表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
銃器が弱すぎる世界に転生したけど銃知識と現代戦術知識で成り上がる  作者: 佐々牙嵯峨兎
2章 邪月の都ルナ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

47/81

45.魔血邪装

 俺はその名前を聞いて強ばってしまう、その名前は転生する前の、なのにどうして知っているんだ!?

 俺は心の中で焦っていると、アイヴァンは手をかざして詠唱する。


『火の根源よ。今一度、業火の弾丸を撃ち出せ! 業火弾インフェルノボム!』


 詠唱し終えると、真夜中でも辺りが見えるくらい、紅い炎の弾丸を俺に向けて撃ち込む。

 俺は魔導手袋の力で無盾ザ・シールドを発動させて防ぐ、しかし熱風が肌をひりつき、目をやられるような光が視界に強く焼き付ける。

 焼けるような痛みが染み渡るが、歯を食いしばって何とか防いだ。

 アイヴァンは俺の苦しんでいる姿を悦び、さらに魔法を放とうと詠唱する。


『力の根源よ。今一度、魔法の力を上げよ! 魔導威力上昇マジックパワーリース! 雷の根源よ。今一度、稲妻の矛を撃ち出せ! 稲妻矛ライトニングスピア! 水の根源よ。今一度、激流の森を撃ち出せ! 激流銛ラピッドハープーン! 風の根源よ。今一度、敵対者を刺し切る矛を生み出せ! 疾風矛ウィンドスピア!』

「う、くぅ……」


 火以外の魔法を放った上に、魔法威力を上げる自作魔法を使って無盾ザ・シールドを破壊しようとする、こっちも何とか耐えるが少しずつひび割れていく。

 このままじゃ……俺の不安が当たってしまう、なんと無盾ザ・シールドが破壊されてしまい、俺とお嬢様が吹き飛ばされてしまった。


「グゥ……!」

「ウゥ……!」


 爆風に吹き飛ばされて地面に転ばされて、体を強く強打されて何とか立ち上がる、すると俺の脳裏にとある景色がフラッシュバックする。

 それは昔の俺がまだ学生の時にいじめられていた景色だ。

 昔の俺が廊下に惨めに倒れ、目の前に立つ男が見下すような目で俺を見る。

 この景色はまさに似ていた。俺は震えた声である言葉で話す。


「もしかしてお前は……隼人はやとなのか?」


 俺はこの世界に無い言葉……日本語で昔いじめてきた奴の名前を言う、すると奴は腹を抱えて笑い出して言う。


「アハハ! ようやく気付いたのかよ、琢磨たくまくぅん?」


 アイヴァン……いや、隼人はやとは前の俺の名前をバカにするように言うが、俺はいろいろな疑問がよぎり、物凄く気になる事を言う。


隼人はやと……お前はどうやって転生したんだよ!? 転生するには神の力が必要なんだぞ!」


 俺はこいつがどうやって転生したのか聞く、すると隼人(はやと)は俺が地面に伏せているからか、とても流暢に言いだす。


「何で転生したかって? それは黒フードの奴がこの体にしてくれたんだよ」

「黒フードの奴? もしかして世界を滅ぼそうとしている黒幕の事か!」


 隼人をアイヴァンに転生させた奴が黒幕の事だと知る、すると後ろから絹を裂く叫び声が聞こえる。


「キャー!」


 俺は声の主がお嬢様だと思い、振り向くとそこにはお嬢様の首を強く握りしめる謎の鎧男がいた。


「お嬢様!」


 俺は叫んで謎の鎧男に向けて〈Mk23〉を構えて引き金(トリガー)を引く。すると鎧男はお嬢様を手放して弾丸を弾き飛ばす。

 俺ははじき返された弾丸を避けながら、放されたお嬢様を抱える、お嬢様は顔が青冷め、徐々に肌色に戻る、助けるのが遅かったら危なかっただろう。

 俺はお嬢様を離れた場所におろす、すると鎧男は天に向けて大声で叫ぶ。


「GOOOOOOOO!」


 俺はその叫び声を聞いて思わず耳を防いでしまう、鎧男はその隙を突いて瞬く間に俺に近づいて、鳩尾に目掛けて強く蹴る、その衝撃と共にへし折る音が響く。


「グェ!?」


 俺は鳩尾が蹴られた衝撃とろっ骨が折れた事で、体内の酸素をすべて吐き出し、唸り声をあげてしまう。

 何だよ、これ。一応屋敷から出た時に、自作魔法の堅牢ザ・ガードと俊敏を掛けたはずなのに……どれだけ強いんだよ!

