表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/4

ハピネス (2)

そのとき、わたしはパスタを茹でていた。


その間にも頭の中でいろんな考えが浮かんでは消えていく。


わたしは頭の中でのおしゃべりが多い方だ。

多いと言うよりもう騒がしい。

突然頭に浮かんだ単語について意味もなく検討していたりする。


今日の単語は3次元だった。


この現実を3次元というのは少し苦しい。

他で3.5次元とされているのを見た事がある。


では4次元とはなんだろう。


そんな事を考えていて、突然閃いた。


わたしは1人ではないのだ。


3次元のわたしがいて、4次元のわたしがいる。

この世界は、2人のわたしが共有して生きている世界なのだ。



なぜそんな事を思ったかと言えば、5次元のわたしが仕事をしてくれている、と感じた事が原因だろう。

5次元のわたしは1人なので、1度に1つの作業しかできない。

あれもこれもというわけにはいかない。

だから時間がかかるんだよ、願いがすぐに叶わないのはそういう理由から。処理待ち中のものがあるのさ、きっとたくさん。


そんなふうに物事が素早く進まない事を慰めていた。



なら4次元とか3次元のわたしもいるんでない?

するとこの世界は3次元じゃないからここにいるわたしはどこの次元のわたしだ?



そうして出た答えが「両方じゃね?」だった。





なぜこんな事を書いているかというと、ついさっきまで体が動かないレベルで寝込んでいたからなのです。

無理矢理動いていたけどね。

金・土は仕事にもいったし、日曜はフラフラになりながら家の事したり、ご飯作ったりしてもうほんと辛かった。

今朝も起きたはいいけど限界なのか体が動かなくて布団で横になっていた。


これじゃいかんと、なんとか体を起こしてあれこれしているうちにお腹が空いている事に気がつき、パスタを茹で始めた。そして冒頭につながるわけだ。





パスタを食べながらも頭の中でおしゃべりは続く。

さながら蜘蛛子四姉妹のようだ。


まあどうやら2人いるらしいからうるさいのは仕方がない。

そして気がついた。


このパスタは3次元のわたしの食事だ。

なら4次元のわたしは何を食ってるんだ?


愛?

勇気?

誰かから向けられる何かの感情?

恐怖?

喜び?


どれも違う感じがした。

あれこれ言葉が思い浮かぶがピンとくるものがない。

そして。


『愛おしさ』


それはやってきた。

愛おしさ。

4次元のわたしはきっとそれを食べている。それも、ただ愛おしいだけではきっとダメだ。


自分を、わたし自身を、心から愛おしいと思うこと。


無理しないとか、気持ちよく過ごすとかではないのだ。

愛おしむこととは違う。

もふもふを見て愛おしいと感情が溢れるように。

赤ん坊を見て優しい感情が溢れるように。


4次元のわたしは、わたし自身を愛おしいと思う、溢れるようなその感情を食べている。




きっと、それは人によって違うのだろう。

だから毎日元気で幸せそうな人がいる。


でもわたしはなぜかそのとんでもなくハードルの高い感情を食事に選んでいる。


そしてお腹が空いて何もできずにいる。


なんちゅうこっちゃ……。

もっと手に入りやすいものを食料としてくれよ。

自分を愛おしいと思うこと。

あり得んぐらい手に入らん感情である。自分大好きだったらコミュ障になんかなっとらんわ。

まあわたしの場合は、だが。

自分大好きのコミュ障だってきっといるだろう。多分。

人の事はよくわからん。





そしてこんなとき、わたしはとりあえずフラワーエッセンスを試してみる。


『わたしが自分自身を愛おしいと思えるようになるために』


出たエッセンスは、アラスカンエッセンスの「グリーン ベルズ オブ アイルランド」。

複数のエッセンスを混ぜたものではない、単独の花のエッセンスの中では、何度か出た事のあるエッセンスだ。


だが写真の花は可愛いが、1度飲んだ事があるかどうか、くらいだ。

理由は、どうせなら他のものが飲みたかったから。

説明書きが意味不明だったのだと思う。


だが今回は分かった。


「地球に新しく生まれた人」


今まで気がつかなかったこのひと文、これが今回わたしの中にすとんと落ちてきた。

ああそういう事か、と。



このフラワーエッセンスを飲むかどうか、購入するかどうかは分からない。


フラワーエッセンスを選び、その説明を読み、なぜそれが自分に必要なのかを理解できた時点で、わたしの中には変化が起きている。

次のエッセンスを注文するタイミングまでにもしかしたらその変化は終了して、必要なものが変わっているかもしれないからだ。

不思議なことに、自分に必要なエッセンスを知る事もまた、変化を促すきっかけとなる気がしている。



前回購入した「ハピネス」はまだ半分以上残っている。



今日の事はわたしが幸せになるために必要なことなのだろう。

自分を愛おしく思えているか。そうなれるか。


実際がどうであるかというより、小説に取り込めるかどうかがわたしにとっては重要だったりもする。


だがもしもそうであると仮定するならば。

ムチャぶりすんなよ、と正直言いたい。


思わず長いため息が漏れた。








これが事実とは思わない。

というかこれが事実やら真実ならうんざりである。


なんか空腹ゲージのあるゲームやってて、食べ物が見つからなかった時のことを思い出した……。

お願いです、食料は簡単に手に入るようにしておいてください(泣)。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