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未来転移  作者: 梓悸
2/14

未来に行っても今の技術が通用しちゃった

プロローグです。

分からない単語は架空のものも混じっているので、そのうち用語集にまとめた方がいいかなと思っています。楽しんでください。

 「大丈夫か?」

 知らない声音で話かけられて、返事をしようとすると背中が痛く、硬い石かステーキ用の凸凹が付いた鉄板の上に乗っているのかと思ってしまう。真っ暗い中で声が聞こえる。ぼんやとした灯りともに。

 「は、い。ありがとうございます。ここは?」

 「いきなり質問出来るなら意識はあるようだな。質問に答えてやりたいがその前に、立てそうか?」

 肩に腕を回され、抱き起こすのを手伝ってくれるようだ。正直助かる。まだ目が慣れていないのと、痛すぎて自分ですぐに立ち上がれるか自信がなかったからだ。

 「一度深呼吸出来るか?息が荒過ぎる」

 そう言われてようやく自分が腹式呼吸ではなく浅い胸式呼吸を繰り返していることに気付く。ふぅっと息をゆっくりと意識的に吐いて。頭を落ち着かせよう。最後の記憶は?自分の名前は、たか、し。孝志、そう、孝志だ。最後の記憶、か。何にも覚えて、無い、わけじゃ無いな。確かサーバの緊急対応を深夜に呼び出されてしていたはずだ。そう、俺はコンピュータエンジニアだった。ITエンジニアとか言われてたが。裏方のサーバ側の仕事だったので、見た目のカッコいい所は若手に持っていかれておっさん扱いだったな。

 「どうした?笑っているようにも見えるが」

 あ、しまった、せっかく話しかけてるれてるのにめちゃくちゃ失礼だな。どういう状況なのか聞こう。そもそも、ここはどこだ。薄暗いし、下は岩盤か?少し熱を持ってるな。日本語通じるみたいだし、日本のどこかの洞窟だろうか。酒飲んだ記憶は無いんだが、やり終えた達成感でオフィスで飲みでもしたっけかな?そういや、スマホ!あれ?圏外か。カバン!あるな。良かった。財布もある。洞窟?鍾乳洞?を出たら職場に連絡しないとな。時刻が、なんだこれバグってんのか?30時??午前6時って事か?

 「ありがとうございます。桐生孝志と言います。ここは何処でしょう?日時を確認したいんですが今は何時ですか?一応確認ですが今年は西暦何年ですか?職場に連絡をしたいんですが圏外なので電波の入る所までついて行っても構いませんか?」

 小首を傾げられ、少し間があった後に。

 「救助はもちろんだ。そのつもりだった。タカシでいいな?私はユウキだ。ここで寄生生物やバイオゾイドになられても困る。ロボノイドはもう少し上の入口付近の階層だしな。灼熱洞にここまでの階層まで来てるなら名のあるバウンサーだと思ってたんだが。圏外とかスマホってのはよく分からないが、ネットワークコンソールの場所を知りたいという事か?時間は、三時刻をアルフォンスに入ったぐらいだな。星暦なら2030年だ。入り口にあっただろう。登録IDは?」

 ん?なんだと?訳の分からない言葉が飛び出したぞ?俺、やっぱり酔っ払いなのかな。二日酔い?

 「ありがとうございます。質問に質問で答えてすみません。登録IDというのが理解できないのと、他の単語も質問したいのですが、とりあえず職場に連絡をしたいんです。電波が入る場所までご一緒くださいますか」

 ユウキと名乗った男性でいいのだろうか、女性っぽくもあるユウキは怪訝そうにしながらも、支えつつ人差し指を上に。入り口、というか、私からしたら出口だな。上に行くってことね。階層とも言ってたな。どの位かかるんだ?

 「IDだろ。アカウントだよ。スパイか?(ひとしきり大笑いされて)救助はする。賞金も私に出るしな。電波は入り口付近なら入るだろうが、怪しい行動したら攻撃するぞ?タカシ。警備隊の方が早いかもな。武器は?」

大笑いされた後に、物騒な事を聞かれて、武器?んなもんあるか。カバンを確認は出来そうだ。監視っぽく見られてるけれど今の状態を確認しないと。衣服は紺のスーツだ。ネクタイはよれているしそろそろジャケットもスラックスもクリーニングに出さないとまずいと思っていた。カバンは擦り切れた皮のバッグ。就職祝いに母に買ってもらったやつだ。財布、黒い長財布でこれは父から貰った。ICカード、クレジットカードもデビットカードもキャッシュカードもある。ポイントカードってなんでこんなにあるんだ?と今更思いながら、通院している病院の診察券と、免許証を確認して身分証明書はあるな。IDって、免許証でいいのかな?と思い、ゴールド免許をユウキに見せてみる。