 俺は心の奥底で悪態をつくが、いくら悪態をついても意味が無いだろうと思い、無剣ザ・ソードを無詠唱で生み出して袈裟切りにする。

 しかし鎧男の脇腹に紅の鋭利な爪が無剣ザ・ソードを歯止める。いくら力を入れても動じたりもせず、そのまま無剣ザ・ソードを砕いてその爪が俺の脇腹を裂く。


「グゥ!」


 鋭利な爪が腹を裂く痛みと焼けるような痛みにうめく、俺が苦しんでいる所を見ている隼人はやとは、嘲笑いながら鎧男の正体を言う。


琢磨たくま君さ、どれだけバカなの? そいつは君が守っているお嬢様のお兄様だよ?」

「……ハッ?」


 俺は隼人の言っている事に理解できずに呟く、すると鎧男は指先から血液を吹き出して、それをブレード状にする、すると両腕をクロスにして俺を切り裂く。


「GARUAAAAAAA!」

「グァァァァ!」


 俺は何とかバックステップで避けようとした、けど間に合わずに斬撃を食らって叫んでしまう。

 バックステップしたことで後ろに倒れ込んでしまい、胸から大量の血が熱と共に噴水の様に噴き出す。

 ま、マズイ……このままじゃ死ぬ。

 懐に隠してある治癒水ポーションを取り出そうとしても、出血が多くて力が全く入らない。

 このまま死ぬのか……。

 鎧男がとどめを刺して命の終わりを思った瞬間、一人の少女が俺の前に立つ。

 少女の正体はレインお嬢様だった、俺はかすれ声で呼びかける。


「お嬢様……イ、急いで逃げて……!」


 俺は歯を食いしばって立ち上がる、しかしお嬢様は頑なに逃げずに俺の前に立ちふさがる。

 鎧男もといカイン様はお嬢様の行動に首を傾げる。


「GRRRR?」


 お嬢様が立ちふさがっている時に、隼人(はやと)はお嬢様の行動を爆笑する。


「アハハ! 何考えてんのこの子? バカすぎて笑いが止まらないよ!」


 隼人はやとの言い分に俺は、はらわたを煮えくり返る怒りが溢れ出す。

 あいつが呑気に笑っていても、お嬢様は無視してカイン様は元に戻そうと説得する。


「お兄様、何でアレスさんをいじめるのですか? もう無理はしないでください。お願いですから戻ってきてよ……お兄ちゃん!」


 お嬢様は最愛の家族がほかの人を、いたぶる姿を見るのが耐え切れずに、止めに入って頬に一筋の涙を流す。

 するとカイン様は少しだけ正気に戻ったか、少しずつ後退ってしまう。



「G……GAA」


 カイン様もこんなことをしたくないんだろう、しかし隼人はやとはその思いを踏み弄るように笑う。


「何だよ、家族愛だの兄弟愛なんだの正直言ってキモいんだよ! コイツは堕天吸血鬼(ロスト)の落ちこぼれなのに、兄として愛するなんて馬鹿みたいだな! それにこいつはもう元に戻らないんだよ」

「どういう事だ!」


 俺はカイン様が躊躇している間に、治癒水(ポーション)を飲んで一命を取り留めたが、隼人はやとが言っている事に理解できずに叫ぶ。

 すると隼人はやとは呆れつつも言う。


「本当に奴隷級スレイブはバカなうえに、理解力が無いなんて面倒くさいなぁ……馬鹿でも分かりやすく言うのなら、今着ている魔血邪装デーモンブラッドアウトフィットを破壊しない限り、無駄何だよ!」


 隼人はそう言うなり叫ぶ、するとカイン様は突如悶えだし、遂に手から血を噴出させてブレード状にする、そしてそのままお嬢様に振り下ろす構えを取る。

 マズイ、急いで守らないと!

 俺は無我夢中で彼女を守るように抱いて、お嬢様と共に目を閉じる。そしてその凶刃が襲い掛かると思っていた。

次回もストレス展開がありますがラストはスカッと展開にします。

もしよかったら良いねと感想とブックマークとレビューをしたら嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