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8.取引

投稿を遅れてしまい、申し訳ありませんでした。

 ルイさんに山奥の小屋に来て欲しいと言われ、向かいたいが……。


「じゃあ、馬の物まね!」

「ヒィヒーン!」


 なぜか子供たちの遊びに付き合っていた。まさかリーベット先生が先手を打つなんて!

 このままじゃ、社会人として遅れるなんてもってのほかだ。急いでこの場から去る方法を考える。すると急に脳内からステータス画面が表示される。


天授ギブデッド=『複製』、『生命付与』}

 天授ギブデッド……なんだ、それ? どんな能力か気になる所だ。


「次は羊の物まね!」

「メェー」


 だけど今は遊び相手にされてどうすれば良いか考えていると、ひらめいた。


「ゴメンけど、ちょっと待って!」


 子ども達は首を傾げている間に、近くにある小石を手にかざして詠唱する。


天授ギブデッド起動、複製物体名チェス!』


 詠唱し終えると、小石がチェスに変わりそのまま何個か複製してチェスに変えた。


「それ何?」

「これはチェスと言って、頭の体操に使うものだよ」


 俺はそう言いながらチェスの番を並べて説明する。

 並べた後は、俺が教えつつも他の子ども達が興味を持ち始め、かなり有名な遊びになった。

 いまの内に小屋に向かおう! 俺はバレないように忍び足をした後に、だれもいないことを確認し終えればダッシュで向かう。

 少し走って、息切れしながら山奥の小屋に着いた。だが少し運動して無いかもあってかなり苦しかった。

 銃を持つときは、かなり体力を使うから改善しないといけないな。

 なんて思いながら、小屋の何か入るとそこには大人の腰ぐらいある樽が二つと、ルイさんが横になりながら待っていた。


「オッ、ようやく来たんだね」

「ハイ、実は――」


 俺が遅れた理由を伝えると、ルイさんは少し苦笑しながら頭を掻く。


「リーベットさん、そこまでするのかよ」

「そこまでって、どういう事ですか?」

「あの人は少し隠したい事があるんだよ。マァ、君には関係ない事だけど」


 ルイさんはそう言いながら、大樽の蓋を開けると中には、大量の魔鉄鉛メティスが入っていた。これなら大量の銃器の作成が出来そうだな。

 俺はさっそく樽の中に手を突っ込む。


「おい、魔鉄鉛メティスは幼い子供にとって毒――」

天授ギブデッド起動、複製物体名回転式拳銃(リボルバー)!』


 詠唱し終えると、魔鉄鉛メティスは淡く光りだして一丁の回転式拳銃リボルバーが出来たが、内部を見たら、結合して模型になっていた。

 これだと使い物にならないと思っていると、ルイさんは舌を巻きながら指を指す。しまった、人がいた事に忘れてた!

 俺はリーベット先生にバレないために、急いでごまかそうとするとルイさんが、心当たりがあるかのように呟く。


「もしかして、転生者か?」

「ナッ――!?」


 俺が転生者だとバレテしまった。バレタ事でどう誤魔化すか考えた事が真っ白になって観念する。


「ハイ、俺はあなたが言う通り転生者ですよ」

「へぇ、通りで他の子と顔つきが違うと思ったわけだよ」

「で、俺をどうするつもりですか? 奴隷にして売るのですか、それとも――」


 俺は自分をどうするか聞こうとするが……。


「いや、俺はお前を売らないよ」

「へ?」


 なんとルイさんは俺が言った事を否定する。

 どういう事だ? 自分で言うのは何だと思うが、この世界にとってすごい知識を持っているのに売るどころか、気味悪がってない。


「俺はとある人物から頼まれているんだよ、『レレイア村に転生者が居たら支援をしろ』ってな」

「そうなんですか?」


 俺がそう言うとルイさんが提案してくる。


「そうだね、だから俺と取引しないか?」

「取引ですか……?」


 昔から怪しい教団とか苦手な俺には、茶を濁すが、ルイさんは悪魔のささやきのように伝える。


「だけどもしかしたら、他の奴にバレたらまずいだろ?」

「まあ、否定はできませんけど」

「だったら俺と取引したほうが良いぜ、魔鉄鉛メティスは週に一回で樽を三本くれる代わりに、作った銃を俺にくれよ。そうしたら黙ってやるし魔鉄鉛メティスが貰える、まさにwin-winってやつだろ?」

「ウグ……!」


 確かにこのまま試行錯誤しているうちに、在庫が切れてもらうときに金が発生するのはかなり厄介だ。

 実質この世界の通貨まだ知らないし、子どもだから儲かれない。

 苦悩して数分考えて取引を受け入れる事にした。


「よし、これからもよろしくな!」

「ハ、ハイ……」


 たった今、とても奇妙な縁でもありながら頼れる商人を、仲間にする事ができた。

 この後は小屋の棚に初めて作った回転式拳銃リボルバーを飾って孤児院に戻った。


もしよかったら良いねと感想とブックマークとレビューをしたら嬉しいです。

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