「なんだそれ?」

目を細くして眉間に皺を寄せながら見てくれていたが、明らかに違うという事は分かる。これ以上詳しく聞こうとしたり下手なことしたりするとヤバそうだ、疑われてるし。

「お願いします、入り口に送っていただきたいです。武器は持ってないです。ノートPCとタブレットはありますが。」

目を見張るようにジッと見られて。

「古代兵器持ってんのか!?コレは力強い。このコネクタ貸すから繋げてくれないか!USBケーブルは持ってないんだが、wifi6だといいがwifi7は使えるか?BlueToothでもつながるが。言語は何を使えるんだ?pythonか?他にも?」

なんでいきなり目を輝かせて近づくの?近い近い近い!というか古代兵器??言語かぁ。Pythonまだ勉強中なんだよな。って言語ってコンピュータ言語?だよな。

「JAVAとC言語、C++、PHPは使えますよ。サーバサイドなので、フロント側はわかるレベルです。HTMLとCSS、JavaScriptは使えますが、デザインセンス無いのでそこは勘弁してくださ…」

「古代魔法が使える?!本当か!見せてくれるか?JavaでHellow woldの表示を!」

 痛いって!首絞まるし唾かかってるからそんなに顔近づけないで!んー?何言ってんだ?しかもHello world?そんなもんテンプレ使って総合開発環境で、速攻でってか10秒だぞ?と、ビルドして表示する。

「おおお!初めて見た!バイオゾイドは私がなんとかする。コンピュータウィルス埋め込みプロセスは今1つしか持っていないので。ロボノイドは対応出来ますか?」

説明をしてくれよ。しかも、ここ本当に日本??分かんなくなって来たぞ。さっきまで睨んでたじゃない。

「何をすればいいんですか。バイオロイドにコンピュータウィルス?ロボノイド?」

「バイオゾイドはコンピュータウィルスに弱いので、発動させればwifi 経由で注入して即死出来ますが、物理攻撃はかなり強いです。なので私がタカシを護衛する。ロボノイドはコマンド変更が出来れば襲って来こない。古代言語でプロセス停止してくださればいいのだが、そのスイッチは使い捨てを1つしか持っていないんだ」

 ロボノイドはプロセス停止コマンドか。って、なんでプロセス停止スイッチがリモートで使い捨て?下手したら乗っ取れるな。バイオゾイドってのがよく分からないが、コンピュータウィルスか。これ、効くかなー。ぶっちゃけ研究用(あくまでも個人的な)に手元に置いてあるサンプルプログラムあるんだけど。

 「いきなり尊敬されても気持ち悪いから、さっき通りでいいよ。質問だけど、ロボノイドはOS何?killコマンドだと、プロセスIDが分からないと。あと、オモチャみたいなウィルスプログラムならいくつかあるけど、ワクチンプログラムあるんじゃない?」

 自分で言うのも情けないが戦闘能力は、皆無だぞ?剣道部だったけど初段とったの何十年前。。。?のレベルだし。そうか、武器で木刀とかは欲しいな。護身用かもだけど。

 「ロボノイドの場合、OSというのがわからないがプロセスIDは額に書いてあるので分かるだろう。killスイッチは今は一つだけ。ここに来るまでで使い切ってしまい。ウィルス埋め込みプログラムを使えるだけなので、見せてもらっているそれが正しいか、効果があるかは、分かりません」

 ですか。試してみてダメだったらの保険は欲しいな。

 「木刀とか物理的な護身武器の予備ある?直接は戦いたくないけど、攻撃を流した、い…」

言い終わるかどうかのタイミングで暗闇から襲ってくる何者か。

「下がって!バイオゾイドです!」


 ほう、これか。気持ち悪いな。これがコンピュータウィルスでどうにかなる?本当かな〜。ま、試してみるか。めちゃくちゃ古典的なクリスマス系の時限発動プログラムを、改変して1秒後にしてみるか。ユウキのwifiってこれか。ってパスワード無し??これは後でお仕置きだな。wifiにセキュリティかけてないとかありえんだろうが。攻撃用ってその必要があるのか?そうすると。。。いやとりあえず今をなんとかしよう。怪我したくないし、痛いのは少ない方がストレスレスだ。残業したくないし、入院なんてもっと勘弁だ、な!ユウキのネットワークから相手のネットワークに入って、起動待機状態を確認後、ユウキのネットワークに戻ってファイアウォールで遮断。ログアウトすると。

