69.妖精の願い後編
いきなり勇者って……一体どういう事だ!?
見知らぬ妖精の爆乳少女にいきなり勇者さと呼ばれ、一体どうなっている変わらずにいる。
アリスやヴィンセントはともかく、さっき来たレノンやアリオンも呆然としており、頼りになるカインも一体何がどうなっているか分からずになっている。
本当にどういう事だよ!? 俺が勇者? ノアに世界を救うように頼まれたけど、いきなり知らない女子に呼ばれる事ってある!?
俺はあまりの訳分からなさに混乱するが、少女はハッと我にかえって謝罪する。
「申し訳ありません! いきなりこんな話をしたら驚きますよね……」
「え、いや……」
少女は上目遣いで謝ると、俺の善意にざくざくと申し訳なさそうに刺さる。
それに勇者って……俺は奴隷級だし、仮に勇者なら魔法を何発放ってもケロリとしながら無双するだろ……。
そう思っていると青年が前に出て言う。
「まぁまぁ、今はこんな所じゃなくて、放せる場所に移動したらいいんじゃないかな?」
青年の言葉を聞いて「確かに」と納得する。確かにこんな場所で話し合っても変だし、それに一度落ち着いてから話したほうが良いからな。
そう思いながら我が家に向かおうと馬車の方に歩む。すると少女は驚きながら転んでしまう。
「キャッ!」
「おっと」
俺は軽く彼女を抱えると、なぜかムニュっとした柔らかい感触を感じる。
ん、ムニュ? なんかよくわかないけど触り心地良いな。そう思いながら揉みまくる。
なんというべきだろうか? 餅とマシュマロを合わせたような感触に近いな。
そう思いながら揉んでいると、少女は口元を抑えながら囁いていた。
「ん、くぅ……アッ……!」
俺はその囁きを聞いて、顔を青ざめながらゆっくりと手元を見る。
それは俺の右手が少女の胸をわしづかみしていた。彼女の爆乳を俺の手が揉みまくり、指があまりの大きさに埋もれていた。
俺は少し『わー、あまりの大きさに指が埋もれている―』と呑気に現実逃避をするが、あまりの柔らかさとやらかした感に現実だと理解した。
やってもうたー!? 俺は無意識にセクハラしまくっている事を理解すると、俺は即座に話して少女に向けて土下座する。
「何度も胸をもんでしまい、申し訳ありませんでしたー!」
俺は勢いよく土下座をすると少女は慌てて落ち着かせる。
「い、イエ! 私のうっかりが起こした事なので気にしないでください」
「イエ! 無意識とは言えど俺がやっている事はセクハラでございます! 人として最低な事です!」
俺はサラリーマンとして最低な事をやってしまった罪悪感に強く感じてしまう。
アリスとレノンはじっと見て、ヴィンセントとカインとアリオンは気まずそうに眼をそらし、青年は口元を抑えて堪えていた。
誰か、この状況に突っ込んでくれ! あまりにも恥ずかしくてメッチャ心にダメージがやって来る!
心のダメージが限界寸前になりかけている時に、青年はこらえきれずに爆笑する。
「アハハ! そこまで気にするなんてどんだけ真面目なの! ドジするのはいつも通りだけど、こんな事初めてだよ! ヒィィ、息が出来ないよ!」
青年は少女の名前を言いながら笑い、いきをあらくなるほど笑っている。
というか笑うなー! 人前でそのことを笑われると拷問に等しいわ!
心の中で突っ込んでいるとアリスとレノンが説教する。
「アレス、偶然だからって女の子にセクハラするのはだめだよ!」
「そうです、アリスさんの言う通りです!」
「ハイ、二人の言う通りです……」
俺はアリスとレノンに頭を下げて謝る。
二人の言う通り偶然だとしても、ドジしたとは言えどセクハラはいけない事だ。
カインはこの空間に耐え切れずに言う。
「確かにセクハラはいけない事だが、今はアレスの家に行ったほうが良いんじゃないか?」
その言葉を聞いて青年は息を整えながら頷く。
「ハアハア、確かに君の言う通りだね」
こうして多少の事故が起きた物の、俺達は青年が乗った馬車にのさせてもらい、そのまま我が家に向かう事になった。
その後は自由組合の馬車置き場に置かせ、二人はフードを被って我が家に向かった。
そして我が家について、リビングに置いてあるソファーに座る。
俺とアリスとレノンは青年と少女の前のソファーに座り、ヴィンセントとカインとアリオンは食事するときに使う椅子に座っている。
少女が自己紹介を始める。
「最初に私のはアイリス・エルアーダ、そして隣に座っている人は――」
「エルキドゥ、エルキドゥ・エヴァだよ。今後ともよろしく勇者さん」
エルキドゥはにこりとしながらおれを勇者さんと呼ぶ。
名前も分かった事だし、サクッと質問する。
「名前を教えてくれて嬉しいが、二人はどうしてシンに来たんだ? それに妖精であるアイリスも俺の事を勇者様と呼ぶんだ?」
アイリスが言った勇者様や二人がシンに来た理由を聞く。
アイリスはどうして俺の事を勇者様と言い、シンに来た訳を話す。
最初に二人がシンに来た理由は、祖国バビロニアにとんでもない予言が来たからだ。
それは近い将来バビロニアに封印した不浄人形が蘇り、蘇った不浄人形が魑魅魍魎の不浄人形が生み出され、絶望がはびこってしまう。
しかし対抗手段もある、それは洗礼の書物に選ばれた勇者であった。
さっそくバビロニアの臣下たちは洗礼の書物を使って誰が勇者か調べた。そこに書かれたのは『数年後に一人の青年が今の銃に似て、それよりも超える魔法の筒を使って戦う。そのものが勇者だ』だそうだ。
臣下たちは「これは偽物だ!」と怒り狂って予言を信じようとせずにいた。
しかしアイリスはこの予言を信じ、そして一ヶ月が経ってシンに今まで見た事無い銃を見て、即座に次期バビロニアの王に伝え、そして今に至るというわけだ。
俺はその話を聞いて考える。
今の銃に似て、それよりも超える魔法の筒……それはまさに突撃銃や狙撃銃に散弾銃の事だ。
俺はその話を聞いて。
「……分かった。エルキドゥとアイリスの言う事を信じる」
俺はそう言うとアイリスは満面の笑みで聞く。
「ほ、本当ですか!? 信じられない話なのに?」
「もしも本当だったらヤバいし、一応自由組合にそのことを話すがそれでいいか?」
俺はエルキドゥにこの話を他者に伝えても良いか確認する。当の本人は軽く「良いよ」と答える。
もし新たな不浄人形に備えて戦力を上げないとは。俺は未知の大陸に少しドキドキしながら覚悟する。
その後は遅かったから出発するのは、自由組合に伝えるのと同じ日にして、二人に我が家を止まらせた。
その代り二人を止まらせたことで今日の夜毎話になって、少しムラ点いたのは秘密だ。
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