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未来転移  作者: 梓悸
6/14

日本酒バー

戦闘とかネット上の行動ってないのー?かと思います。。。

今回もありません。。。

次回ネット上の行動が出てきます。。。

 「ここ?ほんとに?」

 「そだよ。逆にランチで本当にいいの?ニホンシュ飲めないよ」

 「ま、顔合わせみたいなもんだよ。相手のお眼鏡に叶うかどうかもあるしね。ユウキがちゃんと紹介してくれるんだろ?」

 「そこは任せておいてよ。お眼鏡に叶うかどうかはタカシ次第だけどね」

 「言うようになったね、お嬢ちゃん。ポータルも近いなら悪くない。最高立地と言ってもいいか」

 雑居ビルを見上げて7階ビルの4階か、と思い何かが頭をよぎったのだが、雑念を払うかのように頭を左右に振ると。

 「着いたよ?どした?」

 いかんな。まだ疲れてるのか、酒が残っているのか?ヒノキの香りが強めに一瞬襲ってくる。

 「いらっしゃいませー」

 ほとんどユウキと変わらないか年下の女の子たちがウェイトレスとして働いている。珍しいと思ってしまったのが、アンドロイドが居ない。人件費とかどうなってんだ?それとなくユウキに「ここって、ユウキが最初に来たの何年前?」「5-6年前かな、まだ(銃を構える恰好をして)する前だし」と来た。案内されるがままに親子と思われたのだろう、カウンター席ではなくテーブル席へ誘導される。ランチだし当然だよな。窓際ではなくフロア中央。大概は嫌がるが俺としては全体が見えるので都合がいい。が、メニューが来ない。ヘッドコンソール付けるわけにもいかず、アイコンタクトのつもりでユウキを見ると小声で。

 (もう頼んだよ。私と同じパンケーキミックス。生クリーム好きじゃないって言ってたから抜いておいた。飲み物はアールグレイで良かったよね)

 正確には「中途半端な生臭い生クリームが嫌い」なんだけど、抜いてくれてる気遣いはありがたい。手を合わせて感謝を示す。

 ざっと周りを見てみる。アルバイトっぽいウェイトレスドレスの女の子が2人、カウンターには監視カメラをハックできると早いんだが、どうするかな。と思ったが、仕事の依頼があるわけでもないし、知らんがなを決め込むとしてヒューマンウォッチング程度に。

 主婦だろう、40代と言ったところか。二人で談笑しているところを見ると相当仲がいいのだろう。子供の話や子供の将来で悩みや打ち明け話をしているようだ。異彩を放つのは二人。ひとりは食べながらなのに音声チャットを(自分では)小声でしている大柄の男性。途中何度も口調が荒くなっているのが分かる。物流系のせわしない人だろうか。

 もう一人はカウンターの内側で、黒猫を抱きながらタバコを吸っている品格も風格もある女性。ただ、なぜかタバコの匂いは気にならない。逆にヒノキの香りの方が強いほどに。つい見ていると微笑まれてしまい、その瞬間何かに気付いたかのようにカウンター脇から寄ってきて。

 「あら、ユウキちゃん、ご無沙汰じゃない」

 「カオリさん、お久しぶりです。こちら、新しいパートナーのタカシです」

 「へえ、ファーストネーム呼び捨てなんて、ユウキちゃんも隅にはもう置けないわね」

 「よしてくださいよー」

 すっと立ち上がり、頭を下げて

 「桐生孝志と言います。よろしくお願いします」

 「あら、よしてよ。ここは西新宿よ?ほら、夜にはバーもやってるから。日本酒はお好き?もちろん、合法の正規版よ」

 「来ても構わなければ」

 「会えてよかったわ。来れそうならいらっしゃい、あなたもね、ノンケさん」

 流石にばれてるか。

 (ごめん、タカシ、気を遣わせちゃって)

 (いや、いい。相談は後で外でしよう)

 小声でやり取りし、チェックを済ませて外に出ると。

 「せめて会話程度はネット通話できないとダメだな」

 「チップのインプラント手術受けちゃいなよ。今なら、ケインやウィルさん経由で最高級品ゲットだぜ?」

 「事実迷ってはいるんだが、他に方法あるんならーなんて甘っちょろい考えなんだ。あ、夜タイムまで時間あるよな、御苑とかで日向ぼっこしながら作戦会議しないか?」

 すごく嫌そうな顔をしたユウキを見て逆に引いてしまい。

 「なんでダンジョンに行くの?」

 「え?新宿御苑って、ダンジョンなの?まさか、都庁は?」

 「二つの塔を両方同時に同じタイミングで倒さないと撃破できない超難関ダンジョンだよ」

 「新宿って昔も今も魔窟なのね。。。どっか話せる場所ある?少しさっきの店で気になるところがあって。」

 「新宿ガード下かな。雨風もしのげるし、カップルやデートスポットも近いから人も多いから安心だよ」

 「そこって、俺らの時代だと危ない人が取引とかお金がない人が寝泊まりするところだったんだけどね。。。」

 「もう気にするな」

 「そうする」

 