「え?」「は?」

 バイオゾイドと呼ばれる個体が吹っ飛び、緑か青か分からない液体が洞窟の壁に飛び散りユウキにかかり、真後ろで屈んでいた俺にかからなくて良かったーとか思いながらユウキに声をかけてみる。

「大丈夫か?」

 ユウキは茫然自失と言った方がいいだろう。硬直していたので、どうすりゃいいのかな〜と数分待ってみて。

「ん、なんですか!!!いまのはー!!」

「知らん。試しただけだよ。古典的なコンピュータウィルスをユウキの端末経由で仕掛けてみた。効いたっぽいね」

 その後、効いたどころではなく威力が強すぎてもう使えないでしょうとか、いくらかかるのかとか言われて。腹減って来たし、とっとと出ない?と言うと、ようやくここで落ち着いてくれた。

 相手がバイオ(生体)兵器だとすると、ウィルス解析されるとめんどくさいがここを一旦抜けるのが先、と考え、「同じ」ウィルスプログラムを使用しながらユウキの案内で階層を上がる。説明してほしいと何度も聞かれたが、俺の方が分からない事だらけで聞きたいんだよ、と言い返して駆け抜ける。

 何分?何時間戦って?いたのか何体停止させたのかも分からなくなり、そろそろ休もうと声をかけようとした時。

 「こっちです!地上に出ますよ!」

 よかった。ようやくか。途中でロボ?っぽいのもいたがあれが言ってたロボノイド?血が出なかったのでやりやすかった。OSはLinuxに近い感じだが、普通にroot権限をハックできるっておかしいぞ。。。部品はよく分からないのが多かったので適当に拾ったけど。

 「ケインさん!タカシを救出しました!」

太陽光が眩しく、洞窟を抜けたのだと分かる。ケインと呼ばれた人影は見えるんだが、逆光でさっぱり確認出来ない。

 「タカシ?誰だそれは。こい!今ならゲートキーパーは居ない!」

 「助かる!タカシ、ついてますね!」

分からない単語ばっかり出てくるんだが、今はとにかく外へ。安全地帯であることを祈る。眩しすぎる太陽が見え一息ついて簡易的なプレハブ?にしては5階建てなんだけど?どうやって建ってんの?という建物へ連れて行かれ、ユウキとはここまでだと握手をする。

 「ありがとう。助かったよ」

 「また探索する時はご一緒してくださいね」

 いや、当分と言うか、まずは現状把握だろうな。だっていきなり複数人に羽交い締めにされていきなり首筋に何かを当てられ、持っていたカバンは奪われて中身を勝手に出している。まるで警察の事情聴取だ。任意のつかない方の。俺は犯罪者じゃねえよ。。。ケインと名乗る背の高い金髪のゴツイ男が詰問してくる。

 「タカシ、でいいのか?IDは?」

 「羽交い締めされて一方的に言われても。運転免許証なら入ってますよ、財布に。マイナンバーのカードもあるはずです。痛いんで離してもらえませんか?抵抗はしないです。聞きたい事もありますし。」

 自分でもこんなにふてぶてしくなるのかと思いながら提案をしてみる。完全に犯罪者扱いだな。下手に行動すると留置場行きだ。職場に連絡したいんだが、すぐは無理か。従うしかないな。と、いきなり窓の外から雨音と雷がしてくる。何事だ?とびっくりしてしまう。管理者なのだろう、一番偉そうな人が顎で指示すると、ようやく羽交い締めは解放されるが、硬いパイプ椅子に座らされ左右に警備員っぽいゴツい人がいる。これ、ドラマとかの事情聴取じゃないんですか?俺何かやったっけ?ドッキリなら早く終わりにしてくれると助かるんだが。都合よく雨音が鳴り、雷が響いてくる。音が近すぎる。まるでここに落ちているかのように。

