までのあらすじ

修行した。

トタロウは修行が終わった後も、力加減を練習していた。 しかし、いくらやっても力を抑えることはできない。 むしろだんだん威力が増しているような気がする。


来る日も来る日も、力加減の練習をしていった。 ついに……


「やった!!」


トタロウは成し遂げた。 木はボコッとへこんでいる。 後ろを見ても、他の木に被害は及んでいない。 


「あっトタロウじゃん」


偶然、このあたりを散歩していたルイカと出会う。

 

「ルイカ……ついに俺、弱くなれたよ……!」


「弱っ?」


翌日


今日は休みだ。 トタロウ、ルイカ、ノシャの三人で街を散策する。


しばらくすると、街をウロウロしているココロを見つけた。 ルイカがココロの方へ向かっていく。


「ココロー!」


ココロはびっくりした後、嬉しそうに返事する。


「フヘッ!? あぁ、ルイカでしたか……フヒヒ……」


2人が仲良く話していると、遮るようにクラスメイトの女子がルイカとココロの話している間を通り抜ける。


「えっちょ……なんでわざわざここ通り抜けたの?」


しかし、クラスメイトの女子は無視し歩いていく。 名前は尾野 極美(びの きわみ)、金に染めた髪、モデル体型、彼女はギャルだ。


「感じ悪いなー」



ルイカはイライラした様子で話す。 だがキワミはもう既に遠くへ離れてしまった。


(何だアイツ……)


トタロウとノシャもそう思う。


トタロウたちはココロと別れ、また街を散策しにいった。 久しぶりの休日、特にトタロウは修行していたのでこの休みがとても楽しかった。


トタロウたちは、休みを満喫した。



街の中を、一人の美少女が歩いていく。 キワミだ。


(クソッ、汚いやつに話しかけられた……!)


キワミは腹を立てている。 どうやら、彼女は汚いものが嫌いで、ルイカとココロはキワミにとって汚い存在らしい。


(消毒しないと……!)


キワミは街の中で消毒できる何かがないか探す。 そして見つけた。


(香水……?)


それは、香水だった。 街のど真ん中にあるポツンとした小さな店……というよりは屋台だ。


テントのような屋根、小さいテーブル、イス。 そのテーブルに一つだけ香水が置かれている。 値札を見てみると、かなり安い。


(怪しい……)


キワミは真っ先にそう思った。 しかし……


(でも、消毒しないよりかはましか)


その香水を買ってしまった。 フードで顔が隠れてよく見えない店員に話しかけ、お金を取り出す。


買った後すぐさま香水を自分の顔に吹きかける。 その瞬間、キワミは感じた。


(綺麗になった……!)


キワミはこの香水がとてもいいものであると認め、さっきとは裏腹に嬉しそうに街を歩いていった。


(成功……!)


フードを被った店員が頭のフードを外す、店員の正体はエスだった。


夜 城の部屋


扉を叩く音が鳴り、部屋の中にいる人は扉を開ける。 扉を開けたのはキワミ、叩いたのはクラスメイトの炎雷水草 (えんらいすいそう)闇雲光(やみくもこう)という男子だ。


彼の顔はとても整っている。 キワミにとって彼は綺麗な存在だ。 キワミはヤミクモコウに甘えるように話しかける。


「ねーねーヤミクモー」


「んー?」


「しようよ、今日も」


「はは、キワミは甘えん坊だなあ……よし、待ってて」


ヤミクモコウは自分の部屋にシャワーを浴びに行ってくる。 その間キワミは香水を自分の顔に吹きかけた。


数分後……


「お待たせー」


ヤミクモコウはキワミのいるベッドに近づき、自分もベッドの上に乗る、その時気づいた。


「あれ……なんか香水変えた?」



トタロウとノシャが森の中を歩いていく。 ちょうど良さそうな木を見つけ、トタロウがその木を殴る。 その木は吹き飛んだ。


「やっぱり……トタロウはすごいなあ……」


ノシャはワクワクして、だが少し悲しそうな顔もして喋る。


ノシャもスキルを発動させ、作ったナイフを木に刺すが、突き刺さらない。


「やっぱり、駄目か。 僕はトタロウみたいに強くない……」


ノシャは残念そうに話す。 ノシャは力を持っているトタロウが羨ましいらしい。


「ノシャ……お前のスキルも充分凄いと思うぜ、それに……これは俺が努力して手に入れた力じゃないから」


ノシャはトタロウの話をあまり聞いていない、そして暇をつぶすように木に向かって文字を書き始めた。 


それはとても丁寧で、綺麗に……


「ほら、凄いとこあんじゃん」


「……え?」


ノシャはトタロウが何を言ってるか分からずトタロウに聞き返す。


「凄いって……どこが?」


「それだよ、その丁寧な手さばき。 俺はそんなふうに繊細なことはできない」


トタロウは話を続ける。


「ほら、俺のを見てろよ。 俺も文字を書くからな」


トタロウは指を木に当てる。 そして指に当たった木の幹は空間を削り取られたように曲がってしまった。


「ほら、俺はお前みたいに書けない」


ノシャは下を向いて返事する。


「うん、ありがと……」


その様子を、三人が見ていた。 ツル、サーベ、ドーソだ。 サーベはツルにからかうように話しかける。


「ほら、強さだけが強さじゃないってよ? ツルちゃん」


「はぁ……その事はもう良いだろ。 お前らもアイツと戦ってみろよ」


「はいはい、落ち着いて」


ドーソが話を遮る。 その後ドーソは次のことを話す。


「そのアイツのことだけど……アイツの仲間が近い内にここに来るらしい。 もう既に来ているかもしれない」


サーベは笑うのを辞め、真剣そうに話し始める。 まるで別人が乗り移ったように。


「そうか……よく聞きたい。 人気のない場所で話そう。 ここだとアイツの仲間がいるかもしれない」


「そうだな……」


三人は城へと戻っていく。 三人が城に戻った後、さっき三人がいたところからどこからともなく人が現れた。 それは、ヒソムだった。 ヒソムは一人で呟く。


「正解、もう既に来てるよ。 三人で」


ヒソムは森から離れ街に行く。 その街には、エスがいた。 ヒソムはエスに聞く。


「どう? あの香水は売れた?」


エスは自信満々に答える。


「もちろん、あの子なら1週間ぐらいでできるよ」


エスとヒソムは不気味に笑う。 これで2人揃った、残りの一人は……


キワミの部屋


もうヤミクモコウは自分の部屋へと帰っていった。 キワミは自分のお腹をさすり。 幸せそうに笑う。 


そして……そのお腹の中で、生き物が動いた。







































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