 「で、あの店のママはあのカオリって人で合ってる?」

 「合ってる」

 「もうひとり、小声に抑えてたけどがたいのでかい男性居たの覚えてる?」

 「いたっけ?」

 「ユウキが知らないなら気にしなくていいか。あと、ギムリィから何か来てない?こっちからも追加で要求したいんだけども」

 「あ、来てた」

 「え?今?」

 「昨日の夜。ごめん、気付かなかった。送るよ。ヘッドコンソールでコネクトして」

 周りからクスクスと笑い声が聞こえるが、仕方ない。

 ギムリィからの回答はこうだ。

 「100%とは言えないがバッテリーの複製はテストを含めて完了した。タブレット(+スマホ)に関しては接続ケーブルは解析、復元できたが、電源ソケットが難しい」

 とのこと。そりゃそうだ。電源周りで俺がいた時代の日本製に勝てる会社はほとんどいないだろうし、と言うと語弊があるか。いきなり出火とか爆発とかは(当時ニュースを見ていた側から言わせれば)止めてくれと思うし。

 「ユウキ、ネット借りてギムリィと話していいか?」

 「いいよ。ルーム作る?」

 「俺は完全無防備になるからお任せできるのであれば」

 言うが早いかダイブが早いか。目の前にドワーフ工房が。

 「よ、ギムリィ爺さん」

 「来ちゃった。なんかタカシが話したいんだって」

 「それにしても、pingの一つも打てんか?で、なんじゃい」

 「ごめん、次からそうするよ。無礼は謝る。で、質問と依頼なんだけども」

 「焦らさんでええ」

 「ヘッドコンソール無しでリアルでのネット会話だけでいいからできないか?例えばBlueToothイヤホンマイク形式の神経系接続版とか」

 「なんじゃ、そんなことか。ほれ。片耳だけ付ければそれでいけるぞ。ただ、バッテリーはMax8時間、Min5時間程度の欠陥品じゃけどな。欲しいなら改良しておくぞ?」

 「おお!すげえ、バッテリーチャージ(充電)はどうするの?ON/OFFはこのボタン長押しっぽいけど」

 「ユウキの傍に居ればええ」

 「「んん??」」

 「非接触充電。皆まで言わせるな」

 なにかが通った気がするが気にしない。

 「早速試してみていいか?」

 耳に刺した後に電源を入れ、目の前に一つだけコンソールが現れる。これか、とタップすると

 「聞こえるー?!きっこえるー!」

 と大声で叫んでいるユウキの声がガツンっと入ってきて思わず耳から外してしまい。横にいるユウキに。

 「うるさい。聞こえたよ」

 ただ、このデバイス、耳から外れやすいんだよな。輪ゴムかなんかで縛るか?

 「あるよ」

 人の目には見えず(流石に視覚センサーには引っかかるが)ごく細いなんとかファイバーでできてる固定用のワイヤーを渡された。俺はこの人がヒーローでいいんじゃないかなと思うのだが。

 「もう一つ試していいか?」

 耳に装着した後に電源を入れて。

 「ユウキから俺のネットワーク見えるか?」

 「今ポップしたよ。これかな?パスワードって言われたんだけど」

 「「1234」」

 ギムリィと俺が同時に答える。苦笑いをしつつも、ユウキには分かんないだろうなと。

 「最初のおまじないってやつだ。入れてみて」

 ポンっと俺の前に許可申請の画面が出る。OKをタップ。

 (聞こえる?)

 (うん、聞こえる)

 (でも、この通話はユウキが傍にいないとバッテリーがすぐなくなっちゃうんだ)

 (わかった)

 (ギムリィ、聞いてるだろ?パスワードの変更方法教えてくださいな)

 (ばれ取ったか。まあ、その程度推察できんとハッカーとは言えんな。耳の付けとる部分ボタン1回押した後に長押しでパスワード変更画面が出る。2回押した後に長押しでパスワードリセットをするかどうかを聞かれる。Yesタップ直後に4回ボタンを押した後に長押しで初期化される)

 (なるほど、ボタン式とは最近珍しいな)

 (むずかしっ)

 (そうか?)

 (ユウキも覚えておけよ。パスワードリセットをリアルでさせられる時は絶対に来るからの)

 (ありがとう。今は知的好奇心の方が勝るのでこの辺で失礼したい)

 (電源ソケットが出来れば、すぐに連絡するぞ)

 (待ってる。行こう、ユウキ)

 (うん)

 

 まだ少し早かったようだ。開いていない。仕方ないな、何か時間を潰すかと思っていると。

 「あら、もう着ちゃったの?せっかちね。いらっしゃいな。歓迎するわ」

 雑居ビルの1階に居たため、エレベータから降りてきた香ママに見つかってしまったようだ。


読んでくださってありがとうございます!

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