 「今日の天気予定と重なったか。IDはないな。なぜ潜り込んだ?バイオゾイドは感染の危険性がある上に密猟でも旨味が少ない。そのぐらい分かるだろう。何が目的だ?」

俺の方が質問が多すぎるんだが下手打つのはまずいが、下手に出て舐められるのも癪だ。

「ここは初めてでね。IDというかパスポートは持ってる。ビザはさっきも言った通り初めて来たので持ってない。意図的に潜り込んだわけじゃない。信じてもらえるまで監視を付けてもらってもいいが、職場に連絡して帰りたい。羽田か成田まで送ってくれないか?最寄りの空港まででもいい」

 部屋にいる全員がはてなマークを頭に浮かべる表情をしているんだが、俺はおかしな事言ったっけ?深呼吸した後に、再度同じ事を言おうとすると、いきなり銃を額に突きつけられてしまい。

 「ちゃんとした教育を受けていないマーシアンスパイか。その見た目からも大体想像は付くが、いい加減所属を吐け。命だけは助けてやる」

はい?だから職場に連絡したいだけですってばよ!拳銃って、それモデルガン?とか言える雰囲気じゃない。スパイ?所属?って役職を言うか名刺出せばいいのかな、名刺ならあるんだがと左胸ポケットに手を入れると、今度は全員が銃を突きつけて来てしまう。急いで両手を上げて。

「待ってくれ!俺は名刺を出したかっただけだ。ただのエンジニアだよ。ITのね。職場からいきなりこんなところに来たんだから、連絡ぐらいさせてくれ」

「疑惑は解けていない。しかもそんな若いITエンジニアなどいるものか。連絡はすぐには許可できないが、考慮しよう。いくつか質問に答えてくれ。口頭で申し訳ないが構わないか?エンジニア・タカシ」

 皮肉っぽく笑ったり嘲笑うように笑われたり。ま、銃も下ろしてくれているし、ようやく話を聞いてくれるのか?

 

 「孝志でいいですよ、桐生孝志。インターナショナルコンピュータ株式会社極東支部の情報開発部のサーバエンジニアのシニアチーフです。上司は田中俊さんです。もしまだ 疑いが晴れていないのであれば、左の内ポケットに名刺入れがあるので、それで所属を確認してください。電話番号も住所も、日本語と裏に英語でも書いてあるので」

 右に立っていた人が胸ぐらを掴み上げいきなり左胸に手を入れ、名刺入れを抜き取ってくる。先にひとこと言えよ!ビビるし、俺はノーマル(女性が好き!)って言う暇がない!目の前の管理者に渡され、全部テーブルに並べられ。

 「名前が違うのか?」

 「(明らかに疑われたか。しまったな)クライアントのも入ってます。現在の職場のクライアントは名刺入れに入れたままにしているんです」

 「見たことも聞いたこともないが、本拠地はどこだ?」

 「そんなに大きくない企業ですからね。本拠地?本社はUSAですよ。。でも、クライアントは大手もいますよ?日本の四大SIerからはよく呼ばれますね」

 「どれも聞いたことがない」

 「やだなーこの企業さんとかテレビCMとか有名じゃないですか。子供も真似したりするし」

 「テレビ?CM?なんだそれは?」

 え?ようやくこの時点で、会話自体が成立していないと気付く。ここは何処なんだ?日本語通じるのに日本じゃない?しかもテレビもCMも通じない??ど田舎?この考え方も失礼だなと頭を振って深呼吸し。

 「改めて、私はインターナショナルコンピュータの情報開発エンジニア本部長で、桐生孝志と申します。孝志と呼んで頂いても構いません。よろしければ、皆さんのお名前を伺ってもよろしいですか?ケインさんでよかったですか?お呼びしても?」

 スッと立ち、日本式のお辞儀、敬礼をしてみる。立ち上がる時に周りの人の緊張は伝わって来たが、そこは仕方ない。座ったままというわけにもいかん。

 「。。。エンジニア?何の?」

 戸惑うように聞かれたが、まだあんたの紹介聞いてねえぞ?とか思いつつも。

 「ITエンジニアです。個人的には情報処理技術者って言いたいんですけどね!」

 あははと冗談っぽい感じで言ったつもりだったが、いきなり硬直。何事だと思いながら混乱している時に、ユウキの声が聞こえてくる。

 「ケインさーん、まだっすか?タカシともっかい潜りたいんっすよ、4〜5階層ならいけそうで!」

 よーし、ユウキ、てめえ、俺に喧嘩売ってんのか?あんなダッシュで逃げた場所にもう一度行けと?職場に戻らなきゃいけないんだよ。連絡すら出来てないんだから、やべえだろうが!

 「ITエンジニアの証明は出来るか?」

 あれ?敬語?威圧感が薄れてるけど、疑ってるか。

 「一番得意なのはJava言語です。シェルスクリプトやC言語も使えます。そのノートPCに総合開発環境入れてあるので、実行結果をお見せする事は可能です。携帯プリンタとプロジェクタもあるのでそこの白い壁に映し出した方が早いでしょうか」

 うるさく何度も騒いでいるユウキの声を聞きながら、分かりやすくすぐ動く動画を修正して見せてみる。簡単だしね〜と思っていたのだが。

 「大変失礼しました。高明なITエンジニア様なのですね。是非上司に紹介したいのですが、構いませんでしょうか!」

 何でいきなり敬語のレベルが尊敬語になるの?これ、違う意味で拘束されてないか?拒否権は欲しいぞ。。。

 現状分かる部分とケインに聞いた範囲で整理しよう。日本など存在しないそうだ。地球自体ただ酷い歴史を聞かされた。5回吐いて1時間寝かせてもらって、続きを聞いてもう一度吐いた。何やってんだよ人類!ちゃんと歴史書として残してる!?映像が綺麗すぎるってば!って怒鳴りつけたぐらい。西暦すら無い。星暦って何?ただ、コンピュータはある。あるのだが、使えるだけだ。俺からしたら、エンドユーザしかいない、と言う事になる。どのボタン押せばいいか、をマニュアル通りに操作するオペレータ。操作するのを見ていて、どっかのスマホショップかコンビニの店員さん?とか勘違いするほどに。いや、バカにしているわけじゃなく、全員がそうだった。障害がおきたらどうすんだろうと思っていたが、現状何事も無い。サーバ管理者っているの?って聞くと、エンジニアはほとんどいらっしゃいません、とか答えられ。ちょっとサーバ見せて?と言うと、国家機密なので許可を申請するのに1〜2年お待ちいただきたく。。。ってちょい待てやコラァ。閲覧申請自体は今すぐしてもらい。

「バイオゾイドとロボノイドってなに?あと、IDって分からない。日本国が存在しないで俺はID持ってるでいいの?なら、俺を証明するID、アカウントだっけ?が、欲しいんだけど、出来る?」

アカウントはすぐに発行された、というより準備がされていたようだ。生体チップを埋め込むか?と聞かれたので、嫌ですと言うと怪訝そうに、ICカードですか?無くさないでくださいねと言われてしまった。その後、説明を聞いたところによると。ロボノイドは暴走したロボット。バイオゾイドは生物兵器の失敗作。あかんやんか。なぜ誰も技術的に出来てもやっちゃダメって言わなかったと聞くと、下を向かれた。水爆や核弾頭は?その被害はないの?と聞くと、まだその階層にはほとんどの人は到達することができず、ある意味伝説状態だとか。

「んーっと、情報整理したんだけど、紙資料、本ってないの?」

「本とは何ですか?」

まーじーかー。無いのか。叫びそうになっちゃいました。夏目漱石の小説好きだったんだけど、読める?って聞くと即行でタブレット表示してきて。嬉しいんだが、そうじゃない。礼を言って出来るかどうかだけで、じゃあソクラテス哲学とか、孫子の兵法は?と聞くと、すぐ出してくる。これなら般若心経位ならすぐ出してくるなとか思った後に、地球ってどうなったの?日本は?と聞きました。

「地球はほぼ死の星です。生命は居るにはいるんですが反社会的アナーキーかそれを狩るバウンティ、ロボノイドぐらいです。バイトゾイドは毒耐性がある品種はいるようですが、調べましょうか?ネットワークにある程度の資料はあるはずです」

そこまではいいやと丁重に断りつつ、教えてくれた事に礼を言いながらも、もう吐ききって嗚咽しか出ない状態になりつつも、まだ確認しないといけないなと思い直す。

 西暦から星歴に切り替わったのが西暦2000年辺りと言うことは、今は西暦換算すると4000年overか。。。

なんか未来に行くアニメ、昔見たことあるな。と顔を洗おうと、ふと鏡に映った俺を見て。どう見ても10代後半から20代の見た目になってんのはどういうこと?そりゃ本部長っつっても信じてもらえないわ。

どうしてこうなったんだ。。。



見てくださってありがとうございます!

応援してくださると喜びます。主に著者が、ですが。


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